ロジャーズの中核三条件 一致:カウンセリングの本質を考える 1

制作 : 本山 智敬  坂中 正義  三國 牧子 
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422114583

作品紹介・あらすじ

心理相談や学校教育、医療・福祉現場など、あらゆる対人援助で必須となる“傾聴”スピリット。いまや常識ともなった“傾聴”の根底にある、聴き手の「受容と共感そして自己一致」を、まったくの初心者にも必ずわかる導入と、経験豊かな援助職にも味わえる探究で、徹底解説した三分冊。どのような場面でも参照できるよう、どこまでも実践に即して見渡された、総合ガイダンス! ――第1弾は「一致:聴き手の自分らしさ」について。

感想・レビュー・書評

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  • この本に限らないが、ロジャース派の論文は、「教祖ロジャースはこう言った。それはこういう考えからである」的な記述が多い。

    私は日々の臨床に活かせる知見が欲しいのであって、ロジャースがどう言ったかには興味がない。ロジャースの言っていることが真実とは限らないからである。

    セラピストの必須三条件について論じているところなどは、「言葉あそび」でしかなく、「で、つまるところ、それをどのように臨床に活かすの?」というイメージが全く湧いてこない記述が多い。

    臨床心理学、心理臨床学は、訓詁学ではない。本当に臨床をやっているのか?という書き手が散見されるのは非常に残念である。

    他学派の成田善弘先生の寄稿が一番おもしろく、誠実(Genuineness)に書かれていると感じられたのは皮肉な話である。

  • カウンセラーの「一致」について、コラムも含めた執筆者12人の立場からの考察が読める本。
    カウンセリングの実践で、カウンセラー自身が一致しているか迷ったり、悩んだりする時に読むと、灯火のような言葉や実践に出会える。
    巻末は、村山正治先生との対談となっている。

  • いい本です。国家資格キャリアコンサルタントの養成講座でロジャーズを学び、中核三条件を知りました。その中でも「一致」(講座では自己一致としていました)は、ちょっと理解するに難しい概念だと感じました。本を読む前の、私なりの理解は、言葉に出して相手に伝えないけど、自分に正直な状態、仮面を被ったりしないで、相手に「腹を割った」状態で接することかなと整理していました。本を読んで、Congruence、辞書で調べると数学の「合同」という意味が最初に出てくるところが、この言葉を選んだロジャーズの科学者として追求し尽くした意味があるのかなと、感じました。(合同の概念を十分に理解ていませんが)一致って何だろう?非行臨床の論説が印象的でしたし、他学派の論説も載せていたりと、「何でも来い!とことん考えよう」という意気込みを感じる構成でした。修行を積みながら、読み返して理解を深めようと思います。

  • 一致について理解したいなら、そして”セラピーとは何か?”について理解したいなら、トップクラスに良い書物の一つだと思いました。分かりやすい。とにかく体感的に分かりやすい。今まで疑問に思っていたことがふーと溶けていく感じがしました。ただまだその真髄は理解しきれていないので、その骨太な芯の部分は、時折読み返して染み込ませていきたいです。(私と同じく)セラピーの初学者には間違いなく勧められる本の一冊。

  • 本を読んでいると、スポーツでいうスーパープレイを見たような、驚愕を覚える記述に当たることがある。私は本の良さとはそんな回数が多いことで測ることが出来ると考えている。本書三冊はまさにそうしたファンタジッ http://naniwa1001.blog108.fc2.com/blog-entry-253.html レビューは是非ブログでどうぞ。

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著者プロフィール

1974年、大分県生まれ。

九州大学教育学部卒業。九州大学大学院人間環境学府博士後期課程単位取得後退学、修士(人間環境学)。

現在、福岡大学人文学部。
公認心理師、臨床心理士。

「2020年 『エンカウンター・グループの新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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