ビームスの奇跡

著者 :
  • 世界文化社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418066025

作品紹介・あらすじ

BEAMSというビジネス・スタイルを徹底研究。

感想・レビュー・書評

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  • BEAMSの背景が知れる一冊。
    大学のファッションビジネス論の参考で読了。

  • ダンボール会社だった新光、電通を辞めて家業を継いだ設楽洋さんはセレクトショップで成功。その後ビームスは非上場同族会社、ユナイテッドアローズは東証1部に上場。本作は典型的提灯本で残念な一冊。

  • ・ライバル社 ユナイテッドアローズの重松、シップスの中村。
     3人の装いを見ていると、重松・中村氏が完璧にスキのない独自のスタイル、着こなしを確立したスタイリストであるのに対し、
     設楽の装いは、時代に合わせて、積極的に変化を楽しもうとするジェネラリストの印象がある。

    ・ビームスという会社は、雑誌に似ている。
     ファッションあり、インテリアあり、雑貨あり、グルメ情報あり、音楽あり。
     連載(=定番)あり、特集(=旬のブランド)あり、コラボレーション企画あり。

    ・保守本流ではなく、時代の気分を半歩先取りするセレクト

    ・ないから作った初のオリジナル
     「こんなアイテムが今ほしいのに、探してもどこにもない。
      そうだ、買い付けできないなら、作ってしまえ。」
     という発想。

     現在のセレクトショップのオリジナルは、大別すると、

     ●欲しいものがないなら作る 型
          と
     ●インポートやドメスティックブランドの美味しいところをイイトコどりして、リーズナブルな価格設定の物を作る 型

     ビームスを含め、セレクトショップは、この2つのタイプのオリジナルが混在している。

    ・ビームスの出店パターンには、ひとつの法則がある。
     利益が見込めそうな集客型の店舗を出したかと思うと、
     それとは真逆の話題性はあっても、実験的な面が強く、数字につながりにくい新しいレーベルをぶつけてくる。

     これは間違いなく確信犯で、企業としての目先の利益ばかりを追っていると、凡庸化し、やがて飽きられ、魅力を失い、会社そのものの屋台骨が揺らぐような窮地を迎える という設楽の信念がうかがえる。

     いつも感度が高く、時代の半歩先を行っているイメージを持続させなくてはならない。
     いってみれば、損して得とれ。
     これはビームスの企業理念であり、設楽の企業哲学でもある。

    ・オリジナル商品制作の中には、
     品揃えのバイイングを通じて培った経験で、より自分たちのセレクト、スタイルに合わせたものを作り、提供したいという側面と、
     どこも同じようなブランドが並ぶ、現状に対して差別化を図りたいという側面がある。

    ・仕入れより安くて良いものが作れるなら、そのメリットを顧客に還元しようという意識

    ・モノは、ブランドヒストリーからではなく、いかにそれを使ってコトを起こすか。
     他人と差別化するかということに主眼が置かれ、それを天才的コピーを書くライターと、モノにめっぽう詳しい実践派のスーパーバイザーを組ませ、
     非常にリアリティとユーモアを兼ね備えた独特のスタイルを完成させ、それを他のスタッフにも徹底させた。

     ビギンが画期的だったのは、ねちっこくエピソード、ディテールを調べ上げ、そのうんちくとディテールで理論武装し、読破の物欲を強烈に刺激したことにあった。

  • この前に読んだBEAMS戦略から同社についてもう少し深く踏み込んで知りたいと思って読んだ一冊。
    その読みは見事に当たりました本書では同社の沿革や現社長設楽様氏についてや個性的な社員についてや同社の存亡を揺るがす事件についてや執筆当時06年以降からの未来への展望についてなど同社について設楽氏をメインとして様々な方へのインタビューを通じて深く書かれています。
    読んだ印象として戦略を読んで感じたことファッション業界という変化の激しい分野で半歩先のトレンドを読んだ商品戦略と柔軟性をもった販売戦略がやはり今ある姿を産んだのだなと感じました。
    ただそこに至るには設楽氏や先代社長の悦三氏の功績、特に考えが大きく影響していると感じました。
    その中で育った名バイヤーが今の業界や同社を支えていることは本書からすごく読み取れました。
    あと感じたのが設楽氏には現副社長の遠藤氏や 事件時に退社した重松氏など本人とは違う感性を持った右腕がいたということもここまでの成長を支えた要因だと感じました。


    実際にこの業界には全く疎いんですが、大手小売企業が使うカセット方式ではなく様々な顔の店舗を出して、社員の裁量に重きを置くスタイルで、世間の次への期待に応えてきた同社。様々な業態との企業ともコラボレーションして、いちセレクトショップ、ブランドといったファッション企業とも一線を越えた同社ですが、ただラストのインタビューにあるように肥大化した同社は今までの設楽氏の感性頼りの経営だけでは立ちいかなくいってる部分もあり、これから期待に応えることに対してどう向き合っていくかというところが課題なのかなと読んでいて感じました。
    そんななかで凄く感銘を受けた所は幾多の名バイヤーを産み出した同社が今、コンサルタント業をしているところはすごく転換点に差し掛かったところで好感できる試みだと感じました 。
    本当に時代の変化とともにニーズも変わるファッション業界で企業として生き抜く難しさを感じた一冊でした。

  • 本を読んだのでちょっとビームスに行ってみた。2月上旬、いまだにセール品が出ていて、新作はなく、平日の昼だったからか客もまばら、店員はやる事なくてうろうろ。ずいぶん本と違うね。2006年頃、私はビームスに夢中だった。Tシャツ1枚6000円では手が出なかったけど、見てるだけでドキドキしてわくわくしてた。今、その値段設定に見合ったものが出ているかすごく疑問。2月以上セール品を出しているのは片付けてほしい、品揃えが薄い、品質の伴わない価格設定などすべて見直してほしい。
    あとこの本も読んでも特に感想はない。

  • ワンマンっぽさは感じたが、

    むしろワンマンじゃないと、こういう草分けにはなれないんだと思う。

    とにかく自分たちのスタイルを大事にするって言うのが、今に繋がってる。

  • 初版は2006年9月。

    ビームスの30年を振り返るという内容。

    日本に「ライフスタイル提案」という概念を最初に
    示したとも言われるビームス。

    6坪の元八百屋の店舗からスタートしたところから
    30年の軌跡。


    アパレル業界志望の学生さん、
    マーケティングを勉強されている方
    おすすめ本です。

  • ビームスがもともと新光というダンボール会社から始まったことに始まり、どのように今のビームスが形成されたかが良くわかった。このビームスの奇跡を辿るとともに社長の設楽がどのような人生を歩んできたか・・・。
    アローズを設立した重松がどのような理由でビームスをやめたかは良くわからなかったが、上場企業のアローズと非上場のビームスと、対照的なとこが随所にみられたとこに考え方の違いを見出せた。この本をよむことによってセレクトショップというものがどんなものなのかもよくわかると思います。

  • 2006
    世界文化社
    山口 淳


    これまた希有な成功事例。
    同じことを同じようにやろうとしても、
    多分、できないでしょうね。

    強運も才のうちでしょうか

  • ビームスがちょっと好きになった反面、これってほんとの話なの? と疑ってしまう。
    セレクトのことがちょっとわかるようになって、店を見に行くのがたのしみになりましたとさ。

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