- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418123018
作品紹介・あらすじ
今や世界中のイタリア料理店の定番中の定番ドルチェ、「ティラミス」や「パンナコッタ」の出自を尋ねたら…。行き着くところは"イタリアの地方菓子"!甘美な歴史とユニークな郷土色を湛えたイタリア菓子。本書はその多様な世界観を、マエストロ直伝のレシピとイタリア菓子紀行から紐解く、保存版の一冊。ドルチェには、一つひとつ由来の物語があったのです。
感想・レビュー・書評
-
南の方が多いかな?巻末にアルトゥージの料理本の中のお菓子リストがあるのだけど、なぜか9月まで?お菓子を幅広く取り上げてあるので、なんとなくイタリアお菓子の位置付けのようなものがわかって楽しい。地域別なりで深掘りするなら別の本に移ることになるけど、まずこの本の大きさ、分量、手頃で、散りばめられたエピソードは読みやすくてよかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022 テーマ展示「旅」展示図書
京都外大図書館所蔵情報
資料ID:565659、請求記号:596.6||Dolc -
「見て元気、食べて元気(!?)なスイーツ『ティラミス』の物語」
卵黄の優しい色合いとココアパウダーの濃いブラウン。この2色のコンビネーションが象徴の口の中でほんわりとろけるデザート、ティラミス。1990年に日本で大ブームとなり、以後、定番デザートのひとつとして定着しました。
そのティラミスの発祥の地は北イタリア。もとは農家の滋養強壮食として親しまれていたものがデザートになり、そのおいしさから人気が爆発したそうです。今回はその物語を紐解いてまいりましょう。
* * *
イタリアのレストランで、最も普及しているデザートメニューはティラミスだろう。マスカルポーネのなめらかで濃厚な味わいとかぐわしいカフェの香り、存分に食事を楽しみ、満腹なはずなのに、不思議と胃袋に収まってしまう魅惑のデザートである。
パスティッチェリア(※日本でいう洋菓子店)にもないことはないが、一般的にはデザートとしてレストランで出合うことが多いティラミスの誕生はやはりレストランである。
ヴェネト州トレヴィーゾ。ヴェネツィアから北へ30kmのところにある水路に囲まれたこの古い街に、創業1875年の「アンティコ・リストランテ・ベッケリーエ」がある。元は食肉加工場、18世紀末には肉の市が立つ広場で、件の店は精肉業者を相手にズッパ・ディ・トリッペ(トリッパ煮込み)を出す食堂として繁盛していた。
時は下って第二次大戦が終わり、イタリアも復興期から経済成長期に入る頃の'60年代から'70年代初め、この店の名物デザートが評判となる。中欧帰りの料理人が編み出したデザートにティラミスと名づけたのは、アントニエッタ・カンペオール、この店の主人の妻だった。
“私を上に引き上げて”という意味のネーミング、絶妙かつ覚えやすい響きと誰にも好もしい味わいで瞬く間にイタリアはおろか、遠くアメリカにも広まった。レシピを編み出したとされる料理人によれば、もともとは地元の農民が滋養強壮に食したという砂糖を加えて泡立てた卵黄クリームが源で、そこにマスカルポーネを加えたという。
シンプルかつ美味。しかも、誰にでも作れる。さらに言えば、レモン味やいちご味、卵を使わない、マスカルポーネを使わない、リキュールを加えるなど、無数のバリエーションが楽しめる。主素材を使わなければ厳密にはティラミスではなくなるかもしれないが、そんなことを厭わない懐の深さがこのデザートの不動の魅力なのだろう。
~『Dolce! イタリアの地方菓子』より
* * *
名前の由来である「私を上に引き上げて」(イタリア語でTira mi su!)は、転じて「私を元気づけて!」の意。イタリアでは元気が出るデザートとしても親しまれているそうです。
こってり系のデザートと思いきや、実は栄養価も高く、見て元気、食べて元気になれる実用系(?)デザート。「食欲はないけど、お腹が空いた」「とにかく元気が欲しい」というときは、ティラミスをその選択肢に入れてもよさそうですね。 -
日本では珍しいスフォリアテッレなどの作り方も載っていて面白かった。
-
・2012 2/8 購入。パネトーネなどの作り方が出ているのが大きな購入動機だった。
だが、パネトーネの作り方が本格的な割に、元種の作り方があまりにも簡単に書いてあるだけで、お菓子初心者には分量も分かりにくい。そりゃ、イタリア人もお家ではなかなか作らないはずだと思っただけ。