影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

  • 誠信書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414304220

作品紹介・あらすじ

社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。待望の第三版は新訳でより一層読みやすくなった。楽しく読めるマンガを追加し、参考事例も大幅に増量。ネット時代の密かな広告戦略や学校無差別テロの原因など、社会を動かす力の秘密も体系的に理解できる。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章
    ・人に何か頼みごとをする時は、理由を添えた方が成功しやすくなる。
    ・商品についてよく分からない場合、人は「高価なもの=良いもの」というステレオタイプを用いる。
    ・多くの人間の行動は、自動的なものである。それは、変化の激しい現代においてはそうすることがベストだと思い込んでいるからである。
    ・「専門家が言うならそうに違いない」という盲目的な思い込みが人には存在する。
    ・問題が複雑で切迫した状態にあるほど、人は簡便法に頼ろうとする。
    ・コントラストの原理(二番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう傾向のこと)
    ・最初に高い物を見てから安い物を見ると、実際以上に安く感じるものである。

    2章
    ・「他人がこちらに何かの恩恵を施したら、似たような形でそのお返しをしなくてはならない」という暗黙の返報性ルールが存在する。
    ・返報性のルールは、国や文化の違いを超えて通用する。
    ・返報性のルールは、政治家や科学者など知識の高い人たちとの間に対しても成立する。
    ・返報性のルールは不公平な交換を引き起こす。
    ・大きな要求から小さな要求へと譲歩することによって、相手にも譲歩しなければならない気持ちを引き起こす。
    ・拒否したら譲歩の法則を使うと、買い手側の納得度と満足感も高くなる。

    3章
    ・馬券を買った直後では、買う前よりも、自分が賭けた馬の勝つ確率を高く見積もるようになる。
    ・一度決定を下したり、ある立場を取ると、そのコミットメントと一貫した行動を取るように、個人的にも対人的にも圧力がかかる。
    ・考えるという本当の労働を避けるために、人は一貫性に従おうとする。
    ・最初に小さな要求を受容れることで、それとは無関係の要求も受容れやすくなる
    ・営業マンに目標を書かせることによって、彼らに「目標を達成しなければならない」という心理的なコミットメントを植えつける。
    ・何かを得るために大変な困難や苦痛を経験した人は、同じものを最小の努力で得た人に比べて自分が得たものに対して価値を置くようになる。(新人洗礼など)
    ・人は自分がしたコミットメントに対して、それが正しいことを示す新しい理由や正当化を付け加える。

    4章
    ・人がある状況で何を信じるべきか、どのように振舞うべきかを決めるために使う重要な手段の一つは、他の人々がそこで何を信じているか、どのように行動しているかを見ることである。(社会的証明の原理)
    ・状況が不確かで曖昧な時、人は他の人々の行動に注意を向け、それを正しいものとして受容れようとする。また、自分と共通点の多い他者の行動も人々の行動に強い影響力を持つ。
    ・社会的証明にひっかからないためには、類似した他者が行っている行動やその根拠に対して疑いを持つことである。

    5章
    ・人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。
    ・好意に影響する要素として、身体的魅力がある。身体的な美しさは社会的相互作用の中で有利に働く。
    ・私達は自分と似た人に好意を感じ、そのような人の要求に対してはあまり考えずにイエスと言う傾向が強い。また、相手に対する称賛は好意を高める。
    ・人や事物と接触を繰り返すことによって親密性を高めることも好意を促進する。

    6章
    ・権威者からの要求に服従させるような強い圧力が私達の社会に存在する。権威者から命令されると、自分の意に反して危険で極度の痛みを他人に与える。権威者に対する服従は、短絡的な意思決定として、思考を伴わない形で生じる。
    ・権威者に対して自動的に反応する場合、その実体よりも権威のシンボルに反応する傾向がある。それは肩書き、服装、そして装飾品である。これらを有する人たちの方が、より多くの承諾を得る。

    7章
    ・人は機会を失いかけると、その機会をより価値のあるものとみなす。(数量限定や期限付きなど)
    ・手にすることが難しいものはそれだけ貴重であることが多いので、質が高いと判断される。
    ・あるメッセージに近づくことが制限されると、人はそれを手に入れたくなり、また好ましく思うようになる。そして説得力を持つ。
    ・メッセージを受け取る場合、そのメッセージが独占的な情報を含んでいると一層効果的になる。
    ・他人と競い合ってる時、希少性の高いものに最もひきつけられる。希少性の価値は、それが新たに希少なものとなった時に一層高まる

    8章
    ・現代は情報が溢れ、非常に複雑な時代となってきている。さらに変化のスピードが早く、注意深く状況を分析するのが困難な時代において、人は信頼できる単一の情報と、簡便な意思決定に頼る。

  • 自分の頭で考えて、行動する。
    なるべくそうしたいなと、心がけています。
    しかしこの本は、「私たちの判断・行動は、他からの働きかけによって大きく影響を受けている」と説いています。

    まずその理由として、判断に必要な情報が多すぎること、そのため全部の情報ではなく、一部の情報によって判断・行動を選択する”思考の近道”を、人間は(必要に迫られ)してしまう、と説明しています。

    影響を受ける要因として、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性、を挙げています。
    それぞれの要因について、”思考の近道”のスイッチが入った人がどのような行動をとるか、具体的な事例を交えて説明されています。

    事件や詐欺の話が多いので、これらの心理的反応がマイナスに働いた場合、さらには悪用する人に遭遇した場合に、第三者から見て「なんでそんなことを・・・」と感じるような行動をなぜしてしまうのか?リアル感を持って理解することが出来ました。

    自分自身、一貫性や希少性といった要因には影響を受けているなあと、反省させられました。
    そしてやっかいなのは、これらの要因によって導かれる”思考の近道”は、通常であれば有効に働くということ。

    「他人を見たら泥棒と思え」では、普段の生活もままならない・・。
    大きな判断をする際やとっさのトラブルに遭遇した場合に、自分がどのような経緯で判断を下そうとしているのか、その判断はこの本に書かれている失敗パターンになっていないか、いま一度考える癖をつけたいと思います。

    事例が多く、また各章ごとに振り返りもつけられているので、読みやすく理解しやすい、実用的な一冊でした。

    『「自分」の壁』養老孟司
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4106105764

     .

  • 影響力の武器 メモ

    1章 影響力の武器

    ●判断のヒューステリック

    人は自分がどう判断していいかわからないとき、
    ・ステレオタイプにはめた考え方を使う
    ・一つ一つ詳しいことまでわからないことが多いので、
     いいもの=高いとかそういうもので判断しがち

    ●コントラストの原理
     ・2つのものを立て続けに見せられた時、最初のものと2番目に見たものに差があると実際以上にその差を感じてしまう。
     ・購買手法
      高いスーツを先に買わせれば備品は少々の値段でも買ってくれる。車を買うときちょっとしたオプションを抵抗なくつけてしまう。

    2章返報性
    ●人は何かの恩恵を受けたら自分もお返しをしなくてはならないと思う

    ●アンケート調査に飴を与えるなど、相手が欲していないものでもいい。
     
    ●客に伝票を渡すときに飴をつけると、チップの回収率が+3.4%

    ●単純なギブアンドテイク
     譲歩した相手にはこちらも譲歩
     「拒否したら譲歩」もある→コントラストの原理も働いている。

    ●厚意には厚意だけど、策略に厚意を返す必要はなし。


    3章.コミットメントと一貫性
    ●一度決定をしたり、ある立場をとると(コミットする)と、自分のうちからも外からも
     そのコミットメントと一貫した行動をとるように中力がかかる。
    →自分がした決断の正しさを何が何でも信じようとする
    →確かに言ってることが支離滅裂な人は理解されない

    ●自己イメージが将来の行動を決める
     →他社からのイメージに合うような行動をとる
     例)会社で目標を書かせる→それに従って行動せざるを得なくなる

    ●特にパブリックコミットメント(周囲に意見を公表)は効果大
     特にプライド高い人、公的自意識高い人
     相手に一度YESといわせてしまうという戦法

    ●「何かを得るために大変な困難や苦労をした人は、苦労なく得た人よりも得たものの価値を
     高く見積もるようになる」

    ●選択に対する責任感
     例)子育ての場合 褒美で釣ったり脅したりしてはいけない
      圧力をかけてやらせるのではなく、子供自身が責任を感じるように自発的にやることに対しておぜん立てをする。

    ●承諾先取り法
     特に高齢者や個人主義者はかかりやすい 
     周りの意見でなく、自分の過去の経験で判断する傾向にあるので


    4章社会的証明
    ●集団的無知
     人は自分がどう判断していいかわからないとき、
     周囲の人と同じ行動をとりがち

    ●特に、年齢や住んでいる地域、育ちなど、境遇が似ている人の影響を受ける

    ●周りに多く人がいると、個人への責任が分散。⇒行動しなくなる。


    5章 好意
    ●類似性、接触と協同
     自分と似た境遇の人、快適な環境下で繰り返し接した人に好印象を持つ
     一緒にいたときの環境とその人の印象が結びつきやすい
     (不快な環境でなく快適な環境の場合に好印象)
    ●広告での女優の活用
    ●ハロー効果
    ●ランチョンテクニック
     おいしい食事を一緒に食べた人に好印象を持つ

    6章 権威 導かれる服従
    ●権威へのシンボルでも可能
    制服、専門家、背の高い人、自動車

    ●我々が思っている以上に、権威に対して影響を受ける
    →本当の権威を何か疑問を持つこと

    7章 希少性
    ●希少なもの、制限されたものに価値を感じる
     (実際にそうであることが多いので)
     例)期間、数量  商品だけでなく、情報もそう 検閲とか

    ●その機会を逃したら、もう二度と買えそうにないものとか

    ●心理的リアクタンス
     2歳児は特につよい。恐るべき2歳児。子としての感覚が現れてくる

    8章 手っ取り早い影響力
    ●この本で述べてきたような選択(*)を取ってしまうのはなぜか。
    *①コミットメント、②返報の機会、③類似した他社の承諾行動、④厚意あるいは友愛の感情
      ⑤権威からの命令、⑥希少性に関する情報
     現代の生活
     科学技術の発展→情報があふれ、選択の幅が拡大により意思決定の方法が変化
     →情報をかみ砕くのに十分な条件がそろわない
     →そのため、別の意思決定の方法 普段信ぴょう性の高い、単一の情報を基礎にして承諾してしまう

    ●こうした承諾を引き出す手法が捏造されたものであったとき(インチキで会ったとき)
     自分たちが被害をうけないためにも、我々がこれらの思考の近道を使いやすいということを認識しておくことが重要

  • 【本の概要】影響力の武器
    その①:返報性
    その②:一貫性とコミットメント
    その③:社会的証明
    その④:好意
    その⑤:権威
    その⑥:希少性


    【この本を読んだ目的】
    上記に記される影響力の武器はもちろん、日常生活において自分の本来の意図に反する承諾をしてしまわないようにという意味で読むこともできたであろう。しかし私はもちろん、逆の立場として(影響力の武器を行使する立場として)この本を読み進めた。具体的には約半年後入社し、営業マンとして活躍するために、そして今のバイトに生かすために読んだ。
    ※バイトでは、業務の一部として「架電」を行っている。これは直接対面しての営業ではないが、通ずるところは多くあると思う。


    【要約】
    ①返報性:
    人は誰かから何かを提供されると、それに対してお返しをしないといけないと思ってしまう、知らぬ間に恩義を感じてしまうのである。例えば誕生日プレゼントを人からもらうと今後はその人の誕生日には必ずプレゼントを贈らねばならない、といった具合である。それは、身近な人にだけでなく、見知らぬ人や嫌いな人にも働く力である。なぜそのような心情が起こってしまうのかというと、一つには単純にただ恩義を受けただけになると自分自身が不快な気持ちになるから。そしてもうひとつに、ただ他者の親切を受けるばかりでお返しをしない人は、周りの人々から嫌われてしまうからということ。さらに「拒否したら譲歩」法というものもあり、これは、ある要求を拒否した相手は、次に出される要求に対し責任感と満足感を感じてしまうというものである。相手に取りまとめてもらったという責任感と、自分の交渉がうまくいったという満足感である。要求をのみこませる側は、本当に提供したいモノをわざと2番目にもってくることで、提案をより通しやすくさせる。

    ②コミットメントと一貫性:
    人は、他者から矛盾した人間だと思われたくないため、自分が発言したことには一貫した態度をとろうとするものである。例えば、一度読書が趣味だと公言してしまうと、常になにか語れる本を持たねばならないと思い読書を続け、では月に1回読書レポートを提出しようとなると、さらに定期的に読書を続けてしまう。最初に「読書が趣味だ」と言った時点で、他人から「読書なんて本当は趣味でもないやん」と思われないように一貫して読書を趣味にし続けるのである。そしてこの一貫性の法則は、「努力の後に続くもの」「自分で決めたもの」により強い効果をもたらす。さらに「承諾先取り法」というテクニックがある。これは、一度相手に決定を下させてから、最初に相手を誘った条件を取り除くというものである。多くの場合、一貫性の法則に従って、条件を取り除いても決定を覆すということは起こりがたいのである。例えばこれは本当に最近あったことだが、(前提として私はコーヒーが飲めない)スタバで、何を飲むか決めていないが店員さんの笑顔に引きつられてレジにいき、そのままおすすめのコーヒーを勧めながら「これは苦みも酸味も少なくコーヒーが飲めない人でも飲みやすい」と誘われ、更に「バニラシロップを加えると本当に苦みがしない」と言われた。私はそれにしますと答え、バニラシロップは値段かかるんですかと聞いたら「+50円です」と言われた。高いなと思ったが”自分の一貫性を保つために”引き下がれなかったのである。結局そのコーヒーは苦く、どれだけ牛乳を足しても飲めず家で捨てました。この店員さんは、影響力の武器を知っていたのだろうか。

    ③社会的証明
    一言でいうと、特定の状況である行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断することである。この影響力が強くなる条件は2つある。1つは、「不確かさ」である。人は、自分の置かれている状況が曖昧な時、ほかの人々の行動に注意を向けて、それが正しいものだとして受け入れてしまう。例えば、17時という図書館の閉館時間を知らずに滞在し、周りの大勢が彼らの都合で16時に退出しようとしているところを見ると、あたかも閉館時間が16時だと思い込んで自分も退出してしまう。条件の2つ目は、「類似性」である。人は自分と似た人の行動に従う習性がある。例えば自分の大学の人がこの「影響力の武器」という本を読んでいると、自分も読むべき本だと思って読んでしまうし、自分の会社の人が読んでいると自分もまた読もうとするだろう。

    ④好意
    人は自分が好意を感じている人に対してイエスという傾向がある。好意に影響する要因は全部で5つある。1つ目は「身体的魅力」である。外見が魅力的であると、目には見えない才能や親切さといった部分も優れていると思えるのである。2つ目は「類似性」である。我々は自分と似た人に好意を感じ、そのような人の要求には自動的にイエスという傾向がある。3つ目は「称賛」である。ノーマルなお世辞なら好意を高め、承諾を引き出しやすい。4つ目は「人や関連させたい事物との接触を繰り返し、なじみをもたせる」ことである。これは不快な環境ではなく、快適な環境の中で接触が起こる場合に当てはまる。特に相互の協力によって成功がもたらされる場合。(メモ「本の中の事例」:白人の子供と黒人の子供を仲良くするために共通の目的をもたせる)5つ目は「連合」である。好ましい事象と自分がむずびついていることで効果を発揮すること。逆に自分と好ましくない事象は積極的に他者の目から切り離そうとする。最後の例として、最近みたCMに”東京オリンピックとカップラーメンを結び付けてカップ麺の宣伝をするというものがある。この本を読んだ私は内心、「カップ麺はオリンピックとなんら関係がないのにな」と感じていた。

    ⑤権威
    人は権威者から命令されると、自分の意に反していても逆らうことなく服従してしまう。これは、本当の権威者は優れた知識と力をもっているからだけでなく、社会的に権威者に従うことが正しいという固定観念があるからでもある。(例えば、教師や親のいうことは意味を考えずに服従すべきだという習性)また、権威者そのものではなく、肩書、服装といったシンボルに反応してしまうこともある。

    ⑥希少性
    人は機会を失いかけるとその機会をより価値あるものとみなす。具体的には、デパートやスーパーで「数量限定」や「最終セール」といった文句があるだけで、その商品には価値があり今買わねばならないと感じてしまうことである。希少性の原理が効果を上げる理由は2つある。1つ目は「手に入れにくいものはそれだけ貴重なものであることが多いので、ある品や経験を入手できる可能性が、その質を判定できるてっとり早い手がかりとなる」からである。2つ目は「ある品やサービスが手に入りにくくなっているとき、私たちは自由を失っているから」である。さらに希少性を高める状況として、自分の目の前で、あるものが新たに希少なものとなっていくときや、希少性が高い上に他者と競い合わなければいけなくなったときが挙げられる。

    【感じたこと】
    この本の最初の七面鳥の母鳥の例を読んだとき、「なんて愚かなんだろう」と少なからず思ったところはあった。しかし読み進めていくうちに、現在の私たちの日常にこの母鳥のような行動はあふれているものだと悟った。もちろん私個人の経験にも当てはまり、長い本だったので読み進めるのは大変であったが、内容的は興味深く、私たちにかなり普遍的なものであったと思う。
    そして本の最後にもあったが、著者の言葉を借りれば「カチッ・サー」行動は、無数の情報を誰でも簡単に手に入れることができるゆえに、情報過多に陥ってしまう現在の問題を一言で表していると感じた。人間はその他動物と比べると、本能だけではなく思考をして行動できる動物ではあるが、この「情報過多」で目まぐるしく変化する時代ゆえに、もはや人間以外の本能的な動物に逆行してしまっているところがある。

    しかし私は、この事実をマイナスにとらえているのではない。言い換えれば、これらの影響力の武器さえしっかりマスターすれば、より多くの人々に自身のサービスを使ってもらえるのである。
    もちろん、悪質で、サービスを承諾した人が後々どう考えても不必要で悪だと思うモノを提供するのはよくない。しかし、サービスの需要者が、彼らにとっては必要だけれでもただ気づいていないだけ、というケースもある。私は、自分が春から入社する会社のサービスを(まだ深く理解しているわけではないだろうが)確実に世の中の企業にとって良いものだと思っているから、そして今働いている企業のサービスが必ず役に立つものだと確信しているから、喜んでこれらの影響力の武器をマスターしたいと思う。
    逆にいうと、心から営業したいと思える対象に出会えている自分はかなり幸せだなと思います。(自分は対象に対してよく思っていないのに、利益のために影響力の武器を使わざるを得ないのは悲しすぎる。)


    【これから実践していくこと】
    今回は、内容は理解しやすいが実践は難しそうなテクニックが多く、またインプット量もかなり多かった。これを読んだだけですぐに何かに実践に移すことは難しいように思える。できることは、まず業務においてこれら影響力の武器1つ1つをどう生かすことができて、具体的にどのような言い回しを使用していけばいいかについてシミュレーションすることであると感じている。

  • 星5つしか評価できないけれど本当なら星10個つけたいくらい。人生に役立つ本。これだけ多くの心理的トリックを解明したら今後は無駄な買い物を減らせる気がする。

  • メンタリストDaiGoさんがおすすめという事で読みましたが分厚いながらも面白くてスイスイの読みすずめられました。
    無意識に誘導されてしまっていた他人からの影響力の武器に気付ける本で、これを知っていたら過去の自分のセールスや人との会話、行動が変わっていたなと考えながら読んでいました。

    すぐにでも自分の生活に使える知識を得ることが出来る何回も読み返したいいい本。
    おすすめです!

  • ヒューリスティクス(英: heuristic, 独: Heuristik)または発見的(手法)とは、必ず正しい答えを導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法である。 発見的手法では、答えの精度が保証されない代わりに、回答に至るまでの時間が少ないという特徴がある。

    wikiからの引用であるがこのヒューリスティクスを僕は駒場で半年かけて習った。
    それを意識的に利用したら良くも悪くも影響力を持つことができますよというのがこの本だった。自分の持っていた知識が思いがけず繋がる瞬間は超気持ちいい。

    具体例も豊富で読んでて飽きないし前提知識も必要ないからおすすめ。今は周りに相手を操ることを考えて行動してる人はまだいないように感じる。だからこそ”自分の行動が相手に及ぼす影響について仮説を立てて検証する”というプロセスを日常の細かな場面で実行して視座をあげておきたい。

  • いろんな人が進めていたがやはり名著はすごい。この本を読んでいるのといないのとでは人生において大きな違いを生むと感じた。特に人間も動物と同じように自動的な思考や行動をしてしまうこと、すなわち「カチッ、サー」というテープレコーダーのような働きが起きてしまうというのは自分も経験したことがあるのでよく理解できた。さらに返報性やコミットメント、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性と数多くの要因が我々を特定の方向に導いてることが理解できた。また読み返す。

  • 人を心理的に動かすことの原理について知ることができる。

    【概要】
    ●人間の自動的反応(カチッ・サー)という習性
    ●プロが相手にイエスと言わせる6つの原理
     返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性

    【感想】
    ●心理学的な観点から人がイエスと言ってしまう習性を説明しているので説得力がある。
    ●自分が置かれている環境と照らし合わせつつ読むと、なるほどと思える部分が多いが、このとおりにはならないだろうと思える部分もある。それは著者がアメリカ人であり読み手が日本人だからかもしれない。
    ●そう考えると、日本人向けの「影響力の武器」があっても面白いかもしれない。

  • かなり時間がかかったが読み終えた。

    人間の原始的な反応や、人の行動がどれだけ人に影響をもたらすのか具体例を交えて書かれていたので分かりやすかった。
    ただかなり本質的で日常に近い所で書かれているため、分かりやすい反面人間不信になりそうになったりもしたので心に余裕のある時に読むようにした。

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