気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる

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  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413039673

作品紹介・あらすじ

ちょっとした失敗でクヨクヨしてしまう…。人から言われた一言を気にし過ぎてしまう…。小さなことが気になりすぎてしまう人や、些細なことでクヨクヨ思い悩んでしまう人は多くいる。気にしすぎる人の中には「弱い自分が悪い」と自分を責めたり、“強くなろう”と過剰に無理をすることによって、心の病に陥ってしまう人も。「気にしやすい」ことは単なる性格ではなく、HSPという生まれつきの性質が関係している場合もあり、単純に“強くなろうとする”のは逆効果。最も大切なのは、「小さなことを気にする自分」を認め、そのままで生きやすいように自分の考えや生活を整えること。本書では、HSPの臨床経験を持ち、脳・身体など多方面から心の問題に取り組んでいる精神科医が「小さなことを気にしすぎてしまい、生きづらさを感じる人」が、過剰な生きづらさを感じずに生きるための方法を、具体的な習慣やモノの考え方を取り上げながら伝える。

感想・レビュー・書評

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  • HSP臨床医の著者が執筆した「考えすぎ人間」への指南本。

    今でこそ「HSP」「繊細さん」という言葉がちらほら聞こえてくるようになりましたが、HSP提唱者のエレイン・アーロンが「HSP」という理論を発表したのが1996年。
    「繊細さん」という名称でHSPを世に広めた、武田友紀さんの著作『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる  「繊細さん」の本 』が2018年出版。
    著者は(巻末にあるように)2000年からHSPに着目しており、「繊細さん」という言葉が世に定着する前から研究をしておられる方のようです。

    本書はHSPだけに的を絞らずに、クヨクヨ悩んでしまう人たち全般に向けて「考えすぎ人間」という括りを用いて「こういう風なことが原因ですよ」「こうしたら考えすぎも強みにできますよ」と背中を押してくれる内容です。
    (「考えすぎ人間」の中には、HSP、内向型思考の人、愛着障害を持つ人、トラウマのある人、自律神経が乱れている人、などがあてはまるようです)

    特に「クヨクヨ悩んでしまう自分を受け入れること」「インナーチャイルドを癒す」「ホ・オポノポノ」「ブレイクスルー思考」「行動を伴えば考えすぎは強みになる」といったような、一般的に励ましの言葉として用いられるような薄っぺらい根性論でもなく、「そうだよね、わかるわかる」だけに内容が始終する慰めでもなく、実用的でロジックもきちんとした(臨床経験に裏付けされた)内容が纏められていて、ためになりました。

    自身がHSPかも? と考えているのでさまざまな本にあたっているのですが、この本で初めて得られた知識があり、考え方がありました。
    HSPだけでなく、「考えすぎ」で悩んでいる方に一読いただきたい本です。

  • 気にしすぎる自分がラクになる本と内容的に同じに思えた。どちらか一冊読めばいい。

  • 数年前にいただいた本。ずっと積んでいたがいい加減に読もうと思ってページをめくる。平易な言葉で書かれているからとても読みやすい。簡潔で優しい口調だ。

    アウトプットとインプットが大事と言われているけれど、
    情報を入れて(入力)し、行動した(出力した)という事実が蓄積していくことにより、脳が成長すると述べられたいた。(70ページ)
    クヨクヨしがちな人は、入ってきた情報に対してマイナスになるような認識や意識づけをしてしまいがち。行動(出力)も同じように偏っていて、無意識にネガティブな風に定着してしまう。

    なので思い切った行動や、いつもとは違う行動が大事になってくるのではないかと思った。認知して新しいパターンでの行動がクヨクヨの連鎖を断ち切る。

    とても敏感な人(HSP)について書かれていた。(73ページ)ここで初めて知った言葉はHSS(刺激をとても追求する人)だ。好奇心に満ち、やる気があって衝動的で危険を冒すことをいとわないタイプ。
    HSPっぽいところがあるけど、ぴったりと当てはまるわけではないから、モヤッとしていたけれど、私は好奇心が先行して危ないことも好きだから、たぶんHSSに該当するのだろう。やる気は昔はすごくあったけど出る釘は打たれるで矯正されまくった結果、率先して行動を起こす気力は、かなり減りおとなしくなった。モヤッとが少し晴れた。

    クヨクヨもHSPも、愛着障害、トラウマも、認知して受け入れることからすべてが始まる。「受け入れる」は、勇気が必要だけど効果はてきめん。自己啓発本。

  • 決められなくて毎日悩んでることがあり読んでみました。
    朝が来ると憂うつで、もうイヤだ無理と思っていた気持ちが落ち着きました。体調が良くない日々が続いていますが、受け入れて過ごしていける気になれました。自分の負の感情と向き合う面白さも感じられるようになりました。もう大丈夫と思えるようになりました。読んで良かったです。

  • 神経過敏症で困ってる私には長沼睦雄さんの本を読むと救われます。

  • 長沼先生の開業前最後の著作になるのかな?前半に参考になる部分が多かった。

    ♧くよくよ悩むことも人を成長させる
    ♧実際にわからないことを恐れた状態を放置すると、くよくよにつながりがち
    ♧気にしすぎに関わる思考パターン:①自分のあら探しをする②厳しい理想像③くよくよ思考の結果、極に走る
    ♧トラウマの再演:自分のショックを受けた経験に近い状況を自分で選ぶこと
    ♧未完了のストレス反応:おさえこまれたマイナス感情
    ♧腹側迷走神経が「友好」的な反応を見せることを可能にする
    ♧脳は、事柄に対して、過去に学習したことから適当な対策を選び、実行する。実行したことが、脳の成長につながる

  • 自己啓発

  • 長沼先生の著書はわかりやすいし、心を軽くしてくれます。
    まずは自分を理解し受け止めることから。
    寄りかかって、支えあうのが人間だけど、まずは自分の幹みたいなものを作らないと、支えることもできません。

    相手のことを気遣うことはとても大切なこと。くよくよに変えたらもったいない、そんなことに気づかせてもらえます。

  • 私は「クヨクヨ人間」です。そして、ポジティブになるための自己啓発本が苦手。読んでもポジティブになれず逆に落ち込んでしまうのです。ハードルが高すぎて「オリンピックで金メダルを取ってこい」と言われている気分。でも、この本を読んで、目からウロコがごっそり落ちました。「クヨクヨ」してもいいのです。丁寧に「クヨクヨの原因は何か」と根っこの部分から解説してあるのです。「クヨクヨ人間」が生きやすくなるための「気づき、認め、許す」方法も、ごく簡単。心にスッと入ってきます。私にとって、お守りのような一冊に出合えました。

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著者プロフィール

山梨県甲府市生まれ。北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター小児精神科医長。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て日本神経学会認定医の資格を取得し神経内科医として勤務。感覚運動障害に興味をもち研究しながら感覚統合療法セラピストの資格を取得。北海道大学大学院医学研究科生理系専攻博士課程にてシナプス生化学の基礎研究を終了後、障害児医療分野に転向。1993年以来、現職にあり、自閉症などの発達障害児者の診療を続けている。障害児者の高次脳機能障害と知覚特異性に興味をもっている。

「2006年 『自閉症者からの紹介状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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