マヤ文字解読辞典

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422202334

作品紹介・あらすじ

画家の手で古代マヤ文字が美しく再現されています。最小限の文法の学習で読めるように工夫されています。実践的な練習問題つきです。マヤ文字が書かれた石碑写真を多数掲載しているので、解読の腕だめしができます。

感想・レビュー・書評

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  • (2010.11.22読了)(2010.11.11借入)
    マヤ・アステカ・インカの遺跡を訪ねる中南米パック旅行に参加したのは、1977年のことでした。もう33年もたってしまいました。
    その時訪ねたマヤ文明の遺跡は、ウシュマル、チチェン・イツァ、コパン、の三つでした。当初の予定では、ティカルが入っていたのですが、飛行機が確保できず、コパンに差し替えとなってしまいました。帰ってきて調べてみるとコパンの遺跡というのもマヤ遺跡の中では、結構重要な遺跡であることがわかったので、ティカルの代わりとしては、妥当だったと納得しました。

    先日、テレビで古代マヤ文明についての番組を見ていたら、マヤ文字の解読の話題で、マヤ文字の80%がすでに解読されているというのでびっくりしました。
    まだまだ解読が進んでいないと思っていたのですが、世の中というのは、知らないうちに結構変わって行っているようです。
    早速、図書館でこの本を借りてきて読んでみました。
    マヤ文字は、800種類ほどあって、表音文字と表語(表意とはなっていない)文字があるそうです。この本では主に、表語文字について説明しています。同じ文字でも表現の仕方がいろいろなので、同じ文字という認識がちょっと難しいようです。
    文字の特徴をとらえて、同じと判断すればいいのでしょうが、ちょっと簡単ではなさそうです。でも文字がかなり具象的というか絵文字のような感じなので、見ているだけでちょっと楽しい感じです。

    いまさらいってもしょうがないことながら、スペインが大航海時代に中南米に入り込んだ際に、マヤ文字で書かれた大量の文書をほとんど焼いてしまったのは、残念なことです。残っていれば、もっと解読もしやすいだろうし、マヤ文明についての知識もたくさん学ぶことができたでしょう。

    ●マヤ文字(12頁)
    マヤの記述は、表意と表音の両方の側面を併せ持つ。ある文字は意味を示し、別の文字は記された言葉の特定の音をあらわす。この点でマヤの記述は、エジプトの古代文字や中国の漢字やメソポタミアの楔形文字システムに似ている。意味を表示する文字を表語文字と呼ぶ。
    ●マヤ暦の区切りの日(49頁)
    我々が生きている今の「大いなるサイクル」は、開始から約5000年後の「13.0.0.0.0 4アハウ3カンキン」に終了する。グレゴリウス暦で言うと2012年12月23日に当たる。
    ●名前(80頁)
    マヤ人は何にでも名前を付ける名人だった。彼らは、川、山、都市、建物、建造物の部分、あらゆる儀礼、そして後述するように身の回りの品々にも名前を付けた。何をするにも、何を言うにも、彼らは自らを「いつ」だけでなく「どこで」という枠内にも位置付けていたのだった。
    ●土器の文字(108頁)
    実際に古代マヤの遺跡を訪れる場合を除くと、マヤの象形文字記述に一番よく出会える場所は博物館や美術館である。展示されている古典期の上質な土器に、文字が書かれたり宣告されたりしているのである。土器のテキストの大部分にちゃんとした意味があるだけでなく、それを描いた画家や彫刻家は文字の扱いに長け、社会的にも高い地位にあったことがわかったのである。
    ●マヤ文字(176頁)
    マヤの記述システムは、私たちが考える近代的文字記述システムの姿とはかなり違って、標準化されていない。マヤの初期は、一つ一つの文字の形に独自の創造性を加味することができた。このため、例えば「ジャガー」や「空」の文字が遺跡によって異なるばかりか、ときには同じテキストの中でも違っていたりする。

    ☆関連図書(既読)
    「マヤ文明」石田英一郎著、中公新書、1967.03.25
    「マヤ文字を解く」八杉佳穂著、中公新書、1982.03.25
    「マヤ文明・インカ文明の謎」落合一泰・稲村哲也著、光文社文庫、1988.07.20
    (2010年11月25日・記)

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