- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418045112
作品紹介・あらすじ
この物語は、80歳の祖母と10歳の孫の、愛情豊かな深いきずなを描いている。孫の少女は長い道を通って、毎日のように祖母に会いに行く。でも彼女には腑に落ちないことがある。そこには生き方の違いにかかわる秘密がひそんでいる。やがて、祖母の身体つきが変わり、巨大な亀に変身してしまう。そうすることによって祖母は、老いるどころかかえって若返ってしまったのだ。死と不死をテーマにした哲学的な変身物語である。
感想・レビュー・書評
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亀になったおばあさんと孫の物語。
しずかにしずかにゆっくりゆっくり、亀へと変身していくおばあさんの様子が、孫の目線で語られていく。淡々と進んでいき、終わりの方でぐぐっと盛り上がってきれいに幕が閉じる。おもしろかった。
ただ、邦題はあまりよくないと思う。原題はAldabraで、おばあさんが変身したゾウガメのある島の名前なんだけど、その方が何が起こってるかわからないで進んでいく孫目線の物語にのれる気がする。『亀になったおばあさん』だとわかりやすすぎるような。でも、タイトルに惹かれたのもたしかだからなんとも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10歳の私は毎日のように
長い道を歩いて祖母の家に行く。
「死をうまくかわすにはねエリーザ、変身すればいいのさ」
ゆっくりゆっくり。
おばあさんは亀になってゆく。
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まさか題名そのままの出来事が起こるとは思ってなかったのでびっくりしました。
途中までおばあちゃんと孫の交流が描かれた温かい物語って調子でいて、おばあちゃん普通に人間だし、これが話の中での比喩なのか現実なのか途中分かんなくなりました。
結果、物語としては現実の出来事として描いているよう。そして読者の、この本からのメッセージ受け取り方は様々になることでしょう。 -
きのう読み始めて先ほど読了。イタリアの作家さんの作品。
穏やかに落ち着いて、ねじれが語られてゆく。おばあさんは亀になり、でもやっぱりおばあさんである。亀になったおばあさんのなかに、哀しみは残っていただろうか。
個人的には、このおはなしはですます調でなく言い切りで語ってほしかったなと思う。イタリア語にその区別ってあるのかしら。 -
2010.05.13 読了