あなたの脳のしつけ方

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  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413039772

作品紹介・あらすじ

仕事、恋愛、人間関係…うまくいかない原因はズバリ「脳」にあります。「脳」は意外と単純にできています。こう刺激すれば、こう反応するというお決まりのパターンがあります。まるで筋肉を動かすかのように、脳をうまくしつけて思いどおりに働かせれば、仕事はバリバリ、異性にモテモテ、人生はキラキラ…となること間違いなし。本書は、「脳」にうまく働いてもらうことで、仕事・プライベートをうまく展開する術を、大人気脳科学者が大公開する一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 「心の師とはなるとも心を師とせざれ」

    800年前の日本の宗教家が信徒宛の手紙にこう残している。

    「自分自身を上手にしつけなさい。そうすればより素晴らしい未来が開けるよ」と言っているのだろうと著者は語る。

    脳科学者の視点から、その研究成果を8つのパートで分かりやすくまとめられている。

    ①集中力のしつけ方
    ・そもそも集中しにくいように脳はできている。
    ・それでも集中したいなら、まずインターネットを切る。
    ・キリの悪いところであえて作業をやめる。
    ・お風呂、ウォーキング、甘いものも効果的。

    ②記憶力のしつけ方
    ・大人になっても記憶力の向上は可能!
    ・エピソードに引っ掛けて覚えていく。
    ・感想を口にして言う。「検索する」イメージ。
    ・復習する。本には付箋を貼って読み返す。

    ③判断力のしつけ方
    ・決断力と判断力は、アクセルとブレーキ。
    ・睡眠が脳のごみを洗い流す。
    ・素敵な先延ばしが正しい決断を生む。

    ④モテ力のしつけ方
    ・モテたいなら相手の話を聞くこと。
    ・男性相手の聞き上手は「褒め上手」。
    ・女性相手の聞き上手は「スルー上手」。
    ・ジョハリの窓も参考に。

    ⑤アイデア力のしつけ方
    ・新しいアイデアなどない。
    ・歴史に学び応用しよう。
    ・過去のコピー、プレゼンをまねて身につけよう。
    ・アイデアはまず口にしてみる。
    ・そのために聞いてもらえる環境作りを。

    ⑥努力のしつけ方
    ・必要な努力のみしよう。
    ・まずはコミュニケーション能力を伸ばそう。
    ・無駄な努力をしないのも才能。
    ・努力はゲーム化記録化して、自分にご褒美を。

    ⑦強運力のしつけ方
    ・勝ちグセをつけよう。
    ・環境を変えるのも一つの手段。
    ・最初に入った会社では、3年は頑張ろう。
    ・自分に適した戦い方を身につけよう。

    ⑧愛情力のしつけ方
    ・人に親切にすることで幸福感が得られる。
    ・さらに学習力記憶力も向上し、免疫力も高まり健康になる。


    釈迦やキリストはこれらを高次元で実践しぬいたからこそ、辛苦に耐えるだけでなく想像を絶する幸福感に満ちていたのではないか、との意見に大きく賛同。

    できることから、はじめよう。
    できていないことにも、挑戦してみよう。

    人生100年の時代。
    お楽しみはこれからだ。

  • 読みやすく、わかりやすく、とてもよかった。努力、強運力、アイデア力のしつけ方がとても参考になった。


    集中力のしつけ方
    ・キリが悪いところでやめる。
    ・スリープ状態をつくる。
    ・とにかくやりはじめると抹消からスイッチが入る。
    ・集中できないのはセロトニン不足。カツオ、レバー、パスタ、チーズ、落花生、ホウレンソウ、豆もやしなど。
    湯船につかる、ウォーキング、適度な甘いもの。

    記憶力のしつけ方
    ・意味記憶、エピソード記憶。陳述記憶、非陳述記憶。
    エピソード記憶に変換して覚える、イメージでも、こじつけでもいい。
    ・口に出して覚える。五感で覚える。コーヒーショップの香りなど。
    ・一度学習しただけど、学習した後に3回復讐するのとでは記憶の定着率が違う。

    判断力のしつけ方
    ・Xシステム アクセル、 Cシステム ブレーキ
    ・睡眠不足はCシステムを鈍らせる。食欲、性欲など。
    ・Cシステムを働かせて余計な情動を抑えられる人は、生涯を通じて勝者となりやすい。

    アイデアのしつけ方
    ・右脳派、左脳派には科学的根拠はない。
    ・ものごと全体を把握するのに右脳を使い、細部をじっくり見るのには主に左脳を使う。

    努力のしつけ方
    ・努力すればそれなりにリターンが期待できるもの、努力がムダになるものがある。脳の構造がそうなっている。
    ・努力が実りやすいもの、楽器、語学の習得、運動技能、受験勉強、絵を描くなど。
    努力しても実を結びにくいもの、背の高さや顔の造形、足の速さ、跳躍力、肩の強さなどの身体的特徴。
    数学力も。
    ・努力の苦手の人が努力を続けるには、努力することで得られるご褒美を具体化し、頭の中で映像化する、商いでやり続けられるような工夫。
    ・「記録する」というのは、ゲーム性を高めて楽しく努力するのにとても有効な手段。
    ・努力中毒を避けるには、「メタ認知=自分を客観的に見つめること」が大切。

    強運力のしつけ方
    ・一度勝負に勝った人は、その勝ちというリソース(=資源)を使って次の勝負にのぞむことができるので、次も勝ちやすい。運のいい人=勝ち癖のついている人、運の悪い人=負け癖のついている人。
    ・勝率を上げるには、「知能」「言語性知能」本を読んだり、誰かから教わったりして積みあがった知識や、経験のこと。いわゆる教養。これを身につける。
    「非言語性知能」は生まれつき能力が決まっているので、なかなか鍛えるのは難しい。「柔らかい頭」
    「地頭」と呼ばれているもの。鍛えるとすれば、脳のワーキングメモリを広げること。日ごろから「物事を短期的に記憶すること」を意識的に行う。
    ・運をよくするためにゲーム自体を変えてしまう。「勝負する環境を変える」こと。
    ・勝てるゲームを探すためにまずやるべきことは、自分探しの旅でも起業でもなく、自分がどの分野で必要とされているのかを分析すること。
    ・メタ認知を鍛える、内観日記。その日に自分の感情が動いたことなど。

  • 作業はあえてキリの悪いところでやめるといい?アイデア力を鍛えるには歴史を精査するといい?努力する才能に恵まれた人とそうでない人がいる?運を良くする驚くべき方法とは?といった、ホンマでっか?!的な内容が盛りだくさん。集中力、記憶力、判断力、モテ力、アイデア力、努力、強運力、愛情力、どれか一つでも鍛えたいものがあるなら、脳の仕組みをうまく利用するといいかもしれない。

    集中力
    あえてキリの悪いところで作業をやめる。すると中断している間にも脳内で考え続けているのでアイデアが生まれやすい。勉強も同じ。

    人目につく場所で勉強すると、緩やかな圧力がかかるので集中できる。

    やる気が出ないのはセロトニン不足。セロトニンを合成する際の原料となる、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」を多く含む食材は、カツオやレバー、パスタ、チーズ。基本的にはタンパク質に多く含まれるが、タンパク質以外でも、落花生、ごま、ホウレンソウ、豆もやしなどにも多く含まれている。
    湯船に浸かる。ウォーキング。甘いものも効果的。


    アイデア力
    歴史を精査し、過去のアイデアなり解決策を、目の前の問題と結びつけてアレンジすること。アイデアは"思いつくもの"ではなく、「過去から拾ってきて応用するもの」

    努力のしつけ方
    努力する才能に恵まれた人とは、努力をうまく楽しみや快感に変換できる人

    強運力のしつけ方
    運の良い人とは勝ち癖がついている人。教養を身につける。成功体験を増やす。
    今いる環境よりも自分に向いていて勝ち運が上がりそうな環境に変える。

    内観日記に、その日に自分の感情が動いたことを記録する。

  • うまく自分の脳をしつけることができたなら、やれることは無限大だな、と思いました。

    そうか、あれもこれもこなしたいと思ったら、それらを直接努力するのではなく、脳をごまかせば良いのか?

    「続けるとやる気が出てくるので、とにかく手を動かし始めること」

    これはそう。実感します。
    重い腰をようやく上げて着手すると、面倒だと思っていた仕事でもスイスイ進みます。

    なんとか自分をごまかして、着手することに専念すれば、あとはスムーズです。まずはやること。やれ、自分。

    それから習慣化。どこでも言われていることだけれど、習慣化すること。

    読んで理解できても、なかなか身につかないので、……今度こそ!

  • 【本書のポイント】
    ❶スマホの通知機能をオフにする
    ❷作業を止めるときは、あえてキリの悪いところで
    →西ガルニク効果
    ❸人間の脳は、何かを真似すると
    →新しいことを身に付けるというのが基本プロセスとなっている。
    →新しいアイディアを生むにも、真似から入るのが王道
    ❹努力できることは、生まれつきの才能である

  • 男性相手の聞き上手は「褒め上手」、女性相手の聞き上手は「スルー上手」

  • 努力できる遺伝子か…努力も才能のうちという言葉は聞くことが多いけど本当だったんだなと思う。
    この言葉を聞くたびに「いや、それは逃げじゃん」と思ってたけど考え直そう。

    たしかに圧倒的な熱量で努力する人を目の当たりにするとすごい差を感じるからな…

    恋愛のブレーキを壊すためには寝不足とアルコールと書いてあって笑ってしまった。嫌だよそんなの笑

  • これは良書。

    脳の特性について、なるほどと思うことばかり。

    物事の捉え方には二面性あり、どちらが良いとか悪いということがないことを再認識。

    気になったのは、以下の事柄。

    ・仕事はキリの悪いところで終わらす。

    ・人間の脳は集中出来ないように出来ている。

    ・決断力と思考力は、相反するもの。

    ・間違った努力をしない。

    ・努力をしない怠け者だからこそ、効率的な仕事の方法を考える。

    ・本当の自分を知るために、「自分の感情が動いたことを記憶する」内観日記を書く。


    気を紛らわすメールや携帯のチェックは時間を決めて行うようになったら、仕事に集中出来るようになった。


  • 脳科学本を連読。
    最後の章の他利行動が幸福をもたらすと言う所がこの本の肝なのだと感じる。だからと言って行動にすぐ移すのは難しいだろうが心掛ける事から始めても良いだろう。

  • アイデアを口に出して言ってまるという行為には、実は失うものはほとんど無い
    根回しも大切

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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