東京ノスタルジック百景 失われつつある昭和の風景を探しに

  • 世界文化社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418172009

作品紹介・あらすじ

2020年を見据え再開発が進む東京。ノスタルジックな「昭和の風景」が続々と消えるなか、今もわずかに残る猥雑でエネルギッシュな風景・建物を目に焼き付けたいと思いませんか? 本書ではそれらをただ切り取り解説するのではなく、戦後その地で生き、様々な思いを込めてきた人々の生々しい声も収録。東京中を歩き回り、時に叱られ時に激励されながら、郷愁の街に潜入した渾身のルポ。

感想・レビュー・書評

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  • 2022年7月14日読了。失われつつある・あるいはすでに失われた東京の「グッとくる」昭和の風景たち、そこにいる人々を写す写真たち。赤錆の浮いた外観や、配管むき出し・漏水したたるようなアーケード、小汚い路地裏の飲み屋街にどうしてこうも心が揺さぶられるのか、愛おしくて切ない感情が生まれるのか…「昭和生まれ」な自分を強く感じながら読んだ。著者もたびたび言及するように、そこに住む人・行政にも様々な理由があり安易に「残してほしい」と言えるものではない、それでもツルッとして無機質な新しい東京を見ているとさびしい、平成生まれ・令和生まれの子どもたちがこんな新しい東京を「当たり前のもの」として育っていくのだと考えるとなんだか残念、な気持ちになってしまう…。まあ昭和の東京の風景だって、空襲で焼け野原になった後に新たに作られたわけで、永遠にこの姿だったわけではないのだが。

  • 身近な建物がなくなり新しい建物へと変わりゆく中、写真に収められた古い建物を改めて見ると味わいがあり楽しめた一冊だった。

  • 2019/08/05

  • 昭和トワイライト百景の著者の前作
    限りない愛情がやや過剰なのは同様。

    ・晴海倉庫街、TSミュージック、グランドキャバレー・レディタウン、ザ・スズナリ

  • <目次>
    第1章 港区・中央区・千代田区
    ニュー新橋ビル・中銀カプセルタワービル・ソニービル・三原橋横丁・旧電通本社ビル・晴海倉庫群・今川小路・神田小路・丸三横丁・西銀座JRセンター/インターナショナルアーケード
    column 戦後史の断片 路上の商売1 靴磨き職人
    東京懐古的点描その?築地市場

    第2章 豊島区・新宿区
    大塚三業地・美久仁小路/ヤミ市酒場横丁・スバルビル/新宿の目・ストリップ劇場TSミュージック
    column 戦後史の断片 路上の商売2 行商
    東京懐古的点描その? 渋谷駅前

    第3章 台東区・江東区・葛飾区
    浅草地下街・浅草花やしき・Beeタワー・辰巳新道・呑んべ横丁・駄菓子屋高橋商店
    東京懐古的点描その? 都営団地

    第4章 大田区・世田谷区
    グランドキャバレー・レディタウン・三角地帯・下北沢駅前食品市場・ザ・スズナリ
    巻末column 消えた昭和の風景
    あとがき



    2017.10.03 Amazonでhttp://mediamarker.net/u/naokis/?asin=4905447828「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街を検索した時にリコメンドされる。
    2017.10.29 読書開始
    2017.11.01 読了

  • フリート横田 著「ノスタルジック 東京百景 失われつつある昭和の風景を探しに」、2017.1発行です。「鋼鉄の高速道路で空をさえぎられた日本橋は、昼なお薄暗き影の10何mかになってしまった」(開高健 ずばり東京 より)。戦前は池袋より大塚(大塚三業地)。新宿歌舞伎町TS劇場(ストリップ劇場)H29.1末閉店(ハダカが安くなった。ネットでタダだから)。昭和、男は全力で仕事をし、酒も全力で飲み、カネを嫁いで妻子に渡し、(ときどきワルサをしながらw)生きていた(^-^) 王子のさくら新道、H24の火事、寂しい!

  • 失われつつある昭和の風景たち。ニュー新橋ビル、中銀カプセルタワー、ソニービル、三原橋横丁、旧電通本社ビル、●晴海倉庫群、今川小路、神田小路、●丸三横丁、西銀座JRセンター・インターナショナルアーケード、大塚三業地、美久仁小路・ヤミ市酒場横丁、すばるビル・新宿の目、●TSミュージック、浅草地下街、●浅草花やしき・Beeタワー、辰巳新道、●呑んべ横丁、駄菓子屋・高橋商店、蒲田・グランドキャバレー・レディタウン、三軒茶屋・三角地帯、下北沢駅前食品市場、ザ・スズナリ(●は既に消滅が決定したもの)

  • 幼い頃から知っていた場所がいくつも閉鎖になったり取り壊しされてたりするのをこの本で初めて知りました。
    賑わっていた頃を回顧する地元の方々の話は、そこ出身でなくても胸の奥がキュッとする想いにかられました。
    戦争や高度成長期を経て形成された風景は、やっぱり何ともいえない力を持ってるように思います。
    バブル期や再開発以降のビルたちも、数十年たてば同じように回顧されるのか…今はまるでピンとこないけど。

    五反田有楽街の片隅で、意地をはるかのように残っている昭和の風景もいつか消えてしまうんだろうな。
    幼い頃、習い事への行来で界隈を通るたびに雰囲気に飲まれてはいけないとペダルを漕ぐ足に力が入ったことが懐かしい。
    親からは治安の悪さから通るなと言われていたけど、近道だったし何より「怖いものみたさ」のような好奇心をかきたてられた思い出。
    今も通るときは少し緊張する一角。
    目と心にもう十分焼き付いているようにも思うけど、なくなることを思うとやはり淋しい。

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著者プロフィール

フリート 横田

文筆家。路地徘徊家。1979年生まれ。戦後~高度成長期の古老の昔話を求めて盛り場を徘徊。昭和や盛り場にまつわるコラムや連載記事を雑誌やウェブメディアに執筆、TV番組にも出演。著書に『東京ノスタルジック百景』『東京ヤミ市酒場』『昭和トワイライト百景』など。YouTubeチャンネル:路地裏の泥酔者

「2020年 『横丁の戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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