10万人の脳を診断した脳神経外科医が教える その「もの忘れ」はスマホ認知症だった (青春新書インテリジェンス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413045162

作品紹介・あらすじ

いま、40~50代の働き盛りの脳に起こっているもの忘れ症状は、「スマホ認知症」(スマホで過剰な情報を脳にインプットしているために脳過労を起こし、記憶力をはじめとする脳機能を低下させる症状)だった!すぐに検索・情報チェック・ナビに頼る…といった習慣で、あなたの脳を「考えない脳」に変えてしまう衝撃の事実とその解決策をスーパー脳神経外科医が伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、
    ・記憶力の低下
    ・深い洞察が出来ない
    ・脳の処理能力(回転スピード)が落ちている
    ・細かなミスが増えた
    ・やる気が起きない
    といった症状を感じることが多くなった。

    そこで巡りあった本書。

    本書は、
    ・スマホ、PCを外部記憶装置とすることで生じる脳の老化
    ・考えたり判断したりするのは前頭前野
    ・脳の働き具合を良くする為に気をつけること
    ・脳の機能を回復する為に今日からできること
    といった、問題と解決策が書かれている。

    私の場合、仕事上のメモはノートではなくPCに全て記憶させているため、自らの記憶に関する機能低下に該当するのではないかと思われる。

    有益な書でした。

  • スマホがある時代とない時代では、
    情報の受け取る量は、
    どれくらい変わったのだろうか?

    そして、この変化が、
    自分達の脳や思考、はたまた生活にまで、
    どう影響を及ぼしているのだろうか?

    自分が、日々食べる物には気にするのに、スマホから見る、聞く、知る「情報」の
    量や質に、無関心で良いのだろうか?

    では、自分達の脳は、
    スマホの登場と共に、
    進化したのだろうか?
    スマホから、日々、
    提供される情報に対応できているのだろうか?

    答えはNOだろう。

    脳疲労という言葉が、広まっている。
    それは、はっきり医療現場から感じとれることなのだろう。
    脳疲労にして、その定義から、対策までの、
    研究は始まったばかりだ。

    スマホが、どのように人体に影響を及ぼすのか、
    これは、まだはっきりとエビデンスがある、
    つまり因果関係がはっきりとして、その負の面は提示されていない。
    恐らくは、私たちが思う以上に、
    「取り扱うのに、気をつけるべきもの」なんだろうと思う。

    著者曰く、「今、毎日、主体的にぼっーとする時間が必要」。
    以前なら、ぼっーとする時間なんて、日常のどこにでもあったが、
    これからは、主体的に意識して、ぼっーとする時間を作らなければいけない。

    アマゾンは、便利なモノだけど、ついつい余計なものまで買ってしまう、
    YOUTUBEは、面白いけど、ついつい、何時間を見てしまう、
    SNSは、伝達に便利だけど、実際、自分の時間を奪う、最悪、
    自分の人生を奪うモンスターになるかもしれない。

    上記のサービスは、全て情報だけど、
    自分達は、なんで、こんなものに、一喜一憂して、疲れ果てたり、
    喜んだり、悲しんだり、絶望したりするのか、
    よくよく、考えてみると、恐ろしいモノだと思う。

  • 多かれ少なかれ、すでに知っている情報ばかり

    1.スマホ認知症
    本来の認知症は不可逆的な病だが、スマホは可逆的、完治可能。
    警鐘を鳴らすため、シンドローム的に認知症と呼んでいる

    依存度チェックテスト項目15/30 → 危険度中

    記憶とは、
    ❶情報の記銘;アルツハイマー型
    ❷保持
    ❸検査・取出:過疲労、物忘れ

    ・情報のアウトプットにくらべ、インプット過多=情報メタボ
     eg. 長時間ものネットサーフィン、YouTube、オンラインショッピング

    ・セロトニン(朝、太陽光を浴びて分泌、心身の覚醒)とメラトニン(睡眠・入眠ホルモン)
    ・アミロイド-β(アルツハイマーの原因物質)は30代ごろから徐々に蓄積する

    2.考えない脳
    前頭前野における3つの役割分担
    ❶前頭前野における熟考する機能
    ❷ワーキングメモリ:浅く考える機能
    ❸デフォルトモード・ネットワーク:ぼんやりする機能

    ・デフォルトモード・ネットワークを稼働させてぼんやりしているとき、活動時の15倍エネルギーを消費している
     →危険予測シミュレートや過去の経験、情報の統合整理、現在の状況把握を分析して、準備している
    ・デフォルトモード・ネットワークは、自分を見失わないためのモニタリングシステムでもある
     自分。自分を振り返らないと、ひどければ自己を見失う=認知症に陥る
    ・FOMO:Fear Of Missing Out.見逃し不安、取り残され不安。一種の不安神経症。

    3.認知症を防ぐ心得
    ❶日向ぼっこ
    ❷モノタスク
    ❸脳の疲れを溜めない
    ❹即検索をやめる
    ❺デジタル・デトックス
    ❻ナビに頼らない
    ❼手間のかかる方法をあえて選択
    ❽リアルの体験
    ❾5分/日、ぼんやり
    ➓睡眠の取り方を変えて脳細胞を修復

    4.脳の回復方法
    ・寝室に持ち込まない
    ・就寝1時間前から触らない
    ・食事中、会話中は触らない
    ・検索前に、1分考える
    ・ネットで調べものをしたときは、手書きでメモする
    ・家族、会社以外の1日3人と会話する
    ・レストランや居酒屋は、自分の嗅覚で探す
    ・本は本屋さんで買う
    ・ひとつの仕事の前後に、1分のぼんやりタイム
    ・散歩するときはスマホをオフに
    ・無心になれるような単純作業
    ・相手と駆け引きするスポーツをする
    ・積極的な昼寝

    5.認知予備力
    Cognitive reserve:脳のつながり(脳回路ネットワーク)のよさ
    脳細胞はシナプスによって連絡ネットワークを形成している

    ナン・スタディ(スノウドンら、ケンタッキー大学 、1986)
    修道女(ナン)を対象に、日常の認知機能や生活状況を調査し、死後、脳解剖して脳内状態を調査するもの
    大量のアミロイド-βが付着し、萎縮した脳に老人斑とよばれるシミがひろがっていた
    重度のアルツハイマーと同じ状態

    若い頃から書物に多く触れていた
    多くの人とコミュニケーションをとり、日々の出来事や心のうちを日記におさめ物事を深く考えていた
    人や社会の役に立つ奉仕活動

  • 物忘れ外来を開設して日に100名以上の相談に乗っているが、ここ5年くらい、働き盛りの若い世代の来院が増えてきた。IT機器のヘビーユーザーが多く、情報量のあまりの多さに脳がオーバーワークになって、脳過労の状態になっている。

    スマホのよい使い方・悪い使い方がありそうなことはわかったけれど、感覚論から科学へと体系化されていくのだろうか。変化に追いつけるのだろうか。

  • 集中力の低下 記憶力の低下は年齢だけでなく スマホなどデジタル機器の影響と考え メモや日記など 書くなど努力はしていたが この本を読んで 再検討したいと思った。

  • あまりに楽に情報得られるようになったために、「脳があまり考えなくなってきた」「脳があまり学ぼうとしなくなってきた」と言う傾向が見られるようになってきている

    デフォルトモードネットワークは、何もせずにぼんやりしているときに働く気ので、「集中/ぼんやり」「働く/休む」などの切り替えをコントロールしているのはシステムです。ところが、普段からスマホにべったりと依存していたり、ぼんやりする暇もない位忙しい生活を送っていると、このシステムが正常に機能しなくなり、集中したいときに集中できなくなったり、休みたい時に休みなくなったりするようになる。

  • そうだったのか!
    ここ5年くらい、極力覚えない、考えない、を通して脳に負担をかけないようにしてきたのだが、
    真逆だったのかな。。。

  • 内容はシンプルだったが、考えさせられた。
    「スマホ認知症」「スマホ脳」という往年のゲーム脳論を彷彿させる言葉を造りながらも、押し付けがましさの少ない主張と文章が読みやすかった。
    (ゲームと違ってスマホは誰でも使うから、声高に否定しにくいという面もあるだろうが……)

    スマホ認知症では、『思い出す力』が弱るのだという。
    それを読んで、ネットで山のように情報を仕入れても、思い出す作業をめったにしない(そのきっかけがない)自分に気づかされた。
    ネットの情報は、本よりも情報量が多く、種類が豊富で、系統立てられていないことが多い。気まぐれを起こしてあっちこっちに飛ぶのも容易だ。
    このため、やめどきが見つけづらく、統一された知識になりにくく、ただ洪水のように頭の中を流れていってしまいがちなのだろう。
    情報収集では目的意識の持ちようが大切。そう頭ではわかっていたつもりなのだが、どうしても情報の新しさ、にぎやかさばかりをあくせくと追いかけてしまっていた。
    そうしなければもったいなく感じたり、手軽に何か意味のあることをしている気持ちになれたためだろう。だが、「たくさん新しい情報を見る」だけのことに価値があるわけではないのだ。
    今に始まったわけでもない情報過多の時代、色々なところで、「取捨選択」の能力の大切さに脚光が当たっている。
    獲得しない。選択肢をためこまない。終わらせる。
    鍛えるべきは、そのための判断力と勇気なのだと、あらためて思った。

  • ・スマホへの依存は脳の機能を低下させる
    ・あえて遠回りして時間をかけることが脳には良い影響を与える。

  • スマホ依存はよくないだろうと、本を読まずとも思っていましたが、この本はその理由をとてもわかりやすく説いていてくれて、納得、腹落ちしました。
    スマホ検索や、パソコンのネットサーフィンばかりしていると、脳の一時記憶置き場、ワーキングメモリの部分だけを酷使してしまい、深く思索する部分は使わないまま、鈍ってしまうとのこと。
    情報メタボという言葉を使っていましたが、ビジュアルとして目に浮かび、すごく怖くなりました。
    ジャンクフードや合成甘味料のジュースばかりを大量に摂取して、運動もせず健康的な排泄もせず、ただただ食べ続けていたら、当然病気になりますね。
    脳も同じこと。アウトプットも深い思考にもつながらない情報、自分にはあまり関係のないネットのニュースやゴシップ、口コミや投稿などをインプットしても、脳の記憶一時置き場はあふれて、取っ散らかって、収集がつかず、ヘトヘトになっていく。(だから必要な情報が取り出せない「もの忘れ」も頻発する)
    対策に挙げられていたことは、マインドフルネスや瞑想、自分の本当にやりたいことを見つけるために自己と対話すること、自然体験やリアルなコミュニケーションをすることでひらめきを得ること、寝る前にスマホやパソコンは見ないで睡眠の質を上げることなど、他のビジネス書や自己啓発書、健康関係の書籍でもよく目にすることで、やはりそれが真理なのだなぁと実感しました。

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著者プロフィール

奥村メモリークリニック院長

「2021年 『認知症にならない!させない!世界の実証メソッドを網羅!脳の名医が教える最高の脳活大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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