翻訳できない世界のことば

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制作 : 前田 まゆみ 
  • 創元社 (2016年4月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

翻訳できない世界のことばの感想・レビュー・書評

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  • 読んでいてとても楽しい、魅力的な本。
    イラストレーターでもある著者が若い女性のせいか、どちらかと言うと
    情感豊かな言葉に偏った気もするが、それでも楽しい。
    翻訳できない言葉の奥に、その国の歴史や文化が垣間見えてくるし、
    その言葉を使う人々の暮らしに想像を巡らすという楽しみもある。
    その上、手描きの文字とイラストが暖色系で可愛らしい。
    イヌイットの棲み処である「イグルー」も、この著者の手にかかると妙に可愛い。

    日本語からは【木漏れ日】【ボケっと】【侘び寂び】【積読】がチョイスされ、
    その説明には舌を巻いた。
    いやぁ、侘び寂びをこんな風に解釈したことがなかったな。
    【生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと】
    ですと。・・しかも、読むとそんな気になってくるし・(笑)

    ブラジルには【愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ】を名付ける【カフネ】と
    いう名詞があるという。なんと官能的な!ああ、クラクラしてくる。
    アルコール好きな国民が目に浮かぶ、【ウィスキーを一口飲む前に、上唇に感じる
    妙なムズムズする感じ】を表す【スグリーブ】というゲール語もあるのが笑える。
    同じく笑ったものは、マレー語の【ピサンサブラ】。
    これは、バナナを食べる時の所要時間であるらしい。大体2分だと言う。
    アラビア語の【グルファ】は【片方の手のひらに乗せられるだけの水の量】だと
    言うから、灼熱の地でその貴重な水で喉を潤す人が見えてきそうだ。

    傍らに置いてつれづれにページを開き、開いたところを読んで何度も楽しめる。
    イラストの日本語の文字に誤字が多いのが玉にキズ。
    言葉を扱った本なのだから、もう少し丁寧な編集が欲しかった。。

    それでも素敵な一冊だから、友人の誕生日プレゼントにしようかと考え中だ。
    最初と最後に寄せられた著者からのメッセージも、慎ましくてとても素敵。

  • 絵本のような装丁で情報量は決して多くないですが、ぱらぱらとページをめくる度に柔らかな色彩のイラストとともに新しい発見があります。
    少数精鋭で選ばれた言葉のなか、日本語は最多出場タイの4つが登場しています。作者の琴線に引っ掛かるものがあったのでしょう、中には本好きには耳が痛い単語も…。

    他の言語では訳せない言葉だからこそ、その国や地域特有の光景や文化が言葉から伝わってきます。景色を表現する言葉はつい想像を膨らませ、いつか足を運びたいと思うほど羨ましく感じるものもありました。また、日本固有の言葉に込められた文化や所作も大切にしていきたいと思います。
    ユニークな切り口でまとめられた本。他の言葉ももっと知りたい。

  • 偶然聞いていたラジオ。
    【翻訳できない 世界のことば】
    その書名の響きが心に残る。
    図書館で検索をかけたら、ありました!
    貸し出し中だったので、さっそく予約!

    書名だけを聞いたので、どんな本かわからぬまま手に。
    著者は20代の女性。イラストレーター。

    他国の人に説明するのは難しい日本語はたくさんある。
    考えてみると、日本語に限ったことではないよね。
    日本語に簡単に訳せない世界のことばはたくさん!

    この本に掲載された翻訳できない言葉は51。
    知らなかった言語も。

    翻訳できない日本語って何だろう…?
    想像しながら読んでみる。

    この本では4つ。
    『木漏れ日』
    『ボケっと』
    『詫び寂び』
    そして、そして、『積ん読』

    『詫び寂び』は、説明できないと聞くことがあるので、うん、うんと思いましたが、『積ん読』は思いもよらなかった!
    20代の著者ならではの気もする。

    2ページに1語とイラスト。
    楽しみながら読みました。

    この本のカテゴリは何だろう?と思いAmazonを見てみると、”外国語学習法”、”旅行会話集”でした。
    ちょっと無理やり???

  • 「apple=りんご」のように1語対1語で翻訳できない言葉たちを、カラフルなイラストと共に紹介した大人の絵本。

    まさに「積ん読」してましたが、本日読了。
    先に続編の『誰も知らない世界のことわざ』を読んだのですが、個人的にはこちらの方が好みです。

    “それ”を表す言葉がある、ってことは、つまりその言語を話す文化圏の人にとっては“それ”が特別だということ。
    日本語の「ボケっと」を「何も考えないでいることに名前をつけて大切にしているのってすてきだね!」なんて言ってもらえると、何だか嬉しくなってしまいます。
    そんな、様々な言語の「すてき」を見つけていくのが本当に楽しい!

    読み終わるのが勿体なくなる1冊でした。

  • 他の国のことばではそのニュアンスをうまく表現できない「翻訳できないことばたち」を世界中から集めて、素敵なイラストとともに1冊の本になった。
    日本語からは「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」が。確かに翻訳できないが、この表現しかできないことばたち。
    「積ん読」になってたが、「ボケっと」しながら読んだ。「木漏れ日」の中にいるような温かさ、表現できない「わびさび」の世界を感じられる本。

  • 邦題より原題が素敵だ。

    「Lost in Translation」

     ソフィア・コッポラの監督デビュー作(だったと思う)の映画と同じタイトル。この映画でスカーレット・ヨハンソンを知ってファンになったんじゃなかったかな。そんなところでも好きな映画の一つ。
     外国人が日本で(というか異国で)暮らす中、言葉の通訳で意思の疎通が上手くいかないということをモチーフにして、人と人のコミュニケーションのすれ違い、言葉だけでなく、相手の気持ち、自分の気持ちを伝えあうことですら、送る側受ける側で、けっして同じニュアンスで伝わっていないことを揶揄しているストーリーだった(と理解している)。

     そんなことを思い出しながら、本書で紹介されている51の単語をひとつひとつ眺める。言語の種類は30種類ほど。その言語ではひと言で表現できるが、多言語ではそのニュアンスが伝わらない、あるいは多くの言葉を費やさないと正しく理解してもらえない単語が並ぶ。

     例えば、スウェーデンには「水面に映った道のように見える月明り」をひと言で表す単語(mangata/モンガータ)がある。あぁ、素敵だなぁと思う。なぜ、その言葉が出来たのだろうかと、北欧の長い夜に想いが飛んでいく。バルト海、ボスニア湾には穏やかに波が立ち、月明かりが美しい道を海面に描いているのだろう。
     そしてその思いを補うように味わいあるイラストがひとつひとつの言葉に添えてある。

     そういえばと、ロシアに語学留学した後輩が日々の課題に追われ、寝る間も惜しんでロシアの小説を読み込んでいるときに出てきた未見の動詞を辞書で引いた時、「小さな女の子がスカートの裾を摘まんで片足を後ろに引いて膝を少しまげて会釈すること」という意味と知った瞬間、「んな単語、一生使うかー!」と辞書を壁に投げつけたという話を思い出したりもした(笑)
    (残念ながらロシア語で紹介されているのは別の単語だった)

     そう、言葉は民族の文化、思想だ。
     仏の小説家アルフォンス・ドーデの「最後の授業」で主人公は「一つの国民が奴隷となっても、その国民が自分の言葉を持っている限りは牢獄の鍵をもっているのと同じなのです」と語る。
     そんな”鍵”の数々が、この本の中には素敵なイラストと共に、陳列されている。

     日本語は、何が載っているかと言うと、
    「木洩れ日」「ぼけっと」「侘び寂び」、うーん、ちょっと違うような、というか、もっと他にあるような気もする。もう一つが「積ん読」。これんなんか、「積んでおく⇒積んどく⇒積ん読」というダジャレから来ているというニュアンスが果たして著者である20代イラストレータのEllaは理解していたかな、とちょっと心配になる。
     彼女のサイトはこちら。
    http://www.untranslatablebooks.com/
     素敵なイラストで、それを見ただけでも本書は手に取りたくなる。

     ゆっくりゆっくりと時間のある時に、チラチラと読みながら、その言語を使う人たちが、どんな想いでその単語を生み出したのか、どんな環境にあれば、その状況、感情を、ひとつの言葉で言い表したくなるのだろうかと想像を膨らませたいと思う。

     commuovere(涙ぐむような物語にふれたとき感動して胸が熱くなる・Italian)というほどのことはないが、いろんなことを考えさせてくれる心が豊かになる良書だ。

    ※カテゴリは悩んだけど「詩集」が似合いそう。

  • あぁ、なんて世界は言葉で満ち溢れているのだろう。
    てっきり辞書絵本のようなものを想像していたのだが、その言葉の意味だけでなく使っている人々や光景をも想像させる本であり、久しぶりに言葉を噛み締めつつ読み終えた。
    旅行本ではないのに、世界を旅した気分。
    絵も素敵だし、本好きな人にプレゼントしたくなった。

  • 他言語に簡単には翻訳できない言葉…

    そこには独特の文化が隠されているようでドキドキします。

  • この本は「その感覚はわかる!」だけど、英語に翻訳するのはちょっと難しい
    という世界の言葉を集めて、ナイスなイラストと一緒に紹介している本です。
    装丁も選ばれている言葉もイラストもいい感じなのでプレゼント用の書籍としてもいいかもです。
    この本の中で私が面白いなぁと感じたいくつかの「世界の言葉」を以下に引用します。

    SAMAR サマル アラビア語
    日が暮れた後、遅くまで夜更かしして、友達と過ごすこと
    GEZELLIG ヘゼリヒ オランダ語
    単に居心地良いだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の『心』が快い感覚。愛するひとと共に時を過ごすような。
    MERAKI メラキ ギリシャ語
    料理など、何かに自分の魂と愛情をめいっぱい注いでいる。
    KILIG キリグ タガログ語
    おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことや、素敵なことが起きた時に感じる
    JUGAAD ジュガール ヒンディー語
    最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること
    HIRAEYTH ヒラエス ウェールズ語
    帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても
    KOMOREBI コモレビ 日本語
    木々の葉のすきまから射す光。
    UBUNTU ウブントゥ ズールー語
    本来は「あなたの中にわたしの価値を見出し、わたしの中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人のやさしさ」を表す
    WABISABI ワビサビ 日本語
    生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見いだすこと
    AKIHI アキヒ ハワイ語
    誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れた時、「アキヒ」になった、と言う。
    IKTSUAPPOK イクトゥアルポク イヌイット語
    誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること
    WALDEINSSAMKEIT ヴァルトアインザームカイト ドイツ語
    森の中で一人、自然と交流するときのゆったりした孤独感。
    KALPA カルパ サンスクリット語
    宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと。

    ジュガールとウブントゥが特に気に入りました。
    2017/10/22 11:16

  • 翻訳できない、は上手く1対1に出来ない、くらいの意味です。
    で、元が英語圏なので、そういう事を言い表す適当な語・言い回しが英語にない、という感じですね。
    例えば、ヤガン語「マミラピンアタパイ」は「同じことを望んだり考えたりしている2人の間で、何も言わずにお互い了解していること。(2人とも、言葉にしたいと思っていない)」なのですが、日本語だと「以心伝心」とか「暗黙の了解」という奴なのでは……とか思いました。
    日本語からは「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」がチョイスされていました。積ん読(≧∇≦)

    これ、ラジオとかで5分間番組とかにできそう……
    そしてその方が元の言葉が脳に残りそう。

    訳者・日本語描き文字 / 前田 まゆみ
    デザイン / 近藤 聡、中野 真希(明後日デザイン制作所)

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翻訳できない世界のことばの作品紹介

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。世界7カ国で刊行予定。

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