平和構築と法の支配: 国際平和活動の理論的・機能的分析

著者 :
  • 創文社出版販売
3.69
  • (5)
  • (0)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784423710562

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 平和構築とは何か、法の支配とは何か、平和構築の法の支配アプローチ、そして、和平合意、選挙、法執行活動、司法活動それぞれの、平和構築における意義を論じる。
    平和構築について大局的な視点から考えることができる良書。
    紛争地域への民主主義の普及、法の支配の精神の注入が、なぜ欧米的価値観の押し付けでないと言えるのか、はたしてどのように平和構築において不可欠であるのか説明がなされているのが最も興味深く感じられる点だった。
    平和構築について、あくまで法支配という側面だけではあるが、概念を捉えるには申し分ない出来。これを入門として、個別具体的な法律や制度、実際の活動内容などに入っていくのも良いだろう。

    これまではなんとなく、紛争が終わったら、和平合意して、新しい選挙をして、戦争犯罪者は逮捕して裁判にかけるという流れを、そういうものだと聞き流してた感じだったけど、この本を読んで、それが法の支配として、平和構築においてどのように意義づけられるかを考えることができた。

  • 概念的な法律論だけで終わらず、実際に法律が紛争地域において果たしうる役割が事細かに分析されている。名著。

  • 平和学で使用。

著者プロフィール

1968年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。同大大学院政治学研究科修士課程修了。ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(LSE)博士課程修了、Ph.D.(国際関係学)を取得。広島大学准教授、ケンブリッジ大学客員研究員などを経て、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授(国際関係論)。著書に『平和構築と法の支配――国際平和活動の理論的・機能的分析』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『国際社会の秩序』(東京大学出版会)、『「国家主権」という思想――国際立憲主義への軌跡』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『国際紛争を読み解く五つの視座――現代世界の「戦争の構造」』(講談社)、『集団的自衛権の思想史――憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)など多数。

「2023年 『戦争の地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田英朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×