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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784425714711
作品紹介・あらすじ
荒れた海の中でも船体、機関、積荷などに損傷を受ける事なく予定通り航行できる能力を「耐航性能」という。本書では、この船舶の耐航性についての基礎として学んでおくべき基本的な事項、理論的アプローチなどについてわかりやすくまとめた。耐航性能の初級の知識を徹底整理する上で最適な書籍に仕上げた。
感想・レビュー・書評
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3次元振動と波の放射/吸収。
大学の「機器運動学」の参考書として購入。授業で1週だけ取上げられる波浪中船体運動を一冊で詳しく解説する。振動の運動方程式の係数(MCK)を、6軸ある船体の揺れごとに定式をまとめたり、実験で同定する方法を示している。理論的な解説や定式化の導出については前巻を参照するようにと、しっかり住み分けがなされたぶん整理されてまとまっている。
波に揉まれる船の写真や、出会い周波数応答曲線が一覧できる。振動のイメージがつかみやすく、抽象論的な前巻に対して、実現象との対応がわかりやすくて良い。「初級編」の名の通り、船舶の用語や揺れに関する様々な現象が図とともに紹介される。振動の教科書でよく目にする係数励振や非線形系の分岐現象が、実際にどのような状況で起こり性能設計に反映すべきなのか、船舶を例に理解することができた。
波起こし機などの実験装置のまとまった解説がある点も良い。数式の立体と斜体に統一感が無く見づらいのが難点か。
目次
1.波浪中での船体運動概説
2.船体運動方程式入門
3.波浪中の船体運動の理論計算
4.横揺れ
5.風波浪中の抵抗増加
6.船舶性能の統計的予測
7.船舶設計への応用
8.模型実験詳細をみるコメント0件をすべて表示
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