最高級靴読本Vol.5 (BIGMANスペシャルMen's Ex特別編集)

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  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418111442

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  • 「“ニッポン靴”を編集部員が自腹でセミオーダーしてみる、の巻」

    「モノ作りにおける日本人の手仕事の正確さは、世界でも類を見ないレベルにある。それは靴作りにおいても同様だ。仕事はどこよりもきっちり。でも、ヨーロッパの一流どころと比べると、感性・個性が足りないとされてきた。が、それは数年前までの話。その間、国内外で修行を積んだ感性豊かな若者が自身の注文靴工房を開いたり、既製靴においても実力派ファクトリーが続々と自社ブランドを立ち上げている。今、ニッポン靴の逆襲が始まった!」

    ということで。

    「ニッポン靴の逆襲! ~若手の感性、ベテランの底力!」という特集が『最高級靴読本 Vol.5』にあります。編集部員が自腹で“ニッポン靴”のセミオーダーを試してみようという記事なのですが、そこでは4人の編集部員によるワガママオーダーの一部始終を写真とテキストで詳細にレポート。今回は“竹内レポート”をお届けします。

     * * *

    木型や形は既存のものを使いながらも、それぞれの足に合わせてモディファイしていくセミオーダーに編集部員が身銭を切って挑戦。注目の靴職人の方々にワガママ一杯のオーダーをしてみました。果たして出来栄えはいかに?


    ■SPIGORA(スピーゴラ)×編集部・竹内伊佐夫
    スピーゴラは2001年4月に神戸で創業したビスポーク専門ブランド。神戸界隈のセレクトショップでの受注から噂が広まり、サンプルを見たかの故・落合正勝氏もダブルモンクを依頼。当時20代だった靴職人の作ったその出来を評して「エレガントなモノ作りは、作り手の経験ではなく感性なのだ」と言わしめた。2011年5月から待望のパターンオーダーをスタート。
    作り手は鈴木幸次さん。1976年神戸生まれ。22歳で単身渡伊。当初はパタンナーを目指して渡ったものの、ス・ミズーラの世界に転向し、ロベルト・ウゴリーニ氏に師事。帰国後スピーゴラを創設。

    ■竹内のワガママ
    「ドレスっぽいのにじつは楽チンなダブルモンクが欲しい!」
    昔はバリバリのだん広甲高でしたが、最近は平均的な日本人足に。指はデフォで曲がっており、無理やり接地させてもたいして伸びない。足長248mm。

    ・足の特徴
    →弱幅広ながら甲もそこそこな日本人的ウィズ
    →土踏まずもなくはないけど少なめか
    →割にしっかりした丸~いカカト

    ■“エレガンス”を感じるとは? うれしハズカシDT卒業
    兄弟誌『Begin』に十余年ほど居ましたもので、まぁそれなりに、スーツだシャツだ眼鏡だレーシングスーツだとオーダーの経験自体はありました。が、靴には今まで縁がなく、つまり童貞ですよ、DT。別にDTが悪いわけじゃありませんが、いつの間にか不惑を迎え、生半可な知識と経験が身についちゃうと、なかなかピュアにはなれないもの。DTはDTなりに素直に行きゃあいいものを、『モテキ』よろしく、捻ろうとするからうまくいかない……無情です。

    何が言いたいのかというと、経験ないんだから変にカッコつけずに先人に倣えと。だからスピーゴラ。M.E本誌の看板服飾評論家といえば故・落合正勝氏。その氏が惚れ込んだ若き靴職人。それこそ自分とは比べ物にならないほどの経験と知識を備えた氏が、何ゆえ当時20代だった職人の作品を賞賛したのか。何かあるに違いない。

    何かって何だ? わかるわけないよ、DTなんだから。では何を作ってもらうか? 氏とスピーゴラといえばダブルモンク。それじゃ芸ないじゃん。もっと職人を唸らすような……イイんだよ、DTが無理にバカテク披露しなくたって。

    木型はラウンドとスクエアの2型。合わない人はお断りするしかないそうです。幸い凡そ日本人的な足の自分はバッチリ。これが縁です。でもってアッパーには、昨今のジャケパン気分を鑑みてラマ革を。

    ナチュラルなシボと革自体の柔らかさで、見た目も履き心地もすこぶる軽快にして、己の足がエレガントに見えます。イヤ、ホントに。仕立てたいいスーツ同様、仕立てたいい靴も己の難を隠してくれるんですね。最高の形でDTを卒業できました。

    ~『最高級靴読本 Vol.5』より

     * * *

    靴に何を求めるかは人それぞれだと思いますが、履きやすく、歩きやすく、かつデザインも日常の服のテイストと合うものがいちばんです。しかしそのすべてを満たすものを探すのは、なかなか難しいのも事実。少し贅沢かな……と思う向きもありますが、ときにはセミオーダーの選択肢もアリかもしれませんね。

  • 2chの某まとめサイト曰く、スーツ関連情報については、
    Men'sEX以外まっとうな雑紙が無いという書き込みがあったが、
    靴に関してはどうなのだろう。

    本誌は国外の靴の他、最近勢いを増しつつあると言われる
    日本靴メーカーについての特集が組まれている。

    これらは3万円程度で比較的良質なビジネス靴が購入できる
    ラインナップが揃っており、それでもインポート物に比肩すると本誌は語っている。

    紹介されている靴は都心部なら専門店がある他、
    百貨店に行けばその殆どをお目見えすることができる。
    この価格帯で「きちんとした」靴を百貨店で買えるのは有り難い。

    これ一冊あればビジネス靴選択するのにはいいのではないか。

    ●ビスポーク紀行
    ●日本靴の逆襲
    ●靴の分解特集(製法)
    ●有名靴工場の見学特集
    ●定番靴の着こなし
    ●最高級靴のカタログ(値段もそれなり・・・)
    ●靴の手入れ(これは巻頭にほんの少し)

    この様な項目となっている。

  • 靴の特集でこれだけのページを割く男雑誌。ジョンロブ、エドグリなど次買うんだったら、何かなと。靴を40年はいてまだ美しいフォルムをたもっている自慢やこれぞという靴が満載。土曜日の夜に無心で靴を磨く数十分は、忙しい中で貴重な時間になっている。やっぱり鞄や靴にはこだわりたい。

  •  Men'sEXから出された靴読本第5巻。第1~3巻と比べてそそる感は減少したが、珍しく日本の靴が特集となっている。日本では、日本スタイル、英国スタイル、イタリアスタイルが混在している点が興味深い。日本人の足には日本の靴が合うと思うので、個人的に日本の靴に注目しており見ごたえあり。また、最近の海外ブランドの売れ筋・新作も網羅されているので、最新情報を得るにもグッド!

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著者プロフィール

なし

「2020年 『築地と豊洲 「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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