ゆめみるハワイ

  • 世界文化社
3.44
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418125043

作品紹介・あらすじ

よしもとばなな、ハワイに恋するエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 本場ハワイ(いわゆる観光地でない所)でフラダンスを8年間習い続けながら、折に付けプライベートや仕事でハワイの島々を訪れている、作家のよしもとばななさん。長きに渡る、彼女のハワイへの想いや成長し変化を遂げる家族や友達への思いが、この一冊には込められています。「懐の深い心地よい場所」である、ハワイにずっと恋してることは、日本を振り返ることにつながり、小さい頃に感じていた世界に恋する気持ちを思い出させてくれるのだとか。 ハワイと両思いになったと断言している彼女の文章はとても心地良かったです。時計では刻めない時間に身を置く感覚とでもいうのでしょうか。自然体のばななさんの瑞々しい透明感がこちらにも浸透してくるよう。さらに、ハワイ在住の親友である潮千穂さんが撮っている写真は、添えられたというには勿体無い程に、先の世界観が写し出されていて、とても魅力的でした。やはり、ハワイには目に見えない神秘の神々が宿っているのかも♪

  • ばななさんのエッセイは、まわりの人のエピソードがたくさんで賛否両論だけど、私は好きです。あたたかな人たちと過ごす、あたたかい場所。20代のころ、何度か私も足を運んだあの空気にもう一度触れたくなりました。写真がとっても素敵です。

  • なんとなく、この人の本好きじゃないだろうなって思ってて読んだ事がなかった

    と思ったら、本を読んでる最中に前にこの人の本読んだかも…って気がしてきて(笑)
    で、そんな気は当たってて^^;
    「まぼろしハワイ」って本を読んだことがあるみたい
    たぶんmixiに感想書いてるはずだから、あとで探してみよう!

    とゆーわけで、本読んでるうちにハワイに行きたくなったから
    悪くはないと思うんだけど
    やっぱりこの人あんまり好きじゃない…
    巻末の写真見て、あーこういう顔してるんだ!

    …納得(笑)

  • すでに長くフラを続け、ハワイに恋をし続ける著者のエッセイ。行きたいなぁと素直に思う。それにしても、当然過ぎるほど当然だけど、3.11というのは日本人にとってあまりにも大きなことだった。夢のような、天国のようなハワイを描く本作の中にもやはりそれは影響している。別の媒体で著者が、放射能を心配し過ぎるより精神的に幸せに暮らせるよう努力すべきだというような意味のことを書いていたのを否定的に読んだことがあったけど、彼女の気持ちが少し理解できた気がする。

  • 空気からエネルギーって
    なんだか素敵な表現。

    写真がキレイで
    フラの話もよかったな。

    あと子どもを叱る話も。
    タオルだけ巻いた体に 顔はパックした白い顔で 怒って。
    こわいような 大笑いなような
    不思議な状態だなと。

  • 写真がステキ!

  • ハワイの光に包まれた、海や花の写真が綺麗。文章のかんじ、人生の一瞬一瞬は何気なくとも後からきらめく。素敵な時間を重ねていきたいと思える本。

  • ただのスピリチュアルな戯言をひたすら聞かされてる感じで、感情移入もできずでつまらなすぎて、ビックリした。
    キッチンはあんなに素晴らしい話なのに…。

  • 分厚くはない本のなかに、たいせつにしたいおもいや言葉が、たくさん詰まっていた。

  • さっくり読了。
    さわやかな風が吹く日曜日の午後に
    ふさわしい本だった。
    ハワイに行きたくなってきたなぁ。

  • ハワイに恋します。

  • 吉本ばなな時代はよく読んだけど、よしもとばななになってからはものすごく久しぶり。あまりにも変わらないばなな調で懐かしい気持ちになりました。
    エッセイだけど小説を読んでる気分でした。
    とりあえずばななさんはフラが上達しないということが分かりました。あたしもやったことあるけど難しかったな。才能ないわと思ったのでもうやる気もしません。
    写真は個人的な好みとはちょっとズレてましたが、綺麗で、潮千穂さんという方はハワイが好きなんだーと感じました。
    いいね。またハワイ行きたくなってきた。

  • ハワイエッセイ集。
    写真もパワーや静けさを感じて良かった。行く機会があったら静かなエリアに滞在したいな。

  • ハワイにいったことのないわたしにとって
    ひとつひとつのお話に波はあるものの
    全体としては ふぅん といった感じでした

    小説の夢物語のようにハワイにすごく行きたくなったわけでもなく
    ハワイをよくわかったわけでもなく
    ただ 自然のなかで 自分が感じるままに過ごすことで
    少し気持ちが変わる、ということがわかった

    そして、潮千穂さんの写真がとてもよかった

  • 文章はいつものばななさんなのだけど、写真がとてもいい。何枚か、見るだけで胸が苦しくなるような素晴らしいものがあった。
    光と色彩、たとえば物凄くひどい目にあって本気で死を考える時、あるいは身体的に飢死寸前の時とか、そういう極限状態にあっても、たぶんこの写真のような風景の元にいれば、その美しさに心が奪われて、つらさや悲しみが和らぐような気がする。
    天国というのはつまり、そんな作用のある場所のことなのだろう。

  • 写真も言葉も素敵。キラキラしている。読んでいるだけでハワイ時間。

  • ハワイ行くとこんな気持ちになるよねーを的確に上手に昇華して書かれたエッセイ。
    ぜひ続きを書いて欲しい。

  • 2012年フラフェスタin池袋を見に行った帰りにジュンク堂でこのエッセイを発見☆
    もともとよしもとばななさんは大好きな作家さんで、ひとりぼっちの気分の時は『キッチン』を読みたくなるし、『なんくるない』を読み返すと、価値観の多様化が叫ばれる中、むしろステレオタイプな価値観にとらわれてしまいがちな私たちに"think the otherwise"を示してくれる気がする。よしもとさんの本はなんども読みたくなる、言葉の宝石箱だと思っている。
    『なんくるない』を読んでから、よしもとさんは沖縄が好きなんだな、と思っていたけど、きっとそれならハワイも好きになるだろうな、と思っていた。私は追いかけをするタイプではないのでこの本を読むまで知らなかったのだが、どんぴしゃで、フラまで8年間も習っていらっしゃったなんて!!しかもあのサンディーさんのハラウだったとは。
    いろいろ驚きながら頁をめくりました。
    とてもきれいな写真がところどころにあって、ハワイがある一瞬垣間見せる美しさを一枚一枚切り取って見せてくれるし、おなじくらいきれいなよしもとさんの言葉の数々。本当になんて感性豊かな文章だろう。この表現をするときにこの言葉を使うのが絶妙!そして何より、彼女の人やフラを見つめるまなざしがなんと透き通っていることだろう。彼女の目を通して私たちは美しいものに出会うことができる。彼女の感受性の強さの表れた文章を読んでいると、美しいものを見て感動するには、美しいものを視る力が必要なんだと強く思う。
    そして、私自身フラを習い始めたので、フラについて語られているところが身に沁みました。
    とくに、104頁の、「ほんとうにすごいダンサーは人に見られることだけではなく、神に見られることに慣れている。その視線を受け止めることができるのだ。受け止めて、受け入れて、世界に光を返す。」というところは、フラの神聖な輝きをみごとに表していると思う。
    初心者の私自身は正直、フラについてまだよくわからないところが多くて道のりの遠さに挫折しそうになっていたけど、幸せな思い出があるハワイが好きで、ゆったりしたフラが好きだというフラを始めた時の気持ちを忘れないで私のフラの道を歩んでいこうと思う。

  • 2012 7/17

  • 「ひとりしかいない」

    よしもとばななさんの『ゆめみるハワイ』からエッセイ(の一部)をお届けします。本書はハワイとフラとチビ(息子さん)の話をテーマとしていますが、今回ご紹介する一節は、心の柔らかい部分に関わることがゆえに、読むと普段見ないようにしている部分をつきつけられるように感じるかたも、ひょっとするとおられるかもしれません。

    さらりと読めるかたは、きっと普段の選択に自信をもっておられるかた、なのかも(?)。さて、こはいかに。

     * * *

    やっぱりこの世に楽はないのだ。

    でも、だからこそ人生はすばらしいのだと思う。

    どんな人もそれぞれがトップである場所(相手は仕事か家族か友人か恋人か夫か子どもか……ほんとうにそれぞれ)では同じようにたいへんで、同じようにすばらしいのだから。同じようにぐっとこらえ、ぐちをのみこみ、一瞬にかけて、自分が自分をちゃんと見ているから大丈夫、と毎日をつみかさねる。

    もしも私が「あっちで華やかだから、こっちでは地味でのびなくてもがまんする」と思いながら、フラをやっていたら、とても続かなかっただろう。

    私は、フラの世界で自分だけの道を歩んでいる。きれいごとではなく、ほんとうに自分だけの道。そこには私だけに見えるなにかがあり、私だけの小さな上達があり、挫折がある。休みがちだし、運動神経がなくっても、確かに道はそこにある。

    フラをやっていない人たちが全く知らないハワイの言葉や歌を歌い、踊れるというかすかな喜びを感じている。そして私はすばらしいダンサーやクム(※ハーラウ=教室の、いちばん上にいる大先生、単に踊りが踊れるだけではなれない。ハワイの文化に精通し、精神的にも人々を導ける成熟した人格でないとなれない、スピリチュアルな先生でもある称号)が、私を見るとほっとするような存在でいたい。その形でクラスを支えていきたいと心から思う。

    「なんかあの人がいると、自分の踊りの歴史を、全部見ていてもらえるような気がする」そういう存在でいることが誇らしいと思う。

    自分が自分にとってぴったりくる役割の中にすんなりいること。その中でたったひとり、遅い歩みでも進んでいること。自分が自分でいるだけ、それ以上の幸せがあるだろうか。小説の現場とフラの現場で役割は違っても、自分でいるだけでいい。

    なんといっても、この世にそれができるのは自分だけなのだ。有名でも無名でもどんな状況でも自分を全うするしかできることはない。

    だれかを自分と比べてうらやましいと思ったり、だれかがちゃんとわかってくれさえすれば、自分はこんな状況にはいないのに、と思うことの何倍も、そこには小さなあたたかさがある。つきない動力がある。しゃかりきになってねたんだり、怒りをバネにしてがんばる人たちの肩に力の入っている様子を見ると、私はいつでも「こっちに来なよ、楽な上にちゃんと力が入るから、効率がいいよ~」と思うのだった。

    ~『ゆめみるハワイ』(よしもとばなな)より

     * * *

    いかがでしたか。

    今回ご紹介しましたのは文章のみですが、実は本書、写真もとても美しいのです。ハワイはただ夢見るように美しいだけでなく、生きる強さや優しさも教えてくれる場所なのだとページから伝わってきます。ハワイに行けなくとも、その空気を味わうことができる1冊。おすすめです。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしもとばななの作品

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