注目すべき125通の手紙:その時代に生きた人々の記憶

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制作 : ショーン・アッシャー  北川 玲 
  • 創元社 (2014年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422900322

注目すべき125通の手紙:その時代に生きた人々の記憶の感想・レビュー・書評

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  • 一冊丸ごと『手紙の博物館』。
    こんな本が読みたかった!と途中で何度も叫びたくなるほど興味深い。
    問題はサイズ。
    厚さ3センチはクリア出来るが、縦28センチ、横20.5センチだもの。
    ましてこの中身。本棚に入れようと思えば入るが、出来ればブックスタンドに置いて、前には座り心地の良い椅子を設置。
    いつでも好きなページを開いて読めるように設えたい。
    なんて思っていたら、隣町に出来たばかりの書店は、そのようにセッティングしてあった。
    もしやワタクシ、出来る書店員(笑)?

    エリザベス女王からアイゼンハワー大統領へのスコーンのレシピ、
    切り裂きジャックからの血も凍るような手紙。(そんなものがあったなんて!)
    大統領選挙中のリンカーンへ髭を生やすように勧める11歳の少女からの手紙。
    歌手ミック・ジャガーから画家アンディ・ウォーホルへのレコードジャケットの依頼。
    日本人では大坂夏の陣で戦死する木村重成にあてた妻からの手紙と、
    特攻隊員が家族に遺した別れの手紙。
    東西を問わずあらゆる時代の有名人から無名の庶民まで、多くの手紙が集められている。

    しかも原文の手紙に残るシミ・シワもそのままで、字の速度や大きさ、筆跡の癖までも読み取れるときている。
    手紙の主が過去の人であっても、それらはまるで生き物のように力強く語りかける。

    お祝いや慰め、売り込み、心からのアドバイス、愛の告白や身勝手な自己主張等々・・
    相手に届かなかった手紙さえも含まれ、長い長い年月を経て書かれた手紙もある。

    思えばひとは、手紙を書くときどれほど真剣に相手と自分の心とに対峙することか。
    伝えたい言葉が、限られた紙面で確実に伝わるようにと、時間をかけ心を砕くその作業を、いつの間にかどこかに追いやってきたのではないだろうか。
    この本を読んでみて、言葉の本来持つ重みというものをかみしめてみるのが必要かと。。

    無駄なものなど何一つないけれど、特に心に残った手紙がひとつ。
    南北戦争後、奴隷から解放された黒人が、白人の元主人からもう一度家で働いてくれと要請された手紙への返信が、殊に素晴らしい。
    押し殺した丁寧な物言いが、深い怒りを圧倒的な迫力で語っている。
    ここだけでも、必見の価値あり。

    すべての方におすすめの一冊。
    そしてこの本を購入してくれた地元の図書館に深謝。

  • 数年前、皇居三の丸尚蔵館で行われた特別展で、皇后陛下が
    学習院初等科3年生だった時の秋篠宮真子内親王殿下に送った
    手紙を見た。

    「お年寄りの世代が行っていた手仕事について調べよう」との
    宿題について、真子内親王殿下の質問に皇后陛下がお答えに
    なった手紙である。

    明治天皇の后・昭憲皇太后から代々の皇后に伝えられた養蚕に
    ついて、丁寧に綴られている手紙から皇后陛下がお孫様へ
    向ける愛情が溢れていた。

    手紙って、やっぱりいよね。近年はメールでのやり取りばっかり。
    先般も『百年の手紙 日本人が遺した言葉』(梯久美子 岩波新書)
    を読んだが、本書は世界各国の有名無名人の手紙125通を紹介しな
    がら、その時代を感じようというもの。

    「真珠湾、空襲される。これは演習ではない」

    日本の真珠湾攻撃に際して、アメリカ太平洋軍最高司令官から
    ハワイ地域の全船舶に対して贈られた電文だ。演習だったら、
    どんなによかっただろう。

    ウォーターゲート事件に続き、肺炎での入院が重なり踏んだり
    蹴ったりのニクソン大統領の元には、自身も肺縁で入院した
    ことのある8歳の少年から励ましの手紙が届く。

    北軍に解放され自由のみとなった元奴隷は、つましいながら
    も家族一緒に幸福な生活を築いていた。その彼の元には元
    主人から、帰ってプランテーションの再建に協力してくれ
    との手紙が届くのだが、元主人の支配下で送った生活を
    振り返りながら正義正しくもきっぱりと提案を拒否する
    返事には感動さえ覚える。

    徴兵されたエルビス・プレスリー。ファンの女の子3人が連名
    で大統領宛てに出された手紙には「どうか彼のもみ上げを切ら
    ないでっ!」との悲痛な叫びが。ファン心理だよね、分かるわ。

    「寝言は寝て言え」

    白人至上主義者に送られたアラバマ州検事総長の手紙は簡潔
    にして痛快。

    難題が山積して気難しくなっていく夫ウィンストン・チャーチル
    を心配し、「あなた最近冷たくなったわね」と諌める奥様の手紙
    も素敵だ。

    物理学者リチャード・ファインマンが最愛の妻の死後に書いた
    ラブレターの追伸が哀しい。「すまないが投函はしないよ。
    きみの今の住所を知らないんだ。」

    実際の手紙や電報の写真も掲載されており、どこから読んでも
    大丈夫。ただ、大型本なので私は家の中でしかよめなかった
    けどね。通勤時に持っていく勇気(?)はありませんでした。

    内容はいいんだ。手紙か書かれた背景の解説もあるし。でもね、
    このセンスのないタイトルはどうにかならなかったのかしら。

  • メールやLINEに慣れた今、手書きの手紙はそれだけで心を打つ何かがあります。

    自由を得た黒人が元主人に宛てた手紙。
    アフリカ系アメリカ人の少女4人が死んだテロ事件の再捜査を命じたアラバマ州検事総長が、白人至上主義者であるエドワード・R・フィールズから受け取った、再捜査を非難する脅迫状に対する返事。(一言だが痛快!)
    統合失調症患者の女性が夫に書いた「来て、来て、来て」の文字だけがびっしり並んだもの。

    手紙の書き手は著名人から無名な方とさまざまですが、語り継いでいくべき価値のある、心を打たれるものばかりでした。

    重いし高価な本ですが、こういう本こそ書棚に置いておきたいと思わせる本です。

  • 女王陛下から作家、学者、俳優、市井の人たちまで、時代を越えて人々の心を動かす手紙125通を厳選、手紙原本と解説を添えて紹介する「手紙の博物館」。励ましの手紙もあれば、別れの手紙、抗議の手紙、恋の手紙、詫びの手紙もある。手紙に込められた人々の率直な思いを追体験することは、平凡な歴史書を読むよりもはるかに学ぶものがある。書架におき、折に触れて読み返したくなる1冊。

  • 20150507読了
    大判の分厚い本。イギリスの文筆家が編者。128通の中には、直筆の手紙がそのまま掲載されているものもある。どれもそれぞれに興味深い。特に印象的だったもののメモ。●No.8 19世紀、身体的な奇形を患っている男性(通称エレファントマン)を収容しているロンドン病院が、一般の支援を求めるためタイムズ紙に送った手紙。●No.36 20世紀。ノーベル賞を受賞した物理学者ファインマンが、亡くした妻宛てに綴ったラブレター。すごく切ない悲しみに満ちた手紙でじんとしたが、調べると彼は3回結婚しており、これは死別した1人目の妻宛てだった。このときの悲しみを乗り越えていたのねと思った。●No.101 1971年、レーガン大統領から養子の息子へ。息子が結婚するにあたって書いたもの。残るフレーズが多く、思いやりにあふれた手紙だった。「おまえは人生で最も意義深い関係を築き始めたところだ。この関係はおまえの決意次第でどんな形にもなりうる。」「結婚という器に自分が持っているものの半分しか入れない男は、得られるものも半分だけだ。」「真の立派さとは、自分の男らしさも魅力もたったひとりの女性に示し続けていくという挑戦にこそあるのだ。」●No.125 1945年、のちに「スローターハウス5」等の作品で世に知られるアメリカ人作家カート・ヴォネガットが、第二次大戦中にヨーロッパから書き送った手紙。ドイツの捕虜となり、あのドレスデン爆撃を経験している人。小説を読んでみたい。

  • 図書館で予約していたら少し大きな本でびっくり
    便箋の味わい、その人特有の字体が実寸大で感じられてとてもよかった
    補足説明や日本語訳もわかりやすく、なによりも読んでいると手紙を出したくなる

  • 古今東西の有名人や、名もない人々が様々な理由で書送った手紙125通をとおして、その時代を語る。
    「サンタクロースっているんですか」と新聞社に質問をした少女の手紙とその返事。
    リンカーンにヒゲをはやすことを薦めた少女の手紙。
    アインシュタインが生涯悔いたという原爆開発を進めるようルーズベルト大統領に進言した手紙。
    有名な手紙だけでなく、様々な国の様々な時代に、様々な状況下で書かれた手紙たち。実物の写真とその訳。当時の状況の解説や写真も多数あって、世界の歴史を紐解くような楽しみのある本。

  • これ、ほんとに本屋で迷いまくります。
    買いたい!でも値段も高い上に、大きい!
    まぁ値段はこの内容なら納得ですが、問題はサイズ。大きいから実物の手紙の臨場感があっていいのですが、狭い我が家をさらに狭くするものを買うべきか・・・?

    いずれも歴史の中で小さくともキラリと光る手紙ばかりです。立ち読みしたのは高校で自書が焚書の憂き目にあったカート・ヴォネガット・ジュニアの高校に対する手紙と、頬髭を生やすようすすめた11歳の女の子とリンカーンのやり取りの手紙。

  • 切り裂きジャックから自警団長へ、統合失調症患者から夫へ、プレスリーのファンからアイゼンハワー大統領へ、タイタニック号からバーマ号へ、差出人と受取人の有名無名を問わず、歴史的に重大なものからちょっと笑えるものまで、いろいろな「手紙」を実物の写真とともに紹介しています。
    分厚くて持ち歩くのには不便な本ですが、とてもとても興味深いです。

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女王陛下から作家、学者、俳優、市井の人たちまで、時代を越えて人々の心を動かす手紙125通を厳選、手紙原本と解説を添えて紹介する「手紙の博物館」。励ましの手紙もあれば、別れの手紙、抗議の手紙、恋の手紙、詫びの手紙もある。手紙に込められた人々の率直な思いを追体験することは、平凡な歴史書を読むよりもはるかに学ぶものがある。書架におき、折に触れて読み返したくなる1冊。

注目すべき125通の手紙:その時代に生きた人々の記憶はこんな本です

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