本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)

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制作 : 前泊 博盛 
  • 創元社 (2013年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422300528

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)の感想・レビュー・書評

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  • 薄々は感じていたさ。日本はアメリカの属国じゃないのかって。
    属国どころじゃなかったよ。敗戦後のGHQによる占領期と
    なんら変わってないんだよな。

    今はGHQじゃなくて、「在日米軍」って呼び方が変わっているだけ。

    本書は「高校生でも分かる」をコンセプトに企画されたシリーズ
    もの第2弾。テーマは「日米地位協定」である。

    先日、姪に「なんでアメリカの軍隊が日本にいるのか」と聞かれて
    日米安保条約と日米地位協定を説明しようとした。ところが、自分
    の頭の中でこのふたつがごっちゃになっていることに気付いて
    勉強し直した。

    Q&A方式で一見分かりにくい日米地位協定について実例を引き
    ながら詳細に解説している。

    日本のどんな国内法より、日本国憲法よりも上位に位置している
    この協定がある限り、日本は「独立国家」なんて言えたもんじゃない。

    在日米軍の人数がどれくらいか日本政府が把握していないのは
    勿論、米軍基地からの出入国なんてオール・フリー。どんな人物が
    いつ入国して、いつ出国したのか。まったく分からない。

    きっとCIAがうじゃうじゃいるんだ~。と、頭の中で陰謀論が発生
    しそういなったよ。まぁ、満更外れてはいないのだろうけれど。

    「思いやり予算」という根拠のない上納金は言うに及ばず、在日米軍
    所属の人間のすることなら犯罪だろうと日本の司法は手を出せない。

    先日、政治家のテレビ討論を見ていた。テーマは集団的自衛権の
    行使について。この番組で自民党のエライ人が「集団的自衛権の
    行使はアメリカの希望だ」みたいなことを言っていた。

    アメリカの為に自衛隊に戦争をさせ、アメリカの為にTPP交渉に
    参加する。あぁ、図らずも日本の政治家の「アメリカ様様」の姿
    を見てしまったよ。

    なぁ、そんなにアメリカが大事?「日米同盟」というけれど、日米地位
    協定が現行のままじゃ日本とアメリカは「対等」ではないよね。

    アメリカ国内では禁止されているオスプレイの低空飛行訓練も、
    日本国内じゃOKっておかしいでしょ。しかも、あいつら、大気や
    土地を汚染する物質を日本の基地に持ち込めるし、万一、汚染が
    ばれた場合も原状回復の義務がない。除染等は日本政府が
    費用を持つのよ~。キーッ。

    「在日米軍基地の問題なんて沖縄だけの問題じゃないの?」って
    思っていたら大間違い。フェンスの向こう側以外でも、在日米軍という
    特権は有効なのだ。

    原爆を落とされ、無条件降伏し、GHQに占領され、戦後復興で
    経済大国になればアメリカに貢がされ。

    日米地位協定と日米安保条約の全文並びに解説も掲載されて
    いるので、今一度、日本とアメリカの関係を考えるのに最適。

  • 共通教育センター教員推薦図書

  • 全国民、必読の書。
    ただ、一点。Q&A14で、砂川判決の統治行為論を根拠に、アメリカとの条約が憲法よりも上位にあるとしている箇所はいささか議論が雑ではないかと感じた。現実に起こっている事象からしてそう結論したくなる心情はわかるが、本書のタイトルにも関連する大事な論点だったはずなので、もっと丁寧に議論してほしかった。

  • 米兵が少女を強姦・殺人しても、加害者の人権が被害者よりも尊重されます。オスプレイが皇居に墜落しても、エリアは封鎖され日本人は排除されるでしょう。現行法や憲法を超える規定が日米地位協定です。独・伊などの敗戦国にも見られない米優位の協定の実情を明らかにします。ただ、問題の所在は日本側でしょう。密約にし、責任を逃れ、保身に走る政治家・官僚が付け入るスキを与えているのではないですか?機密文書の公開義務は民主主義の根幹と知りました。

  • いつまでもアメリカの意向を気にして、いつも何かを押し切られ続けているのを、どうしてなのかと素朴に感じ続けていました。
    原因が、敗戦にあるのはわかっているものの、それでもなぜ?と思っていた謎が、一冊で全部解けます。

    団塊世代は豊かな日本を作ってきた、ということになっていますが、大事なことを棚上げしたまま30年ほどたってしまったように感じます。

    「失われた10年」とばかり目を向けられてきましたが、実際は、「取り戻せない70年」が続いていることがよくわかります。

    東アジアの国が攻めてくることより、何か動きがあって、日本の主要都市のインフラをアメリカが封鎖することの方が、現実におきる可能性が高いのでは、と思わされてしまいます。

  • ○この本を一言で表すと?
     客観的な情報から極端な意見に走る、日米関係の本


    ○興味深かった点
    ・極端な意見はともかくとして、今までにあった事件や条約等の内容について今まで知らなかったことに触れることができてよかったです。

    ・治外法権的な地位が在日米軍に文章上も与えられ、入国・出国の自由、裁判権の対象外、制空権などを在日米軍が確保している話はその権限の大きさに驚きました。ニュースで在日米軍の兵士の犯罪が出ても裁けなかったという話がちょいちょい出ていましたが、その理由を理解できました。返還前における沖縄での事件の多さには驚かされました。また日本の旅客機の航路が変だなと思っていましたが、その理由が米軍基地の制空権のある地域を避けていたためというのは前に人伝にきいたことがありましたが、詳しく知ることができてよかったです。

    ・憲法の勉強をしていた時に、裁判権が立法権や行政権に関わる「高度な内容」には踏み込まないという最高裁判例がいくつも出てきましたが、その大元にアメリカの意向がかなり露骨に反映され、最高裁判所長官や検察庁のトップが用意された原稿を読まされていて、その判例が現在にまで活きているというのはなかなか考えさせられる話だなと思いました。

    ・日米安保条約、日米地位協定と、外務省のマニュアル「日米地位協定の考え方」の内容を知ることができ、どのような内容が設定され、どのような運用がなされてきたかを詳しく知ることができてよかったです。


    ○つっこみどころ
    ・全体的にかなり偏りのある文章だなと思いました。「戦後史の正体」でもそう思いましたが、「戦後史の正体」とはまた違った方向の「Aは○○である、Bは○○である。よって全て○○である」というような極論や、事実から思い切り飛躍した結論を出すところはトンデモ本の領域かなとも思いました。条文や資料に関する事実と著しく客観性に欠ける意見を読み分けるのが大変でした。

    ・歴史上、「定められていること」「文章上可能なこと」と「為し得ること」が異なることは結構あったと思いますが、この本の著者は「こう定められている=きっとこうする」と混同して考えている気がします。

    ・「こんな国は日本以外にない」という記述がかなり散見されましたが、他の国がどうなっているかを調べずに書いているのではないかと思いました。勢いで筆が滑り過ぎではないでしょうか。

  • 日米地位協定自体の不平等ぶりと、その協定にさえない、より不可思議な不平等な話。
    アメリカ人のほとんどが、沖縄自体を知らないのではないかという。アメリカの無関心が、この協定の改訂へのハードルの一つ、ではあろうけれど、とうぜんもう一方の我が国側でどんな力が働いているのか。それこそ原子力問題と似た構図がある。
    ところで、民主党政権がオスプレイ配備に対して、日本からはどうしろこうしろという話ではない、と言ってしまったが、これは図らずも地位協定による権利(の無さ)を白日のもとにさらしたわけで、自民党だったら「厳重に抗議する」などという演技をして、バレないようにしたのであろう、と。さて、では今度の政権は、どうやって「日本を取り戻す」のであろうか。それはそれで、怖いのだ。

  • 同内容の繰り返しが多い。内容としては良かった。 地位協定の内容、設立経緯、安保条約、講和条約との関係。敗戦後からの歩み。他の敗戦国(ドイツ、イタリア、韓国)の地位協定の運用例。日本の法治システム・対米従属路線への問題提起。 日本の戦後の歴史をもっと知らなけらば、と思わされる内容だった。

  • アメリカに金玉を握られている状態の日本の実態を認識できる本だ.フィリピンの政治家がアメリカと対等に交渉できるのに,日本の政治家はどうしてそれができないのか.それを考えてみると,鳩山さんの突飛な発言は重要だったと感じてきた.1952年のサンフランシスコ講和条約と引き換えに結んだ安保条約で,日本の独立はうやむやにされた訳だ.この状態を打破する気概のある政治家はいないのか.嘆かわしい.

  • 本書を読んで驚くことがたくさんあったし、自分の無知を知った。
    日米地位協定とは「日米安全保障条約に基づく在日米軍とその軍属の地位に関する協定」であり、その前身は日米行政協定である。
    戦後体制のサンフランシスコ講和条約、安保条約、行政協定という三重構造の一部である。
    敗戦国である日本は、戦後どのような状況でこれらの条約に調印したのかという事実もとても衝撃的だった。
    安保条約は、吉田茂一人で調印したのである。
    それも直前まで内容を知らされていなかった。
    それが、現在の日米地位協定に至っている。
    その内容がまたしても驚愕である。
    米軍に対して、日本の法律が適用されないというあまりにもひどい不平等条約だ。
    米軍の支配空域の広さ、米兵が起こした事件の賠償を日本がしていること、日本国内にいる米軍の数を把握できていない現状。
    特に驚いたのが、米軍関係者は「出入国自由の特権」が与えられていること。
    基地の敷地内は実質的にアメリカ国内として扱われているので、そこから飛び立ったり、到着する場合は何のチェックも受けない。(日米地位協定 第九条2項)
    読めば読むほどため息が出てしまう。
    けれども、ASEAN加盟国には現在米軍基地は存在しない。
    しっかりとした交渉をすれば、いくらアメリカでも無理強いはできないだろう。
    そして、安保条約は一年ごと自動延長されているので、その気になれば、破棄することも可能である。
    また、日米地位協定を運用するためのマニュアル「日米地位協定の考え方」というものが存在する。
    これは、機密文書であったのだが、琉球新報が全文を入手し、2004年に紙面で公開した。
    この時、外務省がその存在を認めて方向転換をすることはできなかったのだろうか。
    そうすれば、現政権での集団的自衛権の行使容認と言うことにはならなかったと思う。
    何故、阿部首相は違憲と言われれる集団的自衛権を容認したのだろうか。
    憲法は国の最高法規であり、その位置付けを認識していないのではないかと思ったりもしたが、本書を読んで、政府は行政協定の位置付けを我々が思っているのと違った解釈をしているという可能性があることに気付いた。
    そのことが今回の問題の根底にあるようにも思う。

    米軍が希望すれば、日本全国どこでも米軍基地になる可能性がある。
    (そうでなくても当然だが)米軍基地の問題は沖縄を始め、現在基地のある地域だけの問題ではない。
    経済的にも基地がなくなることによって、何倍にも繁栄するという実績がある。
    米軍が駐留するメリットは本当にあるのだろうか。
    デメリットを考えたらそうは思えない。
    もっと議論して、真剣に考えてほしいと思う。

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原発再稼働、不況下の大増税、オスプレイ強行配備、TPP参加、憲法改正…日本はなぜ、こんな国になってしまったのか?「戦後日本」最大の闇に迫る。

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)はこんな本です

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