その「エコ常識」が環境を破壊する (青春新書)

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著者 : 武田邦彦
  • 青春出版社 (2009年7月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413042437

その「エコ常識」が環境を破壊する (青春新書)の感想・レビュー・書評

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  • (特集:「ゴミ問題から環境問題を考える」)

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  • 高度経済成長の時代には多消費が好まれる雰囲気がありましたが、低成長時代になって、リサイクルやエコという言葉がよく聞かれるようになりました。言葉の定義というのは、物事を理解する場合においてとても重要なもので、「リサイクル」という概念もとても誤解を生みやすいものであることを、武田氏の昔の著書で理解しました。

    昔は、テレビは事実を別け隔てなく伝えるものだとばかり思っていましたが、まず伝えたいメッセージがあり、それにそぐわない事実はあえて報道しないという姿もようやく理解できるようになってきました。

    マスコミも慈善事業ではなく、スポンサーから資金を提供してもらっている営利事業であるので、視聴率がとれない番組作りはしない、と言われれば今までのマスコミに対するイメージが崩れて失望はしますが、妙に納得してしまったものです。この本は、武田氏の比較的最近に書かれた本で、主張としては今までの本と同様ですが、ためになる本であったと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・ペットボトルは石油からつくられるときのコストは約7.4円、リサイクルの場合は輸送費、再生費用を合計すると、新品の3倍以上になる、もったいないのは輸送費や再生費用である(p17、34)

    ・ペットボトルはボトルそのものの原価(10円)、お茶(10円)に対して、20倍程度の値段で売られている商品である(p20)

    ・天然物の濃度と製品のキログラム当たりの単価は、原料がどこで得られるか、どのような方法でつくられるかには無関係に、資源の品位(濃度)により決定する(p25)

    ・リサイクルできるものは、「鉄:1億トン」などのように社会に大量に出回っているもの、「銅線」「アルミ缶」のように、「ほぼ純粋な形で特定な用途」に使用されているものに限られる、ペットボトル(28トン)は少なすぎる(p26)

    ・先進国の森林はここ15年間で増加(3%)に対して、開発途上国の森林は6%減少している、そこでは薪として使用したり焼畑農業をするから(p44)

    ・樹木から新しい紙をつくるときには、紙1トンあたり石油336キロを使用(炭素換算)、リサイクルではその2倍(712キロ)を使うことが、製紙連合会から明らかにされた(p49)

    ・1960年代の紙の自給率(500万トン)は100%であったが、最近では6倍の3000万トンと増えて自給率は11%、石油は2倍使用となった(p51)

    ・狂牛病は、屠殺した牛のガラがもったいないというので乾燥して、牛の餌として使用した(リサイクル)ことから発生した(p62)

    ・30年にわたる世界規模の長い研究の結果、ダイオキシンの毒性は弱く、普通に焼却していても日本では「患者ゼロ、健康障害がおきる可能性はほぼゼロ」ということがわかった(p66)

    ・1ヘクタールの森林からとれる木材は150m3、そのうち80m3は運搬途中で廃棄、製材所で40m3は木材として使用できないので紙、割り箸に転用、残りの30m3を角材にする(p73)

    ・人間の平均寿命が40歳を超えたのが1800年代、世界一長寿国だったスウェーデンの平均寿命が50歳を超えたのは100年前、これから考えると現在の平均寿命:70歳は人類史上では異常である(p103)

    ・平均寿命は、医学の進歩よりも、生活レベル・衛生レベル・情報などがわれわれを健康にして長生きさせている(p104)

    ・LD50とは、検査に使う動物の50%を死なせる薬の量を、体重1キログラム換算にして表現するもので、どんなものにもLD50が存在する(p112)

    ・石鹸も合成洗剤も合成品、石鹸は多量に使用が必要であることを把握すべき(p114)

    ・エコバックの材料は、石油の中でも貴重な成分(ポリエチレンテレフタレート)から作られるのに対して、レジ袋は豊富に取れる成分から作られる(p165)

    ・ツバル付近の海水面の高さ(潮位)をハワイ大学、オーストラリア政府、ツバル気象庁が測定したところ、変化は数センチメートル以内と判明した(p167)

    ・水が温かくなれば、その周辺の空気はすぐ温まるが、空気が温かくても水が冷たければ空気も冷えてしまう、これは水は空気より熱容量(熱を抱く力)が3500倍もあるから(p178)

    ・人間は6000年前からずっと持続的発展を遂げてきたのは、節約したからではなく、資源を使い果たし、自然を破壊してきたから(p193)

  • 武田邦彦著「そのエコ常識が環境を破壊する」青春出版社(2009)
    * リサイクルの基本はモノを大切にという心ですが、それは単に目の前にある物質を大切にいということを意味するのではなく、それを作るときの労力、エネルギー、そして本当はそれをつくってくださった人への感謝の気持ちなのであって、ものだけではない。
    * 450リットルくらいの冷蔵庫の価格はおよそ15万円くらいで、消費電力は一年に400キロワット時程度です。電気代はその家庭がどの電力会社か、電気の消費量によっても違いますが、おおよそ一キロワット時で20円くらいです。1年に400キロワット時で、単価が20円とすると年間8000円くらいかかることになります。
    * 人間の平均寿命が40歳を超えたのが、1800年代、世界で一番長寿国だったスウェーデンの平均寿命が50歳を越えたのは約100年前に過ぎません。
    * 自らが招いた環境問題といういやなことでも冷静に、正面から見るしっかりとした考えや行動が望まれます。フランケンシュタインの物語が良い例です。
    * 日本国憲法の第21条には言論の自由、表現の自由が保障されています。第23条には学問の自由が書かれています。
    * 人間は食べたり、洗濯したり、畑を耕したり、獲物を追ったりする生活で100~150WH程度、つまり電球が2~3個つけているのを同じくらいのエネルギーを使います。頭を使うのは焼く25WHといわれています。そして現在の日本人が使っているのは4000WHにまで増加しました。
    * もともと正しいということを決めるのは3つしかありません。1つは神様、2つ目は相手、3つ目が法律です。神の考えが正しいというのはある意味論理的には成立します。相手に関しては、相手が希望しているからという場合で、倫理においては「倫理の黄金律」という2つがあります。「相手のして欲しいことをしなさい(積極的黄金律)」、「相手のして欲しくないことをしてはならない」(消極的黄金律)、前者は欧米的といわれ、後者は東洋的といわれています。いづれにしても、自分が考えることを正しいとするのではなく、相手に聞いてみるということです。
    * 人間の知恵というのは、そんなに優れたものではなく、せいぜい過去に起こったことを解説するぐらいしかできません。それに対して未来は「知恵」ではなく「夢、希望、勇気、信念」といったものです。
    * 環境問題とは物質というより心の問題であると考えます。

  • テーマが大きすぎるのに話が行ったり来たりしてし、
    ペットボトルなどの事例を深く言及してないのに魔女狩りやガリレオ・ガリレイなどを引き合いに、
    「そもそも人間はこういう風に生きてきた」などと主張しているが、
    石油エネルギーが主流になったのは近代の出来事だし、
    「人間はこれまで何千年も過ごしてきたから大丈夫」という根拠もよくわからない。

    僕の読み方が悪かったんだろうけど、よくわからない本だった。

  • 分かりやすい。

  • 目を通したい本

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