影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

  • 誠信書房
4.26
  • (513)
  • (282)
  • (190)
  • (20)
  • (6)
本棚登録 : 4173
感想 : 326
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414304169

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・固定的で自動的な行動パターンがある→「理由+要請にすることで成功率が上がる→「ので」を付ける→高価なもの=良いもの、というステレオタイプが存在する→コントラストの原理:人は二つのものを見たとき前のものと比べる(スーツを買った後だとセーターが安く感じて買いやすくなる、不動産ではボロ屋を見せた後に本命を見せると物件の印象が上がる、車を買わせた後にオプションを提案する)

    ・反報性のルール:恩恵を受けると何かお返しせずにはいられない→ギブアンドテイク→試供品などを少し使ったんだから注文しなくちゃ悪い→相手が望まないものでも贈り物は恩義の感情につながる→他に、自分に対して譲歩してくれた相手に対してはこちらも譲歩するようになる→高いものを買うのを断った場合に次に出された安いものは買ってしまうなど→確実に断られる要求をして、相手が断った後に、それよりも小さなもともと受け入れてほしいと思っていた要求をする(ドアインザフェイステクニック)

    ・コミットメントと一貫性:人はすでにしたことと一貫していたい(馬券を買ったらその馬券が買つ可能性を高く見積もってしまう)→おもちゃメーカーはクリスマス前に宣伝した目玉商品を少ししか置かず他の商品を子供に買ってもらう(子供に親が買うのを約束しているため、翌月に目玉商品を別に購入してもらう)→コミットメントを引き出すことで一貫性に圧がかかる(本人が約束してしまったことが実行されやすくなる)→小さな依頼を引き受けてもらうことから始める(フットインザドアテクニック)→ある人がどんな人かを判断するにはその人の行動を詳しく調べる、⭐️自分自身の信念や価値や態度について主要な情報源は自分の行動である→行動を含むコミットメントをすると、自己イメージを行動に合わせようとする、また他者が自分に対して抱いているイメージに自己イメージを合わせようとする→目標を設定し書き留める

    ・社会的証明→人は他者の行動を参考に自分の行動を決める傾向がある→不確実な状況、類似性があるとき影響を受けやすい

    ・好意→自分が好意をもっている知人から何かを頼まれるとほとんどの場合イエスと言ってしますハロー効果:ある人が望ましい特徴(外見など)を持っていると見方が大きく影響を受ける→外見の良い人は才能などの特徴をもっていると自動的に考えてしまう傾向がある→私たちは自分に似ている人を好む→成功したセールスマンは客が自分を好きになるようにする→お世辞でもそれを与えてくれる人を好む傾向がある→集団を2つに分けると集団内の一体感は高まるが一方を敵視する、それを統合するには両者共通の目標を与えること→教室のように教師と生徒という関係の場合は問題を答えた生徒への妬みなどが生まれる、解決するには皆で協力する機会を時々作る→悪い知らせの内容はその話し手にも伝染する、人間は不快な情報をもたらす人を嫌う→行為に導くようないくつかの要因(身体的魅力、親密性、連合)
    ・権威→

  • 後で冷静に考えれば買わないことが明白なのに、なぜそのときはお金を出してしまったのか。勧誘、紹介、店頭での状況を心理的に解説している。
    金銭感覚なんて絶対的なもののように思っているけれど、対人的な文脈に左右されることが多いのが良く分かる。

    「大勢の人が見上げているところをつられて見上げる」「きまりが悪くて買ってしまう」など、用語を付けて心理的に解説するのもわざとらしい気がしたけど(特に一貫性、という言葉に何でも状況を詰め込み過ぎている気がする)、ブルックリンでの殺人事件を「都市の冷たさ」といった言葉で片付けず、きちんと要素を抽出出来ているのが良い。
    全体的に、具体的に挙げられている事例がなんとなく新しくなくて、もう少し個ではなく社会心理的な説明が欲しかった。でもなんとなくお金を出したり動かされたりしていたことに気付けて、「騙されないぞ」と思える。

  • もっと短く纏められる内容。社会心理学の視点は面白い。

  • 「カチッ」っとなる前に、
    一度立ち止まれればいいのだろうが、
    なかなか難しいのだろうなぁとは思う。

    タイプ別にまとめと防衛法を
    記述してあるのがわかりやすくてよい。

  • こうして整理されると当てはまる事が多い。
    こうした知見をテクニックをセールスや宗教の拡大に使うところがアメリカらしい。

  • トップぽ

  • 再読。端的にまとめようとすると
    生き物は知らず知らずに、固定的な行動や反応をしたり、瞬間的にわかりやすい判断に流れてしまったりするものなんだよ。
    で、その判断に影響するもので代表的なものといえば、
    ・何かしてもらったらお返ししたくなるの巻
     しかも、何か断ったり譲歩したりするとそれだけでも何か次にお返ししなきゃと思うの巻
    ・一度、これや!と思ったものには必要以上にこだわっちゃうの巻
    ・みんなが良いと言っているものは良く見えてくるの巻
    ・良い人、好きな人が言うことだとついつい従っちゃうの巻
    ・先生とか呼ばれる、権威には人は弱いの巻
    ・限定!あとひとつ!とか言われると即買っちゃうの巻

    と、このようにほとんどが社会通念化されつつある、あるある話が延々長々と記されている本。初めてそれを研究し、まとめ、体系化したからこのボリュームなのであって、全部が全部読む必要は無いように思いますが一読の価値はあります。

  • 人が「承諾」という行為をする
    (たとえば、友人からの依頼を引き受けたり、
    セールスマンの薦めに従ってモノを買ったりする)にあたり、
    どのような心理的なメカニズムによって
    意思決定がなされるのかを明らかにするとともに、
    その意思決定に及ぼす「影響力」を
    いくつかの分類によって整理したのが本書である。

    そのような影響力を理解することによって、
    「悪徳セールスマンに騙されないようにしよう!」という
    本書のメッセージ自体には、正直それほど興味は
    惹かれないのだけれど、豊富な実験事例によって
    ヒトの無意識的な行動のウラにある心理的なメカニズムが
    明らかになっている点はおもしろい。

    著者が「カチッ、サー」と呼んでいるように、
    我々は普段の生活において、これまでの経験や価値観に基づく
    常識の範囲を定め、その範囲内であれば、
    テープを自動再生するかのように無意識的に行動している。
    これはいわば「思考のショートカット」であり、
    ある意味で生活の知恵ともいえる。

    つまり、身の周りで起こるすべての事象に対して、
    いつも初めてであるかのように状況判断をし、
    行動を決めていては非効率だということだ。

    著者はこの「カチッ、サー」を全否定するわけではなく、
    一定の価値を認めた上で、それに囚われて
    「思考停止」になることに警鐘を鳴らしている。

    つまり、相手が悪徳セールスマンかどうかに関わらず、
    日々の仕事においても、何か意思決定をする際、
    ほんとうに自分の頭で考えて結論を出しているのか、
    安易な「カチッ、サー」的思考に陥っていないかを
    チェックすることが重要ということだろう。

    さらに、本書を読むメリットとしては、
    逆に自分が他人に対して何か「承諾」を得ようとする際の
    ヒントにもなり得るということかもしれない。
    といっても、別に悪徳セールスマンになろうということ
    ではなく、ヒトに対する「ものの頼み方」に関する
    学びになるということだ。

    実際、本書に書かれていることのうちのいくつかは、
    意識せずとも実践しているという人が
    多いのではないだろうか。
    (もちろん、いい意味の『交渉術』として、である。)

    このように、様々な目的で読むことができ、
    また様々な捉え方ができる点では良書であると思う。

    欠点があるとしたら、長いこと。かなり、長い。
    ただし、実験事例が多いので、思ったよりは読みやすい。
    改訂版は読者からの経験談がフィードバックされており、
    興味深いものもある反面、日本人にはちょっと馴染めない
    ものもあったりする。

  • これは面白かった。セールスマン、募金勧誘者、広告主などの」「承諾誘導 」のプロに学ぶテクニック、人間心理など。自分は営業マンをやったことはないが、もしやれと言われたらもう一度読み返してから始めるだろう。 返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性、の6つから解説されている。実例も多く、興味を持って読める。すばらしい。
    http://nagoemon.blog56.fc2.com/blog-entry-561.html

  • 「パワーと影響力」クラスでの教科書。人を無意識下で動かす極意が詰まった1冊。

    【カチッ・サー】
    たった一日の間に出会う人や出来事や状況、これらすべてに思いをめぐらすことは、効率性、経済性の観点から無視される。特に疲れている時、確信がもてない時、急いでいる時、など、私たちは深い思考を出来る頭をもっていても、良い証拠が1つで十分と、原始的な決め方をしてしまうことがある。それがカチッ・サーである。

    【知覚のコントラスト】
    2番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう傾向がある。ギャップ効果。

    【6つの影響力】
    ・返報性のルール:恩は恩で返したい。
    ・コミットメントと一貫性:小さなYes(①行動を含む、②公衆の目にさらす、③努力を要す、④自分の意思で選ぶ)を言わせる。一方で、自身もサンクコストやコミットメントに柔軟性をもたせる。
    ・社会的証明の原理:周囲の人間が正しいとすることを正しいと判断してしまう。①不確かな状況、②相手との類似性、があるとき、これは効果を増す。
    ・好意:身体的魅力、類似性、称賛、接触頻度、連合(背景のリレーション)で人から好かれる。
    ・権威:肩書き、服装(ユニフォームや身だしなみ)、装飾品で権威を着飾れ。
    ・希少性:手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思え、判断が鈍る。「ダメ」と言われると燃えてくる。

    キーワード:「カチッ・サー」を巧みに操れ

全326件中 81 - 90件を表示

ロバート・B・チャルディーニの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×