なぜ家族は殺し合ったのか (PLAY BOOKS INTELLIGENCE 120)
- 青春出版社 (2005年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784413041201
作品紹介・あらすじ
これ以上残虐な事件を著者は知らない。「支配と服従」の密室で、少女は何を目撃したのか。
感想・レビュー・書評
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グロが苦手な人には、「消された一家」よりこちらがおすすめ。
向こうが女性容疑者の心情寄りで、臨場感にあふれているのに比べ、こちらのほうは裁判中心で、客観的です。
作者は、事件の最初から、「閉じ込められていたわけではないのに監禁といえるのか」という疑問に対し、「心理的に支配されたら、閉じ込められていなくても逃げない」と答えており、その事実を知ったうえで考察しています。
女性容疑者が黙秘を破るきっかけになったのが、男性容疑者への反発でなく、むしろ服従だったのが興味深かったです。
「このまま黙秘していたら、ふたりとも死刑になる。話せば、私は死刑だが男性は助かる」という…。
男性から「俺が死刑になるから話すな」と言われたのが意外だったというのですから、いかに男性の洗脳が巧みだったかということですね。本気で、やったのは自分で、男性は悪くない、と信じていたんでしょう。
しかしこの事件、支配されるようになった過程はわかったし、人はこうすればこうなるというのもわかったけど、やっぱり、本当に人はこんなに弱いものなのか、と信じきれません。
できるなら、犯人が異常で、被害者も普通より弱い人で、まともな人ならありえない、という結論で終わらせたいくらいですが……そこにとびついたら思考停止なんだろうと思う。
ああいう人間につけいらせないためにも、考え続けたいものです。 -
何回読んでも凄まじい、、、こんなことが実際にあり得るのか。。。と思わずにはいられない。
それぞれがそれぞれに割とわかりうる範囲の常識の持ち主で、緒方被告に関しては家族丸ごと飲み込まれてる中で、そうまでして引きつける何かがあるんだろうなぁ、、、
この著者が、オウム真理教に近いものがある。って言ってるけど、たしかにそういう謎のカリスマ性を持って生まれて、それに気がついて生きていくとこういう使い方ができてしまうんだな、、、、
と。
すごいよ。ホントにすごい。
凄惨な事件ではあるんだけども、この人の心を握ったら離さないチカラって。ものすごいと思う、、、、
プラスに転じたら何かに使えそうな気がするのはわたしだけでしょうか。
何度読んでも実際にあったとは考えられない事件です、、、 -
星のつけ方が非常に難しい。
読めば読むほど主犯の行動の理解に苦しむ。事実は小説より奇なり、とはいうが人が想像できる範囲をはるかに超えている。
グロいの苦手な方にはおすすめできない。
数カ月前に、地上波のドキュメンタリーで犯人の息子さんを取材した番組があったが、受け答えがしっかりできていた。それこそ他の誰にも分からないような苦労はしてきているはず。周囲でサポートしてくれた人達はもちろんだけど、やはり本人が苦しみながらそれに押しつぶされないように生きてきているのだろう。それをあの父親は分かっているのだろうか。 -
4-413-04120-8 221p 2005・6・15 1刷
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4413041208
── 佐木 隆三《なぜ家族は殺し合ったのか 20050601 青春出版社》
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以前読んだ『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件』の
公判記録バージョン。
公判記録だけを書き綴った本なので一見物足りなく感じる
かもしれないけど、事件の詳細は『消された一家』の方で
読んでわかっていたので十分でした。
あたしの知る限り、一番と言っていいほど残忍で極悪な事件。
もっとこの事件関連の本が読みたいです。 -
北九州の監禁殺人事件を追ったもの。家族同士が最終的に殺しあう様子を、まるで本当に見てきたかのように丁寧に描かれていて、途中で吐きそうになった。でも実話なんですよね。