錬金術:秘密の「知」の実験室 (アルケミスト双書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (61ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422214733

感想・レビュー・書評

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  • 美しい図版を沢山使った錬金術の入門書です。最初にヘルメス・トリスメギストスのエメラルド板の全文が掲載されているのが素晴らしいです。それに錬金術でも殆ど知られていない植物錬金術についても解説されています。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • ・自然に帰れ
     錬金術師にとって、「自然」の中にある生命を与える普遍的な原質は「精気(スピリット、精神)」であり、万物が独自にもつ本質は、その「魂(ソール)」である。これに第三原質である「肉体」が加わり、「トリア・プリマ(三原質)」を形成する。

    ・化学の結婚
     この野獣的なサイクルから逃れるためには、調和が達成される以前に、本質的でない、必要としないものを取り除かなければならない。つまり、総体から微細なるものを分離するのだが、「魂」と「精気」が物質的な状態で繋がれている限り、両者は自由にならない。とくに難しい話ではない。真の「自己」と「肉体をもつ自分」とをまったく同じものであると強く認識すると、すなわち、そこに同一性を認めると、われわれは死すべき肉体と死をわかち合わなければならない。したがって、同一性を認めるのは誤りであり、この同一性が破棄されなければ、真の「自己」が明らかにならない。

    ・オプス・マグナム(大いなる作業)
     「大いなる作業」の目的は、「絶対者」との結合そのものである。しかしながら、このプロセスが開始される直前においても、「精気」と「魂」は下位レベルで再調和しなければならず、このとき下位レベルそのものの服従がすべての面で求められる。目的地を目指す旅行者が、財力、能力のすべてを使い果たしたとき、そして、これ以上作業を続けても「原物質」から何も得られないと認識したとき、そこからこそ「大いなる作業」が始まる。錬金術師たる者は、独力で行い、他人の助けは借りない。

  • 後半に実際の錬金術師がやっていた手順とかを紹介していて新しい…と思った。私が見たことないだけかもしれませんが。

    p.p.16
    科学者は作り出す薬剤を、生命を失った植物から精製した単なる化合物と考えるが、錬金術師にとって、彼らが作り出す化合物は、精製される前の原木よりも生気のあるローズマリーのイデア(観念)である。この霊薬はローズマリーのイデアに共鳴しているのだ。
     錬金術師はこうした異常な考えを抱いているのだが〜」
    …とあって辛辣すぎて草。

    錬金術のいう「硫黄」や「水銀」は観念的なもので実際の硫黄や水銀ではないんだろうか…。植物水銀とは…
    硫黄が魂であり、水銀が精気ということなら植物水銀とは「植物の精気」くらいの意味?

    アルカエウスの説明がさっぱりわからなかったので別の手段で調べたい。

    バスマスっていうインドの薬、亜鉛サプリと考えて差し支えないのかちょっと危ないやつなのか知識がなさすぎてわからない…。


    錬金術の格言「ora, lege,lege, lege,relege, et labora」は誰がいったんだろう…
    追記)ベネディクト会のモットーって出てきたぞ…

    430

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00542361

  • 知識の集大成
    もしくは
    衒学的 な象徴

    広く錬金術の歴史を象徴的 な図をもちいて説明している
    分岐し発展した その後の技術は別の書籍に譲ることになるだろう

    入門書としていいかもしれない

  • 錬金術好きの私にとっては、とても興味深く、尚かつ
    今まで知る事のなかったものを、知る事が出来ました。
    面白く、知的好奇心を満たしてくれる本でした。

  • 錬金術といえば、怪しげなことをやっていたというイメージがあるが、これを読んでその背景にある思想を初めて知った。
    ニュートンもこれをやっていたのかと思うとどうかとは思うが。

  • 本自体は薄いので読みやすそうですが、意外と読むのに時間がかかる本。
    図が豊富にあるので分かり易いです。
    また「ヘルメス・トリスメギストスのエメラルド版」の邦訳があるのがちょっと感動。

  • 090528

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