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翻訳できない世界のことば

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制作 : 前田 まゆみ 
  • 創元社 (2016年4月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

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翻訳できない世界のことばの感想・レビュー・書評

  • 一語では英語に翻訳できない世界の言葉を集めイラストを添えた本。日本語ならごく微細なニュアンスの違いはあっても一語で表わせるものがちらほら。主語を省いても通じる日本語だからこそで、日本語ってとても柔軟で優れた言語なんだなあと思う。
    絶滅寸前の民族のものなど、名前も聞いたことのない言語から採られているものも多く、著者の情熱がうかがえる。
    ただ若い女性だけあって、チョイスに偏りも。翻訳できるかどうか以上に単純に意味としてのロマンティックさ(特に恋愛方面の語)を重視している節があり、とぼけた味わいのことばたちはかすんでいるのが勿体ない。
    私は例えば以下のようなことばの方に面白みを感じた。

    「トレップヴェルテル」……あとになって思い浮かんだ当意即妙な言葉の返し方
    「コティスエルト」……シャツの裾を絶対ズボンの中に入れようとしない男の人
    「グルファ」……片方の手のひらに載せられるだけの水の量
    「ポロンクセマ」……トナカイが休憩なしで疲れずに移動できる距離

    下の二つなどは測量が測量として機能していない感にあふれているが、こうして名がつくからには現地の人々の間では会話と把握が成り立っているのだろうというところにロマンを感じる。

    (カズハ)

  • 何より面白いのは、これらの言葉たちを感覚的に理解出来るのはそれを母国語とする人だけってことだな。「木漏れ日」の情緒を理解出来るのは日本人だけだったりして。

  • 日本に『積読』という言葉が生まれた理由があるように、ほかの国のどの言葉にも、生まれた理由があるんだろうな。それを考えるだけで、すごく遠くに行ったような気分になるのが不思議だ。
    肌についた締めつけあとを、一言で言い表したかった理由ってなんだろう。どうしてもそれを見せたかった誰かがいたのかなあ。

  • 他の言語で言い表せない各国の興味深い単語を取り上げて、絵とちょっとした文章で説明している「絵本」。

    数ページ読んだときには、「もう少し具体的に、他の言語とはどう違うのかとか、用例とか、そういうのがあったほうがいいのに」なんて思ったんですが、ページをめくっていくうちに、あぁ、これは、読んだ人が頭のなかでいろいろな想像を巡らせるためにちょうどいい分量なのかも?と思い始めました。

    そして、この本、一人で読むんじゃなくて、いろいろな国の人達と一緒に読みながら、その言葉について思いついたことを話し合ったりしたら楽しそうだな、とも思いました。

    例えば、ドイツ語の「Drachenfutter/ドラッヘンフッター」。直訳すると「龍のえさ」。でも、意味合いは、旦那さんが奥さんの機嫌を取るために贈るプレゼントなのだそうだ(笑)。
    日本でも、悪いことを隠すために奥さんにおみやげ買って帰るとかあるけど、それを一言で表す単語はないよね。それに、日本では、怒ってる奥さんを表すのは指でツノを作って表したりする。それって「鬼」ですよね。ドイツでは、怒ってる奥さんは「ドラゴン」で、日本では「鬼」。きっと、他の国では違うもので表しているんだろうなぁなんて想像すると面白い。発表しあったら、きっと盛り上がる(笑)。

    アラビア語の「グルファ」。片方の手のひらに乗せられるだけの水の量、という意味なのだそうだけど、なぜこんな単位が必要なのかと考えると興味深い。私達の生活より、ずっと水が大切なものなのかもしれないなぁ、とか考えさせられる。

    へー、と流してしまうようなページ(言葉)もあるけれど、じっくりと考えてみたい言葉もある。こんな言葉を集めることができた著者の方の感性は素敵ですよね。


    イラストレーターでもある著者さんが描いた絵もいい感じ。
    そして、その絵に添えてある日本語の手書き文字が、またステキ。訳者さんが描いたらしい。
    そして、はじめに、本文、あとがき、などで使われている手書き風のフォントがいい味です。このフォント、ほしいっ!

    図書館で借りてきて読んだのですが、この本は、自分で購入して、本棚に入れておいて、たまに取り出してめくりながらニヤニヤするのが正しい付き合い方だと思う。

  •  特に印象に残ったのは、「commuovere|コンムオーベレ(イタリア語)」と「kilig|キリグ(タガログ語)」。
     訳の前田さんがあとがきで書かれていたが、タイトルの「翻訳できない」は、厳密に言うと1語対1語で英語に翻訳できないという意味合い。

  • イラストも素敵だった

  • 絵が多いので絵本にしたけれど,もちろん言葉が面白い.所変われば品変わる.

  • 世界にはたくさんの言葉が溢れている。
    その場所の文化や気候の中で生まれた言葉は興味深い。
    イラストも素敵。



    ハワイのことばアキヒ
    「誰かに道を教えてもらい、歩き始めたとたん、
    教わったばかりの方向を忘れたとき
    『’AKIHIになった』と言う。

    大体、来た道を戻ることができない私に
    聞いた道を進むだなんて!!!
    難易度高すぎ。

    アキヒ、いただきました。

  • 読んでいてとても楽しい、魅力的な本。
    イラストレーターでもある著者が若い女性のせいか、どちらかと言うと
    情感豊かな言葉に偏った気もするが、それでも楽しい。
    翻訳できない言葉の奥に、その国の歴史や文化が垣間見えてくるし、
    その言葉を使う人々の暮らしに想像を巡らすという楽しみもある。
    その上、手描きの文字とイラストが暖色系で可愛らしい。
    イヌイットの棲み処である「イグルー」も、この著者の手にかかると妙に可愛い。

    日本語からは【木漏れ日】【ボケっと】【侘び寂び】【積読】がチョイスされ、
    その説明には舌を巻いた。
    いやぁ、侘び寂びをこんな風に解釈したことがなかったな。
    【生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと】
    ですと。・・しかも、読むとそんな気になってくるし・(笑)

    ブラジルには【愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ】を名付ける【カフネ】と
    いう名詞があるという。なんと官能的な!ああ、クラクラしてくる。
    アルコール好きな国民が目に浮かぶ、【ウィスキーを一口飲む前に、上唇に感じる
    妙なムズムズする感じ】を表す【スグリーブ】というゲール語もあるのが笑える。
    同じく笑ったものは、マレー語の【ピサンサブラ】。
    これは、バナナを食べる時の所要時間であるらしい。大体2分だと言う。
    アラビア語の【グルファ】は【片方の手のひらに乗せられるだけの水の量】だと
    言うから、灼熱の地でその貴重な水で喉を潤す人が見えてきそうだ。

    傍らに置いてつれづれにページを開き、開いたところを読んで何度も楽しめる。
    イラストの日本語の文字に誤字が多いのが玉にキズ。
    言葉を扱った本なのだから、もう少し丁寧な編集が欲しかった。。

    それでも素敵な一冊だから、友人の誕生日プレゼントにしようかと考え中だ。
    最初と最後に寄せられた著者からのメッセージも、慎ましくてとても素敵。

  •  その国では、1つの単語としてあるのに、他の国ではそれに対応する1つの単語がない、翻訳できない言葉を集めた1冊。
     「詫び寂び」「積読」など、日本語も載ってます。
     私が好きだったのは、スウェーデン語の「mangata」かな。
     マレー語の「pisang zapra」もおもしろい。

     見開きで1つの単語、かわいいイラストで紹介されてて、すごい分かりやすいし、絵本のような雰囲気ではあるけれど、この本を作成するには、本当にいろんな国の言葉を知らないといけないわけだから、作者さん、すごいなぁ。

  • おとなむけ絵本かな。
    書名どおり、一語では翻訳できないことばを世界中からあつめ、まとめている一冊。
    イラストが素朴でお洒落でとても素敵な雰囲気をつくりだしています。
    これまで情緒としてぼんやりととらえていたものが、どこかの国ではきちんとした言葉、単語になっているって不思議な感じがするな。
    私はけっこう北欧の言葉が好きかもと思いました。

    p26 FIKA
    みんなでコーヒーをのんでまったりする休憩時間に名前がついてるなんて。
    p52 TREPVERTER
    あとから思い浮かんだ当意即妙な言葉の返し方。
    あるある。響きも可愛らしい。
    p60 RESFEBER
    不安と期待がいりまじってドキドキする気持ち。
    p62 TIAM
    はじめてその人に出会ったときの自分の目の輝き。
    自分の目の輝き、ってところがすごい。感情とはちがう。あえて客観的なところが素敵。
    p68 PORONKUSEMA
    トナカイが休憩なしで移動できる距離、の名称。国特有だなぁ。ちょっとほっこり。
    p86 FORELSKET
    語れないほど幸福な恋におちている状態なのに、その状態に名前がついてるのがおもしろい。
    でもこの一語でぜんぶ察してください!って感じで逆にいいかも。

  • 木漏れ日が世界にない言葉なんてはじめて知った。
    世界にない日本語はもちろん、のっててうれしいものでしたが、他の国にあるその国だけの言葉も、あぁわかるな、ってこともあり、え、そんなのにも、ってこともあり、でも、絵も相まってか、どの言葉もすごくキラキラして、うきうき楽しくなりました。

  • 作者website: http://ellafrancessanders.com

    19
    meraki メラキ(形容詞)ギリシャ語
    料理など、何かに自分の魂と愛情を目一杯注いでいる。精一杯尽くせば、結果は良いものになります。小さなことにでも情熱を注ぐことに価値を置くのがギリシャの文化です。
    21
    kilig キリグ(名詞)タガログ語
    お腹の中に蝶が舞っている気分。大抵ロマンチックなことや素敵なことが起きた起きに感じる。一度この気分になると、まともに物が考えられず、どんなことにも微笑んでしまうし、胃の奥の方からわくわく感がこみ上げてきます。
    25
    jugaad ジュガール(名詞)ヒンディー語
    最低限の道具や材料でとにかくどうにかして、問題を解決すること。
    31
    tima ティーマ(動詞)アイスランド語
    時間やお金があるのに、それを費やす気持ちの準備ができていない。
    37
    kummerspeck クンマーシュペーク(名詞)ドイツ語
    悲しいベーコン。食べ過ぎが続いて太ること。
    41
    vacilando ヴァシランド(動詞)スペイン語
    どこへ行くかよりも、どんな経験をするかということを重視した旅をする。
    53
    trepverter トレップヴェテル(名詞)イディッシュ語
    言葉の階段。後になって思い浮かんだ当意即妙な言葉の返し方。悔しいことに、その場を去ってから市場に胃返し方が思い浮かびます。皮肉で意地悪で、思わず笑えそうなのが。角を曲がってしまってから、もしくは階段を下りきってしまってから思いつくのです。
    64
    ya’aburnee ヤーアブルニー(名詞)アラビア語
    あなたが私を葬る。その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたいという美しく暗い望み。この言葉はロマンチックと病的の中間にあります。そしてこれは誰かにいかにその人を好きで執着しているかを伝える、最も美しくて不穏な方法です。
    71
    warmduscher ヴァルムドゥーシャー(名詞)ドイツ語
    冷たい、または熱いシャワーを避けて、ぬるいシャワーを浴びる人。少々弱虫で、自分の領域から決して出ようとしない人をいう。自分の挑戦せず、快適なところにいて、家にずっとこもっているのは簡単です。でも、私たちは、やっぱり挑戦しては失敗するし、信じる者のために飛んでみて、床に顔をぶつけたりするもの。だから、冷たいシャワーの一つや二つ、浴びに出かけましょう。
    73
    nunchi ヌンチ(名詞)韓国語
    他人の気持ちを密かに汲み取る、細やかな心遣い。
    75
    akihi アキヒ(名詞)ハワイ語
    誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れた時、「アキヒになった」と言う。
    83
    szimpatikus シンパティクシュ(形容詞)ハンガリー語
    誰かと初めて出会って、直感的にその人が良い人だと感じる時、その人はシンパティクシュだと表現する。
    95
    kabelsalat カーベルザラート(名詞)ドイツ語
    ケーブルサラダ。めちゃめちゃにもつれたケーブルのこと。
    105
    waldeinsamkeit ヴァルトアインザームト(名詞)ドイツ語
    森の中で一人、自然と交流する時のゆったりとした孤独感。普段、自然以外のほとんどのものと交流していますが、自然に触れると、枝の隙間からそんな現実が去っていくような気がします。魂が、きっと木々の恵みに感謝したくなるでしょう。
    107
    cafune カフネ(名詞)ブラジル・ポルトガル語
    愛する人の上にそっと指を通すしぐさ。その人のシャンプーの香りで愛を実感することもあるし、自分の神に信頼する人の指が絡まるのは、とても安心できることです。

  • 可愛らしい装丁で、中のページの言葉に添えられた絵も綺麗。どこから読んでもいいので、自分の今の気分にぴったりの言葉をついつい探してしまう。ちょっと手元に置いておきたいなと思える本。

    一番気に入ったのは、ジュガールというヒンドゥー語でした。

  • イラストとデザインがかわいい。気まぐれに開いたページに何がかかれているか見るのも良いかも。

  • ちょっと前、外国人記者もいる会見で出た「忖度」という言葉に同時通訳者が戸惑い、すぐに訳せなかったということがあった。日本語もそうだけど、世界中の「あ、それ一言で言っちゃうんだ」が詰まった本。

    「トナカイが休憩なしで、疲れずに移動できる距離」を一語で表すフィンランド語て、ホントかよ!とか思うけど、そうして読んでいくとこの本、言葉と語釈を書いているのかな、と思えてきた。もちろん、辞書好きとしてはそれも楽しい。

    絵本のようなすてきなイラストが、また本の味を増している。

  • 面白かった。
    耳慣れない言葉が多いためページをめくるとすぐに忘れてしまうけれど、明日使えそうな言葉ばかりで何度も読み返したくなる本。

  • 【最終レビュー】

    図書館貸出。

    〈キノベス2017=紀伊國屋書店スタッフオススメベスト30・第一位著書〉

    『想像力・感性の高み』

    両方が深淵かつ存分に溢れている

    『イラストと共に、未知の領域の国々まで、幅広い「他国語の言葉」に込められた「奥行きある音色の響き」』

    『程よいバランス』が取れている作風。

    これが自然に、先入観なく、ふんわり包み込む『心地』

    朗らかな気分にいつの間にやらなっていました。

    上記の感覚になりつつ、印象に残っていることは

    [スピード・頻度の高さの『恐さ』という『理解のギャップ』]

    今の時代への警鐘の『一つ』として、私達が今一度立ち止まり、考えなければいけないことだと…

    全体の内容を通して

    〈言葉のそのものが持つ『良さと恐さ』〉

    というテーマ。

    『根本的な所から、改めて、認識度を高めてもらうこと』を『提起している』のではないか…

    私自身、こうしてまとめながら、そう感じ取っています。

  • 意思を伝える言葉。この成り立ちに民族差があり、そこに価値観文化に潜む底流の謎がある。日本語からは木漏れ日、ボケっと、侘び寂び、積ん読がエントリー。絶滅が懸念される民族の言語まで幅広く取り上げ、感性に訴えるイラストとともに、言葉で何を表現したいかの独自性、多様性に面白味を感じる。グローバルと対極にあるローカルを大切にしたいとの思いを抱かせる。

  • リビングに置いておきたい一冊でした。
    本屋さんで立ち読みしたときは、ただただ可愛いな、という印象でしたが、大人になったからこそなるほど、と思える深い言葉もあり、じっくり読んでよかったです。
    2017.04.02

  • 読み終わって、「翻訳できないことば」という意味のことばを欲しいと思った。その単語が、あらゆる言語間におけるアイデアのスムーズな移行が可能だという幻想する勢力に対するくさびになってくれることを願う。「翻訳できないことば」辞典の刊行が待たれる。

  • 積ん読につまずいて外出できない

  •  かわいい!
     一言で直訳できないことば。
     たとえば日本の言葉でこの本に載っていたのが、「木漏れ日」と「積ん読」など。
     日本の言葉であっても、意味を説明するための言葉が、自分の日頃のイメージとちょっと違っていたりして楽しい。

     個人的に印象に残ったことばは、
     P14 GEZELLIG
     P30 TIMA
     P36 KUMMERSPECK
     P48 UBUNTU
     P52 TREPVERTER
     P58 MAMIHLAPINATAPAI
     P60 RESFEBER
     P72 NUNCHI
     P74 AKIHI
     P84 IKTSUARPOK

     と、まぁこれ以外にもたくさんの言葉があって実に楽しい。
     誰かに贈りたくなる本だ。

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翻訳できない世界のことばの作品紹介

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。世界7カ国で刊行予定。

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