ピンピンコロリ体操 (生涯寝たきりにならないための)

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  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418124053

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  • 「よい姿勢の確認方法とシャキッとした姿勢を取り戻すプチ運動」

    自分の姿勢がいいと自信をもって言えるかたがどれくらいいらっしゃるでしょうか。姿勢をよくしたいけど、そもそもいいかどうかわからないというかたも多いと思います。そこで今回は姿勢の確認方法と、姿勢が悪いと認識したかたのために、よい姿勢を取り戻すためのプチ運動をお届けします。まずは概要からどうぞ。

     * * *

    「背すじをまっすぐに伸ばして」と言われても、ほとんどの人にとってそれは無理です。なぜなら、背骨は軽くカーブするようになっているからです。

    背骨を横から見ると、Sの字を描くように、軽くカーブしています。この背骨のカーブにはクッションの役目があり、背骨に加わる負担を和らげます。平背(へいはい)といって、背骨がまっすぐだときれいな姿勢に見えますが、肋骨(ろっこつ)の動きを悪くして呼吸がしづらくなったり、背骨に大きな負担をかけることになります。

    私たちが、目指すよい姿勢とは、背骨は軽いカーブを保ちながら、さらに横から見たとき、耳の穴、肩関節の中心、太もものつけ根、かかとの真ん中がほぼ一直線になる姿勢です。

    よい姿勢を保つためには、背中側の筋肉の働きが必要となります。ところが、背中の筋肉は衰えやすい筋肉です。背中の筋肉を衰えさせない体操を行って、背すじがシャキッとしたよい姿勢を取り戻しましょう。

    ■よい姿勢の確認方法
    私がよくおすすめするのは、携帯電話のカメラなどで自分の全身を撮ることです。横から全身を撮ってもらい、耳の穴、肩関節の中心、太もものつけ根、かかとの真ん中が一直線になっていればよい姿勢です。

    ■「座っているのに立ち上がりたい運動」
    両手でイスの横を持ったまま、真上に向けて全力で立ち上がるようにします。全力で立ち上がろうとしても、イスを持っているためにできません。それでいいのです。このとき背中の筋肉は大きな力を出して活動します。これを7秒間維持し、休みをはさんで3回繰り返しましょう。

    ☆ポイント
    ・安定したイスに浅めに座る
    ・頭を起こして胸を張り、やや反り身の姿勢をとる。呼吸は止めないように
    ・両手でイスの横を持ち、姿勢を安定させる
    ・両足の間は20センチほど開く




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    「ウォーキングだけでは健康になれないって本当?」

    このタイトルにショックを受けるかたもいるかもしれません。ですが、こちらを一読すると、「ああ、なるほどね……」と頷けるのではと思います。ウォーキングのほかに何をすれば健康になれるかにも言及されていますので、ぜひご一読を。

    語り手は中京大学スポーツ科学部教授の湯浅景元先生。中京大学のスケート部部長として浅田真央選手、小塚崇彦選手らフィギュアスケート選手の育成にもあたっておられるかたです。

     * * *

    近年、健康にいいと評判になったことからウォーキングをしている人が増えました。「毎日、ウォーキングをしているので足腰は丈夫だ」と言う人がいます。ウォーキングは足腰をよく使うので、確かに足腰を丈夫にできそうな気がします。ところが、そのように期待通りにはいかないのです。

    何にでも効き目があるという万能薬のような運動はありません。ひとつの運動からもたらされる効果は、わずかです。

    ウォーキングだけ、というように偏った運動を続けていると、心臓や血管は丈夫になり、体脂肪が減り、スタミナがついてきますが、筋肉や骨が丈夫になるという効果はほとんど現れてきません。

    運動は、栄養と同じように偏ってはダメです。粘り強さを向上させる運動、力強さをつける運動、柔軟性を高める運動をバランスよく行なうことで、総合的な体力を高めるようにすることが、ピンピンコロリ(※)の健康長寿に役立つことになります。

    「ピンピンコロリ(PPK)運動」は、北沢豊治(きたざわ・とよはる)氏が考案し、長野県下伊那郡高森町で地域住民の健康づくりのために用いられたのがきっかけだといわれています。「健康で長生きして死ぬときはあっさり」という願いを込めた「手軽で、楽しく、どこでも」できる運動です。

    私も、私なりにピンピンコロリ体操(ピンコロ体操)を考えました。「湯浅流ピンコロ体操」は、3つの体操でできています。

    [1]呼吸器や循環器を丈夫にする「粘り強さ」をつける体操、[2]筋肉の「力強さ」をつける体操、そして[3]筋肉や腱(けん)の「柔らかさ」をつける体操です。この3つの体操だけでも、バランスのとれた体力をつけることが期待できます。

    ☆「柔らかさ」をつけるピンコロ体操
    安定したイスに浅めに座り、手を足の内側にそってすべらせながら上体をゆっくり前に倒します。倒しきったら力を抜いて10~15秒リラックスしましょう。戻るときは、ひざに手をおいてから、上体をゆっくり元に戻します。これを3~5回繰り返します。

    [ポイント]
    [1]座る→倒す
    ・肩の力を抜く
    ・手はひざの上におく
    ・両ひざを横に大きく開く
    ・息をゆっくり吐きながら上体を倒す
    [2]倒した状態
    ・背中から腰にかけての筋肉が伸びていることを意識
    ・手は両ひざの間に落とす

    ~『ピンピンコロリ体操』(湯浅景元)より

    ※ピンピンコロリ……“ピンピン”と元気に生き、死ぬときは病に苦しむことなく“コロリ”と死ぬという究極の願いを表した言葉。

     * * *

    本書はシニア世代に向けて、“生涯寝たきりにならない”ことを目的のひとつにしているものであります。しかし、その中身を熟読すると、世代に関係なく、日々身体が軽く、疲れにくい身体になるために手軽にできるあれこれを教えてくれる一冊であります。身体のだるさが取れないかたにもおすすめです。基礎体力的なものをゆるい体操で強化できる点もうれしい。

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著者プロフィール

1947年名古屋市生まれ。中京大学名誉教授。日本体育学会名誉会員。一流スポーツ選手に対するトレーニング方法の研究とともに、その成果を生かして、多くの人々に体力年齢に見合った運動の仕方についての指導を行う。おもな著書に『湯浅式「ながらトレーニング」で若返る!』(小学館文庫)、『これならできる簡単エクササイズ』(岩波書店)、『老いない体をつくる――人生後半を楽しむための簡単エクササイズ』(平凡社新書)などがある。

「2019年 『「自立できる体」をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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