麦撃機の飛ぶ空

著者 :
  • ヒヨコ舎
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本棚登録 : 162
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434041822

作品紹介・あらすじ

戦いの惑星に降りた取材記者が体感する驚異の世界「射性」。唯一の糧である麦を武器に戦いつづける村と、運命に翻弄される青年「麦撃」。他、傑作ショートショート13編。神林長平が描く滅びと再生、人間の性。

感想・レビュー・書評

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  • SFのショートショート集ですが、さらりと読むには難しい濃密さがあり、これが“神林長平”だよな! とファン大満足の内容です
    そして絵がとてもかわいい
    本文中の絵だけでなく、箱の絵と本体表紙の“麦撃機”のぬいぐるみの写真がめちゃくちゃかわいいです
    収録されている“麦撃”はとても過酷な戦場の話ですし
    “射性”はわりと性的な話ですし、好きだけど読んで読んで~とはなりにくいのですが、個人的には神林長平さんのファンブックのような気持ちで思い入れを持っている作品です

  • SF。短編集。
    何冊か挑戦し、挫折していた作家さん。はじめて読了。
    最初の6話が素晴らしい。
    「ALL CLEAR」の残酷さ、「過速」の蜘蛛型ロボットマイダスの設定など、本当に好み。
    中盤からは雰囲気が変わって少し苦手かも。

  • 表題作はすごみがあった。

  • (リリース:茂樹さん)

  • パッケージを含めた『本』としてはとても魅力的で所有欲をそそる本。
    雑誌で桜庭一樹がお勧めしていたので前々から興味があり、でもどこにも売ってないのでしかたなくAmazonで買い、でも買ってからも短編なので少しずつ読んでいたら気がついたら何年も経っていた。
    内容は色々なSFの短編でハードな話もあるが時折出てくるイラストの効果もあって全編絵本を読んでいるのに近い印象を持った。
    そこまで残る物語はなかったがこれはずっと持っておきたいなと思えるほどパッケージ、タイトルが好きだ。

  • 何かあれやこれやの元になったような話が多いですね「愛しのリューラ」とか。「マシン・チャイルド」単なるアスペルガー症候群じゃないか。これ心理的な療法いくら試しても無駄じゃない?「ファントム」しかしコンピュータの違いを無視して割り込めるとか無理がないか?それぞれのコンピュータに対応するデータを持ってなきゃならんだろうし。そうなったらデータ量が膨大になる。「エデン」創世記まんまじゃないか。異常だと感じた時点で、13世消してればよかったのにね。「射性」まんこに射精する話。無用なエロス。別にぶっかけは好きじゃない。

  • 神林さんのロジカルSFショートショート集。

    「ALL CLEAR」・・・地球最後の男女が出会った超古代コンピューターとの問答

    「愛しのリューラ」・・・殺人を犯した女を永遠に追跡する機械刑事の正体とは

    「ファントム」・・・極秘ソフトウェアの暴走を食い止めるには。

    「過速」・・・少年の友達、ローカルロボットのマイダスの活躍

    「マシン・チャイルド」・・・コンピューターのような人間と、人間のようなコンピューター

    「God be with you・・・」・・・滅びる地球を後にした少年。地球に残った下等生物・マーシとの約束

    「エデン」・・・地球に再び降りるため、何世代も計画的に生成されてきたクローン体。彼を誘惑するのは蜥蜴型のロボットで・・・。

    「怒髪」・・・狭い路地の奇妙な店。怒りを発散させる行動もほどほどに。

    「和の君」・・・日本古来の生活復古?

    「とんでもない猿たち」・・・お行儀の悪い猿たちと、彼らを笑う○○のお話

    「射性」・・・性欲を感じると頭部が破裂する監獄星。記者としてそこに入り込んだ男が見たものは。

    「麦撃」・・・麦を燃料に爆撃機を飛ばす二つの村。彼らは何のために戦うのか。麦は何のために作られるのか。

    「炎帝朱夏」・・・遠いおとぎ話を懐かしむ、雪の日の休日。

    以上13編。

    「God be with you・・・」は文句なく素敵な作品でしたね。
    「マシン・チャイルド」と「射性」も怖面白かった。
    「麦撃」は考えさせられるものがありました。
    「炎帝朱夏」、暖炉のそばで読むのにふさわしいお話。でもこの話も単なるお話と片づけられない部分がありますね。
    これを80年代に書かれたってのがすごい。

  • 今ここではない近未来や異星が舞台となる短編集。淡々とシビアな現実が突き付けられるが、グロテスクには思えない。救いなどは特にないが、残る話が多い。

  • とても愛らしい装丁の本。

    「射性」という短篇の冒頭部分は、壮絶に切なく美しいシーンで印象的。

  • 13篇のショートショート。久しぶりに思弁小説ではない神林。ただ紙や文字組などは童話的体裁を取っているのに、文体や主張のそれはしっかりと神林していました。
    体裁や短さも相まって比較的内容が分かりやすいです。雪風読んだ後だと特にそう思います。

    個人的には「愛しのリューラ」が一番面白かったです。これは中篇〜長編で読んでみたい内容。残りは長さ的に丁度よかったです。個人的に収穫だと思ったのは「射性」。神林氏にしては珍しいまでに露骨な内容。ファンとしては一読の価値はあるかも。神林的カタルシスを味わうには「麦撃」。異色作「とんでもない猿たち」、「和の君」。その他、どれも短いながらも随所に神林を感じる事の出来る内容でした。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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