道は開ける 文庫版

  • 創元社
4.15
  • (153)
  • (131)
  • (60)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 2842
感想 : 119
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422100999

作品紹介・あらすじ

『人を動かす』と並ぶカーネギーの二大名著。人が生きていく上で誰もが直面する「悩み」の原因を客観的に自己分析し、心の持ちようや習慣を改め、心身の疲れを取り除く等の方法で具体的かつ実践的に解き明かす。苦悩するすべての人を心の闇から救いだし、行動と自己変革への勇気を与え、新しい人生を切り開くための座右の書。1944年の初版刊行以来、時代に合わなくなった部分を修正するなど、折々に改訂が施されてきた現行の公式版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 悩み克服案内書。
    ほぼ百年違う時代を過ごしたカーネギーが全人類が抱える悩みについて、各テーマにつき各偉人の例を挙げて説明。
    内容は濃く、一読だけでは足らず何度でも読み返したくなる一冊。

  • 「人を動かす」の姉妹書。前書は「人間関係」の機微について述べたものでしたが、本書はあらゆる人間に共通する「悩み」の実態とそれの克服法を述べたものです。1944年の初版から何度か開廷を重ね、本書は1978年に翻訳されたものです。
    【悩みを分析する基礎技術を身につける】
    ①過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の区切りで生きよう。
    ②「起こりうる最悪の事態とは何か」を自問し、やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をする。それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力する。
    ③悩みに対する戦略を知らないものは若死にする。
    ④自分が何を悩んでいるかを明確にし、それに対してできることを探し、どういうことをいつから実行しようとしているかを考える。
    ⑤問題点、原因、解決策を考える。
    【悩みの習慣を早期に断つ】
    ①忙しい状態でいること。悩みをかかえた人間は、絶望感に打ち負けないために、身を粉にして活動しなければならない。
    ②気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない。小事にこだわるには人生はあまりにも短い。
    ③記録を調べ、平均値の法則によると不安の種になっていることがらが実際に起こる確率はどのくらいかを考える。
    ④避けられない運命には調子を合わせよう。
    ⑤時分が悩んでいることの実際的な重要性を知ろう。
    ⑥過去の失敗を冷静に分析して何かの足しにする。あとは忘れ去ろう。時間が多くのことを解決してくれる。
    【平和と幸福をもたらす精神状態を養う】
    ①快活に考え行動すれば自然に愉快になる。
    ②仕返しをしてはならない。敵を傷つけるよりも自分を傷つける結果となるから。嫌いな人について考えたりして、1分間たりとも時間を無駄にしないこと。
    ③幸福を見つける唯一の方法は、感謝を期待することではなく、与える喜びのために与えることである。
    ④やっかいごとを数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう。
    ⑤他人の真似をするな。自己を発見し、自己に徹しよう。
    ⑥運命かレモンをくれたら、それでレモネードをつくる努力をしよう。
    ⑦他人に興味を持つことによって自分自身を忘れよう。毎日、だれかの顔に喜びの微笑が浮かぶような善行を心がけよう。
    【批判を気にしない】
    ①不当な非難は、しばしば擬装された賛辞である。
    ②最善を尽くそう。あとは古傘をかざして、非難の雨が首筋から背中へ流れ落ちるのを防げばよい。
    ③自分の犯した愚行を記録しておいて自分自身を批判しよう。偏見がなく、有益で、建設的な批判を進んで求めよう。
    【疲労と悩みを予防し心身を充実させる】
    ①たびたび休養する。疲れる前に休息せよ。
    ②疲労の大部分は精神的原因からきている。純粋に肉体的原因で消耗する例は実にまれである。『力の心理学』精神分析医J.A.ハドフィールド
    ③信頼できる人に悩みを打ち明ける。
    ④机上を問題に関係のある書類だけにし、重要性に応じて物事を処理する。即刻その場で解決する。組織化、代理化、管理化する。
    ⑤毎朝自分自身に励ましの言葉をかける。
    ⑥不眠について悩まない運動し体の力を抜き安心感を持つ。

    本書が出版されてから80年近くも経つのに、まだまだ人間の悩みは尽きません。冒頭に「本書から最大の成果を得るための9ヶ条」というのがあり、その中で、毎日本書を精読すべきと書かれています。私は5年前と4年前に読んで、今回が3度目です。たくさんの実例が紹介されており時代も感じますが、どの時代でも大切なことの本質は変わらないのだなと思います。これらの教訓を胸に、穏やかに丁寧に生きていきたいです。

  • ※書きかけ
    死ぬまでたまに読み返したい本

  • ・今日一日の区切りで生きる
    →過去や未来を心配しない
    ・この一瞬に永遠不滅な二つのものが出会う場所に立っている
    →膨大な過去と未来の境目にいる
    ・この2つのどちらで生きることも許されない
    ・「今日」を捉える
    ・小事にこだわるには人生はあまりにも短い
    ★やること
    1. 悩んでいる事柄を詳しく書く
    2. それについて自分にできることを書く
    3. どうするかを決断する
    4. その決断をすぐ実行する

  • 途中まで読んで感想を書くのはどうかと思ったが、さすがにだいぶ一方的な価値観の内容で少し疲れた。

    確かに書かれている考え方は素晴らしいものが多い。嫌いな人間や嫌なことはいつまでも引きずるよりすっぱり忘れてしまった方がいいし、持たざることを嘆くより今手にしているものを大事にしたほうがいい。この本に書かれている考えを実践すれば幸福を感じられるかもしれない。

    しかしそれを宗教的観点から言われると懐疑的になってしまう。宗教が引き起こした歴史的な悪行から考えると、ニーチェではないけど「奴隷の道徳」じゃないのかと思える。弱者に不幸にはただ従順に耐えることを教え込ませて、本質的な問題から目を背けさせる。なんでもかんでも運命のせいにしたり、幸せになるための試練だと思わせておけば、不幸な結果の原因を考えなくてすむ。みんながそう考えてくれたら支配する方はさぞ楽だろう。

    この本に出てくる大量の名言も個人の物語も、著者の考えに都合の良いものだけをピックアップしているだけでフェアとは言い難い。

    あと、本の内容に感化されるのは結構だけど、間違っても他人に説教するための道具にしてはいけない。モラハラ認定を受けることになる。あるいはいじめっ子が「汝の敵を愛せ」とかうっかりSNSでつぶやいたら「お前がいうな」と炎上すること請け合いである。(実際「glee」のリア・ミシェルが似たようなことで炎上してた)

    個人的には使えそうな考え方をいくつか選びだして、ストーリーに関しては話半分で流すほうが合ってるみたいだ。

  • 世界中で読み継がれているデール・カーネギーの名著。人生訓などを著者本人の実体験や、伝聞した体験をもとに滔滔と語ってゆく形式で、なるほどたしかにタメになる言葉が多く登場する。いっぽうで、どうかと思う部分も多多ある。とくに「19 私の両親はいかにして悩みを克服したか」などはオカルトの極みで、生活に窮して心中を試みた瞬間、どこからともなく讚美歌が聴こえてきてどうにか思い留まったというのだが、このエピソードを聞かされてもどうすれば良いというのか。一事が万事このような体験談をもとに構成されているが、たとえばいくらポジティヴにふるまったって、どうしようもない問題というものは世の中に多くある。そういう態度で乗り越えた人がいるからと言ってそれは万能の処方箋にはなりえないし、そもそもこういった思想は気合ですべて乗り切れるというような根性論、ブラック企業のような精神に繫がりかねない。このような著書が万人に読まれていることに対し危うさも感じる。「うつ」の話とか悩みの話とか疲れの話も登場するが、著者は医師ではない。たしかに休憩をとることが有効というのは普遍的な真理であろうが、その方法などの細かなアドヴァイスを聞かされたところで、はたして正しいのかどうか。個人的な体験はかならずしもエヴィデンスにはならないが、全体的にそのような調子で書かれている部分が多すぎるので、話半分という感じで受け取るのがベストだと思う。

  • 悩みという問題は誰にでもある。悩みの「事象」自体は変えることはできないが、「悩み」を「気楽」にするのは自分自身の思考の問題であるということがわかる本です。

  • 一度読んでみたかった、自己啓発本の名著。自己啓発本を読むのが、結構好き。前向きな気持ちになれるし、単純に私は大丈夫、私はやれる、という気持ちにさせてくれるからだ。この本の通りにできたら、確かに成功するし幸せだろうなぁとぼんやりと思う私は、全くこの本を読み込めていないのでしょう。

  • ・忙しければ悩む暇もない
    ・問題点は何か、その原因は何か、解決策は何か、その中で望ましいのはどれか
    ・何に悩んでいるか、事実は何か、それに対して何ができるか
    ・最悪の事態は何か、その覚悟はあるか、そこから何ができるか
    ・今日は今日、明日は明日

  • 人生の大きな間違い

     1. 時間の浪費
    2. 小さいことでくよくよすること
     3. 人と言い争い、論争をしてしまうこと

    賞賛よりも批判を受け入れよう。

    批判に怒るよりも感謝して、そこから何かを得ようとするべき。

全119件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれ、大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソンなど雑多な職業を経て、弁論術や成人教育の講師となり、人間関係の先覚者として名をなす。不朽の名著『人を動かす』『道は開ける』など多数の著作がある。

「2016年 『D・カーネギー・ベストコレクション(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

D・カーネギーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
D・カーネギー
稲盛和夫
宮下奈都
フィル・ナイト
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×