人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)

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著者 : 佐藤優
  • 青春出版社 (2013年10月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413044097

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人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)の感想・レビュー・書評

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  •  ここ最近、ウクライナにおけるクリミア情勢が緊迫しています。様々な見方があるとは思うのですが、どうにも日本国内での報道は「欧米の立場でしか伝えてくれていない」と感じることも多く。もちろんロシアの「力による現状変更」とのやり方を認めてはいませんが、どんな形であれ双方の立場からの「情報」がほしいな、と。そんなこともあったのか、ロシア情勢にイロイロな意味で通暁されている方のこちらを思い出しました。

     “中国が潜在的脅威だという見方は甘い。日本にとって、中国は顕在化した現実的な脅威である。”

     近未来の混乱を想定して、日本人が“生き残るためのノウハウ”をまとめた一冊となります。といっても、堅苦しい感じではなく、身近な例を題材にしながら、わかりやすく述べられています。

     構成は全てで8章、「怒らない」「びびらない」「飾らない」「侮らない」「断らない」「お金に振り回されない」「あきらめない」「先送りしない」。その各章ごとに佐藤さんの推薦本も載っていて、ちょっとお得な気分にも。また、佐藤さんご自身の視点を俯瞰するにもちょうどよく、導入本的にも使えるかな、とも。

     “TPPの本質は対中国を睨んだ環太平洋諸国の経済・軍事同盟”

     クリミア問題に限らず、各国のエゴがぶつかり合い、権益担保いのために軍事衝突も辞さない時代に入りつつあると感じています。これは、まごうことなき“帝国主義時代”の再来ですが、、その中で日本はどう立ち回っていくべきか、そんなヒントがちりばめられているかと。

     古代ローマの例を見るまでもなく、古来より経済と安全保障は分かちがたいものです。先の大戦後、国防の意識が希薄なままで来れた日本が、むしろ特異な存在なのかなと、そんな風に感じた一冊です。

  • 本書は「近未来、日本が大きな変化に巻き込まれることを想定したうえで、われわれ一人ひとりが生き残るには、どうすればよいかというノウハウを記している」(P3)
    実社会でうまくかわしていくにはどうしたらいいのか、元外務省に勤務していた頃の話を交えて経験豊富さからの極意を伝授。

    しかし、鈴木宗男事件で検察にとらえられていた時のことを話題にし、鈴木さんを裏切ることはできなかったなどと弁解がやたらと出てくるのが気になった。
    「もしも、検察の圧力に屈して嘘の証言をしていたら、拘置所を出た後も一生、鈴木さんの顔をまともに見られないし、スズキのバイクを見ただけで憂鬱になったかもしれない」(p186)と、義理堅いお人柄なのでしょうか。
    実体験の例として蒸し返したのでしょうけど、言い訳がましいのがなんとも…。

  •  近い将来に日本に何が起きるかと言うことを、筆者は2つ点を指摘する。

    ・グローバリゼーションの本格化
    ・国家機能の強化

     この二点に関しては筆者の他の著作に詳しい。特に二点目の指摘は代表作「国家の罠」に詳しい。


     弱肉強食の新自由主義がはびこる世界を生き残るには、個人として人間力を強化することが必要だ。その人間力を次の8つのテーマで記す。

    ・怒らない
    ・びびらない
    ・飾らない
    ・侮らない
    ・断らない
    ・お金に振り回されない
    ・あきらめない
    ・先送りしない

     読んだ中で思うことを書いていきますよ。

     まず、「怒らない」の章から。

     「怒らない技術」とか、イライラしないのが生きる上で大事、って本が一昔前に流行ったように思う。

     怒ると疲れるし、ストレスたまってよくない。俺だってブチ切れて怒鳴り散らすことなんて、めったにと言うか全くないよ。鷹揚な山中さんだよ。

     この怒りと言うもののパターンが次のように分析されている。

    ・神がかり的な怒り:突然に理不尽に怒り出す。情緒不安定なので、こんな人は避けるべき。

    ・人を守るための怒り:人を怒るところを違う人に見せることによって、実際にはその人を守るために怒っている。

    ・動きを止めさせるための怒り:人は怒鳴られることによって頭が真っ白になり動きが止まる。危険なことをやっている人を怒鳴りつけることで動きを止めさせる。

    ・ショートカットさせるための怒り:怒ることによって止まっていた状況を進めさせる。あの人が怒ってるから早くやろう、みたいな。

     怒らないことは重要だ。怒ってばかりの人からは人が離れていく。

     しかし、怒らなくてはいけないときに怒れないことは危険である。怒られなかったほうは「これでいいのか」と勘違いして、再びミスを繰り返す。

     できる人と言うのは頭がキレる。

     そこで怒らなければならない、なぜ自分が怒らなければいけないのか。

     それをわかったうえで怒るというのは大事だということがわかった。うん、重要。

     怒らなくてはならないときに怒れる人になりたい(と思った気弱な山中さんだった)。


     次に「侮らない」で少しコメントを。

     「侮らない」という言葉をみて、辻村深月「凍りのくじら」のセリフを思い出した。

     「あんまり人の脈絡のなさを舐めないほうがいい。
     どうしてそうなるのかわからないという原理、矛盾だらけの思考で人はあっさりと動くよ」

     あんまり人を侮っていると、なぜそうなるのかわからないことで人は反撃に回る。

     人も、会社も、組織も、国家も侮るなかれ。侮りは慢心を生み足をすくわれますよ。


     最後に「先送りしない」

     わかっちゃいるけど先送りライフ満喫中のワタクシです。

     資格の勉強するぞ!←続かない
     
     英語の勉強するぞ!←やらない

     これに関してはどうしても無理です。

     目標は複数設定し、期限を設けて、紙に書きだすこと、って言っても無理なものは無理だからしょうがない。

     そうやって俺の人生進んでいって、いつか後悔するんでしょうね、わかります。


     以上、そんなレビューでした。

     佐藤優の新書本は考えさせられること多く、新しい発見を得られるので、オヌヌメです。

  • さすが佐藤先生。
    最近買ったと思ってたが四年前の本だし、結構前に買っていた。色々示唆に富んだ実用書

  • 怒らない。どんな怒りかたか違いがあること。メタ認知により冷静になること。
    びびらない。びびる相手をよく観察すること。相手の状況を理解できるとびびる必要はなくなる。
    飾らない。自分を大きく見せる必要はない。
    侮らない。畏れの気持ちを持つこと。
    断らない。自分の力量を知り、明日延ばすことができる仕事は今日しない。仕事のメリハリをつけること。
    お金に振り回されない。お金を貯めることが重要なことではない。
    あきらめない。目標と執着を区別すること。目標は終わりをイメージできるものに。
    先送りしない。仕事を時間軸におとしこむこと。

  • 1 よい物語で疑似体験をする
    普通の社会人に経験できることは限られているので、小説や映画をみるといい。それらを通して代理経験できるという事。実際に体験しなくても本当に良い本や映画に触れることで疑似体験できる。特に喜怒哀楽を描いた作品で登場人物の内面や葛藤があらわになっているもの。
    ⇒小説か映画月1本見る

    2 いくらあっても満足できないのがお金の本質
    お金には「限界効用逓減の法則」が当てはまらないということ。普通、腹いっぱい飲み食いすれば満たされることで欲望が減少するがお金は違う。100万円手にすれば1000万円、次は1億円が欲しいと際限がなくなる。つまり「限界効用が逓減しない」ということ。これがお金の怖いところで麻薬に似ている。
    ⇒気を付ける

    3 お金を受け取ることで主従関係ができあがる
    人間には「返報性の法則」と呼ばれる心理があり、施しをされるとお返しをしたくなる。タダで物を受け取るとそこで主従関係が発生するということ。田中角栄が強固な派閥を作ったのもそれによる。
    ⇒これからも返報性の法則をやっていく

  • 人は人との関わりなしに生活することはできない。
    また、仕事や交渉事で、どんな相手にもぶれない、びびらない、図太い人になれる頭の使い方ができれば、心にも余裕が生まれるはず。

    外務省時代は、外務省主任分析官として活躍し、在ロシア連邦日本大使館に勤務していたころは、ロシアとの外交の最前線で活躍した経験を活かして著書。

    『人に強くなる極意』として挙げられているのは、怒らない、びびらない、飾らない、侮らない、断らない、お金に振り回されない、あきらめない、先送りしないの、8項目。

    ただ、もちろんここに挙げられているものも、時と場合、使い方や場面によって使い分ける必要がある。

    例えば「怒る」とは、いわゆる「キレる」のように反射的に怒ることと、相手をフリーズさせて危険を回避させるための怒り、戦略的に芝居として怒ることの3つに分けられる。

    キレた相手には、神が降りてきたと思って距離をおくしかないが、残りの2つの怒りは、時と場合によって、必要な怒りとなる。

    著書の中で、判断が速い人は直感的に判断していると思われるけど、普段からいろんな場面を考えていたり、シミュレーションしていたりするからこそ、速い判断ができる。判断が遅い人ほど、後で訂正があったり、間違えたりすることが多い。とあった。

    日本人は、熟考したり、周りの雰囲気をくずさないようにタイミングを計ったりすることもあるけど、いつでも判断できる頭の回転も普段から使っておかないと働かない。

    『人間は考える葦である』と言ったパスカルも、人間は考えずにはいられない。みたいなことを言っていた。せっかく考えるのなら、ポジティブに、実になる思考を心がけて、人に強くれるように意識してみよう。

  • ☆3(付箋10枚/P212→割合4.72%)

    あのふてぶてしい相貌で、理知的なんだよなあ。人に強そうなのに。
    インテリジェンスの世界にいると生まれ持った強さだけじゃあ立ち回れないのかも。


    ・学校で秀才だった連中というのは、「ファックスはもう送ったか」と聞いて、「すみません、忘れていました。すぐ送ります」と応えられるのは全体の1/3。残りの2/3は「もう送りました」と嘘をついて、後からこっそりファックス機のところへ行って送っている。

    ・夜の取り調べで検事が席を外し、若い検察事務官が取り調べ室で一人になったところを見計らって雑談をする。被疑者と事件に関する話をしてはいけないという決まりになっているようなので、食事や官舎などの話から始めます。雑談ではなく、担当検事の人となりをそれとなく聞き出すのが目的です。
    その結果、担当検事は常識人で周囲からの人望も厚いこと、彼が最も恐れているのは僕が黙秘をして供述調書がつくれなくなってしまうこと、午後3時と午後8時半に毎日検事同士のミーティングがあり、検事たちはそこで毎日何らかの成果を発表しなければならないことなどがわかりました。

    ・『太平記』の中で楠正成がある合戦をする際、「大河の濁流の中を歩いて渡るとか、虎と素手で戦うような人とはつき合わない方がいい」と話すくだりがあります。そういう一見勇壮な人物を合戦の時に用いると、むしろマイナスになる。それは勇敢ということでなく無謀な人だというのです。そういう無謀な人に使づかないこと。
    世の中にはびびらず面と向き合わなければいけないことと、大いにびびって逃げた方がいいことがある。大切なのはその見極めであり、仕分けなんです。

    ・たとえば、英語では「レディース&ジェントルマン」とレディの方を先に呼びます。なぜジェントルマンよりもレディが先なのか。単にレディファーストの国だからと考えがちですが、実は身分の違い。レディの階級は「lord」で、ジェントルマンの語源になった「gentry」より身分が上なんです。

    ・外務省の研修生だったころ、朝夕の新聞の切り抜きが日課でした。朝日、読売、毎日、日経から赤旗まで約8~9誌。これらすべてに目を通して、関連する記事を切り抜きスクラップにする。じっくりやったてたら間に合わない。最初のころは本当に参りましたが、次第に要領がわかってくるのです。
    まず大事な記事が何面にあるのか見当がつくようになる。ハサミの使い方も上手くなり、スクラップを台紙に貼る時もしっかり糊づけなんてしない。切り取った新聞をずらっと裏向きに並べて、真ん中にちょこっと糊をつけて一気に貼りつけていく。結局、スクラップしたものをコピーして上に持っていくので、原本自体を丁寧につくる必要はない。
    …余計なことに時間をかけないのも大きなポイント。たとえば、書類や資料を検索するのは無駄な時間の最たるもの。ボクがスケジュールや取材メモ、企画や発想などを何でも1冊のノートにまとめて書くのはそのためです。内容やテーマにわけてノートをつけていたら、いちいちそのノートを探さなきゃならない。すべて1冊のノートにまとまっているからこそ、即座に検索が可能なんです。

    ・作家の仕事を始めてから守っていることがあります。それは、講演をできるだけ引き受けないということ。ギャラが安いからじゃありません、高すぎるからです。
    たとえば、本を1冊書いたとして、最近では初版3000部なんていうのはザラなので、1冊2000円として印税はその1割ですから60万円。ところが講演なら1回あたり60万円、80万円なんて依頼がくる。人間は易きに流れます。

    ・お金だけは違う。100万円を手に入れたら次は1000万円がほしいと思う。1000万円を手に入れたら、今度は1億円がほしいと思う。欲望に際限がない、つまり「限界効用が逓減しない」のです。
    これがお金の怖いところで、一種麻薬に似ています。どんどんエスカレートして、それがないと不安になり、けっして満ち足りるということがありません。
    外交の世界では「情報をお金で買うな」という鉄則があります。ある人物から情報を得ようとする際、お金の力に頼るのが一番簡単に見えます。しかし相手が報酬に味をしめて金額を吊り上げてきたり、金銭の額に応じて情報の質を変えてきたりする可能性がある。

    ・インテリジェンスの人間にとっては、情報の質こそが最大のポイント。ですから、お金に対する執着の強い人間には警戒して近づこうとしません。そういう人の特徴は、お金を請求する時に積算根拠のないお金を要求してくることです。
    たとえば10万円必要だとなった時、これとこの資料を買い、相手と会食するのにいくら必要だというように、その内訳を明示できる人は大丈夫。多少それに上乗せをすることはあっても、法外なお金を要求することはまずありません。
    あとは要求金額は高くてもちゃんとした理由がある人物。自分の娘が病気で医療費がかかるなどの事情がある人は報酬を吹っかけてきますが、理由があるのでその後要求がエスカレートする危険は少ない。
    ところが、お金の内訳についての説明が一切なく、アバウトにいくらと要求してくる人物がいる。これはただのお金好きな人間だと判断して警戒します。そういう人物はどんどん要求がエスカレートするのが常で、これなどもお金に「限界効用逓減の法則」が当てはまらないことを証明しています。

    ・そしてこれからの時代、先送りできなくなるのが語学、それも英語です。TPPが導入されることで否応なしに英語が入ってきて、ちょっとした会議やメールのやり取りが英語になるなんてことが日常的に起こる。そうなると英語ができない人は当然上に上がれない。そういう人は単なる“労働力”になってしまい、賃金が激減します。東南アジアなどの安い労働力との競争になるからです。「もう40過ぎてるのに今さら英語なんて…」という人がいるかもしれません。
    そんな人に僕が勧めているのが公文式です。これは非常によくできていて、診断用のテストもしっかりしている。まずそこに行って今の自分の実力を客観的に評価してもらうのです。毎日30分でも淡々とこなしていけば、半年もたてば英語力は見違えるようになるはずです。しかも値段が月極めですから、いくらやっても値段は一緒。
    問題は子どもたちと一緒にやるということですが、ドイツ語だとかフランス語を子どもと一緒に習ってるオジサンもけっこういます。

    ・精神科医の木村敏先生が『時間と自己』の中で、非常に興味深い説を述べています。精神科医としてうつ病と統合失調症の患者をたくさん見てきた著者は、両者の時間間隔に大きな差があることに気がつきます。
    うつ病にかかっている人、あるいはかかっていなくてもその傾向がある人に特徴的なのは、「取り返しがつかないことになった」「もう終わってしまった」という感覚が強いことだと述べています。これを彼は「祭りの後(ポスト・フェストゥム)」的な時間意識と名づけています。

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    人に強くなる

  • 巻末に“本書は、「BIG tomorrow」誌の連載「佐藤優の人生修行」に加筆・再構成したものです。”とありました。

    なるほど、人生修行の方がしっくりくるかもしれませんね。
    本のタイトルから内容を想像しましたが、個人的にはがっかりしました。

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人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)の作品紹介

どんな相手にも「ぶれない」「びびらない」「怒らない」――。ビジネスでも人生でも、人と相対したときにどう振る舞えるかが結果を大きく左右する。いつでも最高のパフォーマンスをするには、どんな心持ちでいることが重要なのか。外国の要人、日本国首相、そして特捜検察などに対してギリギリの交渉力を発揮してきた著者が、現代を“図太く”生き残るための処世術を伝授する。

人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)のKindle版

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