自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫) (青春文庫 お- 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413090100

感想・レビュー・書評

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  • 文章を読みながら, 「出る杭は打たれるが, 出過ぎた杭は誰も打つことができない」という師の言葉を思い出した.
    そういう出過ぎた杭になる人間が, 魅力的なのだろう.
    少なくとも自分はそう感じるし, そうありたい.
    問題はそれに力が伴うかだが, それこそ自分自身が問われる部分.
    自分に力をつけられるかどうかは, 本当に自分次第.
    自分自身でコントロールできない問題が腐るほどある中で, 自分自身でコントロールできる問題だからこそ, それは死ぬ気でやる.
    毒々しいと思われようが, 煙たがられようが, 出過ぎる杭でいこう.
    打たれたら打たれたで, もっと上に行けるチャンス. まさにWelcomeや.

  • 刺激的。第1章と第2章は特におすすめ。全身全霊でぶつかっていかない限り、生きている事の明かしにはならない。他人の決めた判断基準などではなく、絶対値的な自分自身の本能を軸に生涯をまっとうしようというメッセージだと思う。


    -引用-
    激しく挑み続けても、世の中は変わらない。しかし、世の中は変わらなくても自分自身は変わる。

    夢にかけても成功しないかもしれない。そして、そのとき、ああ、あのとき両親のいうことを聞いておけば良かったと悔やむ事もあるかもしれない。でも、失敗したっていいじゃないか。不成功を恐れてはいけない。人間の大部分の人々が成功しないのが普通なんだ。… しかし、挑戦した上での不成功者と、挑戦を避けたままの不成功者とではまったく天地のへだたりがある。挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるだろうが、挑戦を避けたまま降りてしまったやつには新しい人生などはない。ただただ成り行きまかせてむなしい生涯を送るに違いないだろう。

  • 以前読んだ本で勧められたのを機に読んでみました。著者の主張にぐいぐい引き込まれて読み進めていったが、再読してみるとはっとさせられる(気づかされる)言葉が多かった本。私自身も死ぬ間際に「(自分の)人生を生きられてよかった」と思える人生を生きよう。(周囲に気を配るのは大事だけど流されては駄目、ということかな。まずはそこから・・)

  • 就職か進学かを迷っていた時に情熱大陸で安藤美冬さんが紹介していた本。

    生きて行く上で根本となる自分本位の考えの大切さを改めて再認識した。
    どこか日常が充実していない人や楽しいことないかなーって待っている人にオススメかもしれないです。

  • 自己啓発書中の自己啓発書。

    最近目にしただけでも、イケダハヤトさん( @IHayato )、安藤美冬さん( @andomifuyu )が人生変わった的な感じで取り上げてた。はず。それにつられて購入、読了。

    読みながらでも、読み終わってからも、常に感じてたのは既視感。

    おそらく、伊集院静さんや、白川道さん、そして年は違うけど堀江貴文さん。

    ご年配の人生を、思っていること全てをそのまま若者に対してぶつけてる本。(岡本太郎さんは1996年84歳没)

    そのご年配が書かれた中でも本書は、筋が通ってる、いや、筋が通り過ぎてて怖い。
    よく壊れなかったなと。


    「人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。」

    「……そうだ。おれは神聖な火炎を大事にして、まもろうとしている。大事にするから、弱くなってしまうのだ。己自身と闘え。自分自身を突きとばせばいいのだ。

     炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無。ー爆発するんだ。 (中略)
     いま、この瞬間。まったく無目的で、無償で、生命力と情熱のありったけ、全存在で爆発する。それがすべてだ。」

    このことを色んな角度から、述べ続けてます。

    今読むのと、2年後読むのとでは、全く違う感想を持ちそうだな…と思える1冊。

    結論、皆さんが薦めている理由、わかりました。ってことで。ぜひ。

  • 学生時代に一時期いつも持ち歩いていた本。

    今でもときどき、本棚から背表紙が語りかけてくる。
    久しぶりに手に取ると、
    表紙の眼光鋭い岡本太郎が、
    「おまえはどう生きている?」と、
    今の自分に問いかけてくるようだ。

  • 芸術とは人間そのものである。ゼロ年代の感性が壊滅的であると言われているが、そうかもしれない。理論や合理性を重んじてきた社会の結果だろう。今こそ人間本来の可能性、感性を取り戻すべき時代にきたのかもしれない。これは心の奥底から湧き上がる情熱や感動を呼び覚ます一冊です。

  • 『自分の中に毒を持て』
    岡本太郎

    あるベンチャー企業のCEOがおすすめしていたので手にとった
    岡本太郎氏といえば「芸術は爆発だ」など奇怪な発言をしてテレビやCMなどで見かけた変人芸術家だと思っていた
    まったく違った
    作家であり哲学者のようでもあった、読んでいて苦しくなるほど厳しい言葉も多いし、家族や愛については共感できないが、とても示唆に富む人生論がたくさん詰まった心に栄養を与えてくれる本でした

    〜〜以下抜粋〜〜
    人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
    ..
    ふつう自分に忠実だなんていう人に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。
    ..
    それでは駄目だ。社会的状況や世間体をとも闘う。
    ..
    と同時に自分に対しても闘わなければならない。これはむずかしい。きつい。社会では否定されるだろう。だが、そういうほんとうの生き方を生きることが人生の筋だ。
    ..
    つまり自分自身の最大の敵は他人ではなく自分自身というわけだ。自分をとりまく状況に甘えて自分をごまかしてしまう、そういう誘惑はしょっちゅうある。だから自分をつっぱなして自分と闘えば、逆にほんとうの意味での生き方ができる。
    ..
    たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋をつらぬいたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。
    人生というのはそういうきびしさをもって生きるからこそ面白いんだ。

  • ”芸術は爆発だ!”で、僕らの世代は知っている岡本太郎氏の著作。僕も小さい頃はテレビで見たのを覚えているし、「太陽の塔」などで有名な芸術家ということも知っている。でも、ちょっと気取って、頭の切れている小柄な芸術家というイメージしかなかったのが、この本を読んで吹き飛んだ。それくらい強烈な一冊だったといってもいいと思った。

    そもそも人間って何だろうか、、本を読んだ後の真っ先な感想はそれだった。この記事を書いている僕も人間であるはず。普通に寝て、食べて、仕事をする、そんな生き物なのだ。でも、岡本氏の言っている人間はもっと奥深い。というか、そもそも人間ってやつは動物であり、かつ想いや感情ってやつを爆発させることもできる、そう定義しているように感じるのだ。そんな人間社会は、もともと個としての人間のあるべき姿とは真逆に発達してきた。科学が産業を興し、産業が経済を成長させた。科学ってやつは、論理や合理性というものを重んじる。そこには自然という脅威を如何に抑えこんで、人間が自然状態から脱して、よりよく生活しているようにしてきた。でも、氏は逆にそれが、人間の人間たるところを抑圧しているんだ、ダメにしているんだと声高に叫んでいるのだ。

    人間って、考えれば考えるほど非合理な生き物だと思う。いくらメールやSNSが社会の基盤となっていっても、人と人をつなぐはずの言葉から、私たちはどれだけ相手を理解したといえるのだろうか。例えば、ラブレターを書くとき、そこに自分の本当の想いを載せられる人がどれだけいるだろうか、逆に、それを受け取った人が相手の想いをどれだけ感じとれているのだろうか(そういう意味では、こういう文章を書いている僕自身もいつももどかしいが)。。コミュニケーションというのはどこまで行っても完璧にはありえない、成功はありえない。それはそこにいる人間自身がそもそも非合理なんだから、成立するわけがないのだ。だからこそ、人間は非合理さがあることを受け入れた上で、自分が自分らしくあるために殻を破って生きていかなくてはならない。もちろん、それには社会からの抑圧も大きいだろう。感情爆発させる人に、社会はどこも冷たい。でも、人間は自分を破っていかないと、本当に生きてきたという心地はしないのではないかと思うのだ。

    21世紀に入り、情報は確実に大量に、高速に世界中を駆けまわるようになった。それが新しい産業を生み、世界を小さくし、経済の構造も大きく変えていっている。でも、それに対して、人間は何百年、何千年と大きくは進化を遂げていないし、これからも大きくは変わらないと思う。だったら、もっと人間とは何かを理解することが必要なのではないだろうか。学校でのネットいじめに象徴されるように、情報だけで人間というものが大きく押しつぶされようとしている。テクノロジーの進化は止められないのなら、せめてそれを扱う私たち一人一人が少しでも変わっていかないといけないのだ。

  • 「熱い男」と聞くと誰を思い浮かべるだろうか。スポーツなら松岡修造氏、芸能界なら藤岡弘氏などか。本書の著者、故・岡本太郎氏は「芸術界の熱い男」である。太陽の塔の創作などで知られる芸術家の彼が、死の数年前に半生を振り返りながら、「人生はいかに生きるべきか」という問いに対して考え抜いた答えを惜しげもなく披露しているのがこの書だ。
    「自分自身の生きるスジはだれにも渡してはならないんだ。」
    「生きるというのは、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて、現在に充実することだ。」
    集団に迎合せず己を貫くことを選び、安全な道より危険な道へ進もうとした彼の個性溢れる人生観が満載だ。
    この本を読み終えた私に起こった良いことと悪いことが一つずつ。彼がいつでも自分の背中を押し、エールを送ってくれているように感じるのが良いこと。悪いことは、そのエールがいささか「熱すぎる」こと、だ。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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