桃紅: 私というひとり

著者 :
  • 世界文化社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418005260

感想・レビュー・書評

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  •  篠田桃紅(しのだとうこう)は、書の技法や表現の可能性を押し広げ、日本画の画材を用いた作風で海外に認められた美術家。また、含蓄のある言葉を紡ぎ出すことで、エッセイストとしても名を馳せるお方です。
     もしかしたら、一般の日本人には、エッセイのほうで知られているのかも……?

     しかし、『百歳の力』や『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』といった年齢くくりのタイトルで、書店に並んでいるのを見かけて、違和感をおぼえることが多いのです。
     どんな切り口であれ、すぐれたものが目に触れる機会はあるのはありがたいし、日本では年齢を冠した本が売れるのは分かっている、けれども、年齢は関係ないんじゃないか……と思ったものでした★

     桃紅さんの随筆に惹かれながらも、おばあちゃん扱いした書名には困惑することが多すぎる。というなかで、『桃紅: 私というひとり』(2000)の装丁と題名が、最もしっくりくるもののように思います。

     研ぎ澄まされた美的感性を広いところで発揮するため、欧米へと打って出た勇敢さ。しかし、日本国内よりも海外で高く評価されながらも、水墨の表現は日本という環境でなければ極められないと知り、日本へ戻ってきた篠田桃紅……。
     文章の中には、彼女が長年感じ取り続けてきた「日本」の精神が宿り、真の「国際化」は芯がなければ成し得ないことを教えてくれる気がします。

  • ものを創りだす人間の苦悩、自分への問いかけ、世界に対する見方が
    むつかしくない日本語で的確に書き表されていました。微妙な細部までも
    言い切っている言語能力の巧みさに感動しました!!

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2013.7.1市立図書館
    1960年から2000年までにいろいろなメディアによせた文章、著作に収められた文章からのアンソロジー。
    中ほどのグラビアページに作品の図版、肖像や年譜も収められている。
    きどりはなく淡々とつづられた短い文章ながら、味わい深いものが多い。生まれながらの性格と育ち方があいまって、いさぎよく凛とした芸術家になられたのだなと納得がいった。

  • 343夜

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著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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