帰郷 下

著者 : ロザムンド・ピルチャー 中村妙子

• 日向房 (2003年7月1日発売)

作品紹介・あらすじ

海軍婦人部隊に入隊したジュディスは、訓練部勤務を経て極東に配属される。消息の途絶えた家族の身を案じ、いつ終わるとも知れない戦争の日々を悲哀と希望に引き裂かれながら過ごしていた。散り散りになった若者たち。戦死、行方知れず、負傷、捕虜。戦争が終結して、次第に明らかになる悲惨な事実。生き残った者のそれぞれの帰郷。一度手離した糸をたぐりよせるそれぞれの人生。再び会うことなく死別した家族。ジュディスは母の遺言を守るために、収容所から発見された14歳になる妹とともに帰郷する。ナンチェローの地に手に入れたわが家へ。母が願い、果せなかったことを、今度は、母に代わって自らが果すために。

感想・レビュー・書評

[あやごぜさんの感想 · 2008年5月3日]

読み応えは勿論。読み終わった後のしみじみと広がる爽やかな読後感が素晴らしい作品。
中村さんの訳がいい意味で突き放している（注をあまり入れていない＆英語を日本語に訳さずに片仮名表記にするだけ）ので“翻訳本上級者向け”のような感じがします。

著者プロフィール

1924年、イギリスに生まれる。18歳より『グッドハウスキーピング』『レディーズ・ホーム・ジャーナル』等を中心に数多くの短篇を発表。代表作『シェルシーカーズ』(朔北社）は世界的に1000万部を売るベストセラーとなった。短篇、中編、長編を多数発表。2002年にOBE勲章受章。2019年没。

「2022年 『ロザムンドおばさんの花束』 で使われていた紹介文から引用しています。」