- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784426732011
作品紹介・あらすじ
アダルト・チルドレン(AC)という言葉は90年代初めにブームになりましたが、今ひとつ、理解しづらいものでした。そのアダルト・チルドレンの理解に役に立つように、そしてその理解によって、本人もまわりの人も少し楽になれることを願って、小説やマンガや児童書やミステリや専門書など、幅広い分野から本を集めて紹介します。生きにくいと感じて、アルコール依存、虐待、共依存…など、さまざまな問題を抱えている、そんな人たちの、こころの傷を読み解くために-。
感想・レビュー・書評
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赤木さんの主観多めの作品紹介だけど、でもこんだけたくさんの本を紹介してるのがさすがだし、1冊あると生きていて役に立ちそう。
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機能不全家族に育ったこどものことを理解しようと思い、手に取りました。
いくつかは読んだことがある本がありました。
とりあえず「はみだしっこ」は全巻中古で購入しましたが、今だ読んでいません。
当事者が、(この本で紹介されているような本を)その時々に手に取って読んでみて、初めてその読書が生かされるのかもしれないな~と感じました。 -
濃い。
自分がこういう世界に興味を持ったのは、山岸凉子のマンガがきっかけだったのかなー。 -
「アダルト・チルドレン(AC)という言葉は90年代初めにブームになりましたが、今ひとつ、理解しづらいものでした。そのアダルト・チルドレンの理解に役に立つように、そしてその理解によって、本人もまわりの人も少し楽になれることを願って、小説やマンガや児童書やミステリや専門書など、幅広い分野から本を集めて紹介します。生きにくいと感じて、アルコール依存、虐待、共依存…など、さまざまな問題を抱えている、そんな人たちの、こころの傷を読み解くために。」
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三葛館一般 146.8||AK
和医大図書館ではココ→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=35517 -
アダルト・チルドレンの理解に役立つようにとまとめられた本。アルコール依存、虐待…テーマは重いのですが、紹介されている本は、赤毛のアンからエヴァンゲリオンまで、実に幅広いです。ただ時代的に手に取らないかな…というものが多い気が。装丁って大事。
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主としてAC(アダルトチルドレン)の人を対象にした、ブックガイド。
「こころの傷を読み解く」とは、その本の主人公や著者もAC(アダルトチルドレン)であり、そのストーリーや主人公の行動がその典型的なものであるとき、”「ああ、あなたもそうだったのね」と安心し、共感を得られる”ということかな。
「うん、なるほど」
というものから、
「それは、少し深読みしすぎではないかな」
と、思うものまで、数多くある。
AC(アダルトチルドレン)の為と拘らなくても、1つのブックガイドとしても価値のある良い本だ。 -
AC(アダルトチルドレン)、虐待、共依存、摂食障害、アルコール・ドラッグ依存・・・これらのテーマごとに本やマンガを紹介している。
編著者の読書量には舌を巻く。いったい何冊あるんだろう。
なぜか小さいころから生きにくさを感じる、その原因を探れば、やはり幼いころからの状況が主な要因となっているものだ。
ここ20年くらい前から?拒食症は親との関係から生じる状態だという認識が出始めたが、昔は子供の人権なんて思いもつかなかったろう。
夢中になって読み、この本もあの本も読みたいと付箋を貼ったりしたが、
途中から苦しくなってきた。
解放したと思っていたことがたくさん舞い散り、また降り積もってきたからだ。
ただ綺麗に畳んで仕舞っておいただけだった。
解放なんてされてなかったようだ。まあ、そんなものだ。
自分のことで、もう辛くなるのはまっぴらだし、苦しむのにはもう年を取り過ぎている。
それよりも、子供を育てた過程の苦しい思い出や、深く傷つけてしまったことは取り返しのつかないもので、でも日々大人になっていく子供を見ていると、私のようにそれを畳んで仕舞って底の底にある状態が、ある日崩壊してしまわないかと思う。
笑顔や思いやりの言葉やしぐさは、そういったものの上に築いてあり、少しずつ辛い記憶を癒す助けをするのではないかと思うのだが。
昔TVで、結婚して子供にも恵まれた30代の男性が、辛い辛いと言って泣いている場面を観た。
なぜ辛いかというと、自分は小さなころ、親と離れてしまったからだ。
死別なのかどうなのかは知らないが、辛い辛いと泣いていた。
共感できない人はいい年してと思うだろうが、各人の気質にもよるし、親に代わる人に育てられなければそんなものである。
子どものころの喪失は、大人が思う以上に壮絶な体験であり、一生続くものである。
かといって、親がいれば問題ないというわけでもなし。
酷い虐待の結果、24人のビリー・ミリガンみたいに多重人格者になっちゃう場合もあるし。
日本のマンガ家、萩尾望都(はぎおもと)さんの漫画がたくさん紹介されていた。 -
マンガ、児童向けの本も紹介されているのが好印象。
あの本も、このマンガも心の傷がテーマだったのか!と衝撃を受ける。
知らず知らずに、傷ついた心の物語を読んできたのだという自分の読書人生の事実にさらに衝撃を受ける。
私は傷つくこと、傷ついている状態を本やマンガを通して学び、心の傷過敏症になってしまったような気がしてならない。
何か満たされないような気がする、愛されてないような気がする、幸せでない気がする・・・のような気分は、私の心が傷ついているからそう感じるのでななくて、本やマンガを通して時代の気分に同調しているだけなのかもとすら考えてしまった。
10年以上前の本ですから、心のメカニズムが脳機能障がい(発達障害)から由来する視点がありません。すべて過剰に心理学化している点が気になります。 -
[図書館]
読了:2005?
メアリー・ベルのことをこの本で知った。ほかにもジェフリー・ダーマーなども出てくる。山岸凉子の本も「パイド・パイパー」などいくつか。
「仮面の家」のレビューが重かった。
家庭内暴力の息子を、高校教師である父親が殺害した。真面目な教師であった父の教え子など、減刑嘆願の署名が8万人分。弁護士も「男の立ち直りのための策に尽きた被告らが、心身ともに極度に疲労した中での反抗」と執行猶予を求める――
「ここには、殺された息子の立場に立つ人がだれもいない。」との作者の指摘は鋭い。
彼には、「遺族」がいない。家族を奪われた怒りと悲しみを殺害者にぶつけ、闘ってくれる遺族がいない。なぜなら、その遺族こそが彼を殺した犯人、彼の父母だから。
児童虐待殺人の殺人者が、異様に軽い刑で済まされることと同じ構造だな。
殺すとき、「親を親とも思わない人間は、親の手で殺してやる」と言ったそうだ。直接の暴力はまったく受けてもいないのに…。親とも思わない扱いをされるのは、自分がそういうことをしてきたからだと、自分を省みることは絶対にしないのだね。
自分は良い親。その前提は決して崩れない。だから、良い親に逆らう息子が悪いという結論になる。
「愛情を持って育てたのに、想定通りに育ってくれなかった子ども」に耐えられないから、殺した。
バットで殴られながら命乞いした息子を「もうおそいんだよ!」と一蹴し、殺した。
「愛情を持って育てた」ことも、「もうおそい」ことも、親が勝手に決めてしまった。本当はそうではなかったのかも知れないのに。そしてそれを、子殺しの正当化に使った。その傲慢さがこの親の罪だ。