専門家に相談する前のメンタルヘルス・ファーストエイド:こころの応急処置マニュアル
- 創元社 (2012年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422115559
作品紹介・あらすじ
うつ病、不安障害、精神病性障害、物質(アルコール・薬物)関連障害といった主要なメンタルヘルスの問題ごとに症状や原因などの基礎情報をコンパクトに解説し、いざというときの対応を「り・は・あ・さ・る」の5つのステップに分けて伝授する。米英ほか多くの国で使われている、オーストラリアのプライマリ・ケア国家プロジェクトのテキスト。心理・医療・保健・福祉など、メンタルヘルスにかかわる職業の方は必携です。
感想・レビュー・書評
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身近な人が精神障害を抱えたらどうしたらいいのか。周りの人はまず最初にどのように対処すべきなのか。障害の基本的理解から、周りの人が取るべき行動までを書いている。初期対処の5ステップが「りはあさる(リハーサル)」としてまとめられている(p.26)。
1 自傷・他害のリスクをチェックする(リスクのチェック)
2 判断(はんだん)・批判をせずに話を聞く
3 安心(あんしん)と情報を与える
4 適切な専門家のサポートを求めるよう伝える
5 自分でできる対処法(セルフヘルプ)を勧める
しかしこれは順を追ったステップではない。自傷・他害のリスクへの対処は、対象者との日頃のコミュニケーションのもと、十分な信頼関係ができていなければ不可能だ。というわけで、あまりこのステップのまとめ方はよくないと思う。
もちろん精神障害の種類によってファーストエイドであれ対処法が異なる。本書はファーストエイドとしての対処法を、うつ病、不安障害、精神病性障害(統合失調症、なぜか双極性障害がここに含まれている)、物質(薬物・アルコール)関連障害、自傷行為の5つに分かれて書いている。不安障害はあまりに原因や起因も様々なので、分けたほうがよいと思われる。また、自傷行為にあっては障害ですらなく、ここに並列に扱われているのはちょっと妙だ。もちろんファーストエイドとしての切迫性は大きい。
本のまとまりとしてあまりうまくない印象。ファーストエイドのマニュアルとするなら、各障害の見分け方や対処の順序などから精査したほうがよいと思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
借りたもの。
セルフセラピーやセルフヘルプの本ではなく、メンタルヘルスに不安がある人の周りの人間が、その人にどう対処すべきかを示唆する本。
専門的なカウンセリングではなく、ファーストエイド(応急処置)について、どの様なものがあるかを明記。
メンタルヘルスに支障をきたしている、うつ病、不安障害、精神病性障害、アルコールや薬物関連の障害、自傷行為というカテゴリーで、障害に対する情報と簡単な対処法を記載。
よみやすい内容で、専門的なことは一切書かれていない。
自傷・他害のリスクチェック、判断・批判をせずに話を聞く、安心と情報を与える、適切な専門家のもとへ行くように伝える、自分でできる対処法(セルフヘルプ)をすすめる……
当事者だけではなく、周りの人間の「力になりたい/力になれない」という思いに対しても有効……セラピーされている気がする。
章末や巻末の、webや本の情報が充実している。 -
7月新着
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ベティー キッチナー (著), アンソニー ジョーム (著), メンタルヘルスファーストエイドジャパン (翻訳)
主要なメンタルヘルスの問題ごとに症状や原因などの基礎情報をコンパクトに解説。いざというときの対応を5つのステップで伝授。多くの国で使われる、オーストラリアのプライマリ・ケア国家プロジェクトのテキスト。 -
すべてに共通して「りはあさる」というアイウエオ作文的な要素が。