- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784419055509
感想・レビュー・書評
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WBSコーポレートファイナンス戦略分析の松田先生の本。講義のエッセンスが詰まっているし、本来の本社のやるべき機能がわかりやすくまとめられてます。
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グループ経営についての基本的な知識を得るためにいい本だと思う。
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すごく分かりやすく仕上がっていると思う。
複数事業を抱える企業の本社が何をなすべきかが書かれている。
本社の機能は大きく3つ
見極める⇒投資家として、事業の価値をちゃんと評価する
連ねる⇒戦略的投資家として、シナジーを創出する
束ねる⇒社内外に対してグループの代表として振る舞う
語り口がやや毒っぽい
事業部から上がってくる計画をホッチキス止めするだけの経営企画部、
ギャップはM&Aで埋めるけれど、どこを買うかこれから考えますと言っちゃう事業部、、、
などなど。でもまぁ、あたってるよね。 -
本社の果たすべき役割がコンパクトにまとめられている。幅広いひとに有用なテーマではないが、今の自分にはとても役立つ素晴らしい一冊。
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日経のコラムを読んで、この著者の方の本が読みたい!と思って読みました。
内容は…消化できてません…。もう少し勉強してから読み返します。
ただ、日本の今までの経営は、資金と人的リソースについて、国が保護装置をつけていた、という話はものすごく腑に落ちました。変えなくてはならない、ということなんですね。
また、タイトルと内容があってないように思います。
グループ経営、というより、グローバル社会の経営のあるべき姿、なのではないかなあ。 -
とてもわかりやすくて良い本。
「グループ経営入門」というよりは、「本社機能とは」というタイトルの方が適切?
入門といって語り口はやさしいけれど、言ってることは深い。
1.本書の趣旨は
「オペレーションではなくマネジメントをやろう」
経営とは、事業・財務・組織のつながり
終身雇用は組織の安定化装置
2.企業価値とは
左脳的企業価値(利潤追求の性向度を図る指標)
「やりたいこと=事業」で得たキャッシュベースの利益から「先立つもの=財務・投資家」のコストを除いたもの
3.経営の体系とは
ミッション、バリュー、ビジョン、ストラテジ、マネジメントシステム、プロセス
※従業員へのコミットメントの位置づけが「バリュー」というのだと初めて納得。
4.本社の機能は
「投資家機能」
持株会社は投資家、事業会社は事業家。だから両社の役員は分けなければお手盛りが起こる。
※これは、取締役と執行役員でも同じことだ。
5.本社は何をすべきか
機能であって組織ではないので、経理・総務他みんなが勤しんでよい。
●見極める力
①投資家機能
経営資源配分、事業ポートフォリオをどのように作るか
②投資家機能のためのインフラ整備機能
経営資源配分の基盤整備、事業ポートフォリオをどのように運営するか
●連ねる力
③シナジー発揮推進機能
事業横断的な働きかけ
④インキュベーション機能
ポートフォリオの入替え、新規事業、撤退、R&D、M&A
●束ねる力
⑤外部への代表者機能
ヒトモノカネ情報の調達
⑥内部への代表者機能
ミッション・バリューの確立、ゴールの提示、リーダーシップとコミュニケーション
6.「①投資家機能」のために
投資先を分析できるアナリスト機能は不可欠
事業部門が作る実績の延長線上の将来予測による事業計画と本社の投資家としての事業計画
中断、以降PP作成 -
冒頭第一節の「やりたいこと」「先立つもの」「取り組む人」という枠組みの提示が「企業って何よ?」を明確に示していて価値がある。しかもこれ、企業に限らない話だ。
企業の場合は「先立つもの」を株式とか銀行からの借り入れとかで準備する。
政府、行政は税収とそれを元にした補助金とか助成金とか持ってる資産とか。
財団なら寄付を含む財産、資産。非営利セクターのNGOなら助成金、委託金、寄付金。
出どころが違うから利益が出たときの扱いが違う。
いずれも「やりたいこと」をやるため。
戦後以後の日本の企業は、不安定なはずの「先立つものも」「取り組む人」も前者は銀行、後者は年功序列・終身雇用・協調的組合という安定化装置を付けていたようなものだと。
それが今は外れたので自分たちでやらないといけない。
企業の財務部って何やってるの?とか、そのM&Aはホントに価値あるの?とか。経営計画立てるときにやることとか。
管理会計をどう経営の中で使って意思決定するか、という実際も考え方を理解しやすく書いてあって勉強になった。要はわかる範囲で大体。ただし、意味のある数字を使う。
事業をどう評価するか。
非営利ならキャッシュインフローを別の指標にするか、金額換算すりゃいいんじゃないのかな、とか。
財務的な企業価値は「左脳」的なもので、企業の一側面。「右脳」側の企業理念も大事だし、こっちだけでも当然ゴーイング・コンサーンではない。
グループの本社に求められるのは、将来予測や事業価値を見極める投資家として役割、事業間を刺激して新しい芽を育てる連携強化機能、利害関係者とうまく付き合っていくための代表機能、という。
わかりやすい。 -
現代経済社会における経営トップおよび本社機能の本来の役割について、一通りエッセンスを紹介している。
経営分析にファイナンス、組織論、人事政策、CSRなどなど、まさに本社機能が担うべき要素について実に簡明平易に説明している。
もちろん個々の論点について、本書を読んで十分ということは全くなく、すぐ実務に移せるということはないのだが、本社部門の機能を体系的に理解できる本って他にあるようでないという意味で、なかなか価値のある本かと。
私自身、社内では「グループ経営」を冠する部署に所属している。
入社2年目であり、会社の仕組みを抜本的に変えられる立場にいるわけではないが、求められている機能をざっくり整理できただけでも、本書を読んだ効果はあったと思う。
蛇足。
本書は結果として良書だったのだが、書店で手に取ったとき、あまりにセンスのない表紙&帯に購入を躊躇わせられた。誤字も多く、この出版社にはもう少し気合いを入れて本を作ってほしいところ。