50/50-フィフティ・フィフティ- (リーフノベルズ)

著者 : 池戸裕子

• リーフ出版 (2005年6月22日発売)

感想・レビュー・書評

[サボカンさんの感想 · 2008年5月22日]

あらすじ：高校時代に出会った美貌の同級生・吉祥。満たされない飢えを抱いていた司馬にとって、彼は唯一それを忘れさせる『特別』な存在だった。だがある日突然、吉祥は司馬の前から姿を消してしまう。―そして10年後。極道世界の若きエリートとなった司馬の前に、吉祥が再び姿を現すが…。「過去は忘れた」と冷ややかに微笑む彼が告げた望み―それは司馬に『飼われる』ことで。

[yayayaさんの感想 · 2007年7月12日]

殴り合いのケンカをする受けと攻めです。ケンカが強くて190ｃｍとガタイもいい二人はどっちが強いのか？決着はつかないからタイトルの「50／50」ってことで。攻めの方がいろいろと悩んじゃうのもアリですよね。

[櫻井サクラさんの感想 · 2005年7月6日]

●あらすじ●</br></br>
高校時代に出会った美貌の同級生・吉祥。満たされない飢えを抱えていた司馬にとって、彼は唯一それを忘れさせる『特別』な存在だった。だがある日突然、吉祥は司馬の前から姿を消してしまう。---そして１０年後。極道世界の若きエリートとなった司馬の前に、吉祥が再び姿を現すが・・・。「過去は忘れた」と冷ややかに微笑む彼が告げた望み---それは司馬に『飼われる』事で！？</br></br>

●感想●</br></br>
一心会三代目２７歳の攻・司馬闘吾×元同級生で失踪中だった２７歳の受・吉祥裕章。</br>
司馬は高校時代に出会った吉祥に喧嘩仲間以上の気持ちを抱きながらも、吉祥の突然の失踪で胸にくすぶる思いを抱えたまま過ごしていた。１０年後、借金のカタに働く吉祥を偶然見つけ、その会社ごと吉祥を買い上げた司馬。そこからストーリーが始まる。所々、高校時代の回想を挟みながら司馬視点で話が進む。時々、司馬の右腕の牧村視点を挟みながら。
<blockquote>
「でも、今は・・・司馬、これもお前のものだ」</br>
吉祥が司馬を振り返った。背中の彼女の微笑みも消え、代わりに吉祥の笑みが司馬に向けられる。</br>
「ジジイに好きにはさせないが、飼い主のお前にはその権利がある」</br>
司馬は吉祥を見つめた。挑発してこっちの反応を楽しんでいるように、司馬の目には映った。</br>
「女みたいに抱いてもいいってことか・・・？」</br>
「お前がそうしたいなら」</br>
「人生捨ててるから、俺ともなりゆきでどうなってもいいって？」</br>
司馬の目から驚きや戸惑いの色はすぐ消え、挑発に応える強い力が宿る。</br>
「そうだよな。昔も俺たち・・・、しょっちゅうサカっちゃ、寝てたよな」</br>
司馬は言ってみせたが、吉祥は一度大きく瞬きしただけで、ただ見つめ返してくる。</br>
「俺とのことは、全部忘れたんだったな」</br>
いいさと、司馬は自分も上着を脱いでテーブルに投げた。</br>
「思い出させてやるよ」
</blockquote>
司馬の方は迷いながらも、吉祥のことが好きなことにだんだんと気付いていく。吉祥の方は”多分この人って・・・”とは思いながらも確信が持てず、最初は掴みづらかったです。でも司馬が部屋に女を呼んだ時の吉祥の行動で”やっぱりな・・”と。</br>
ヤクザものだし、二人とも喧嘩っ早いので流血が絶えなかったり拉致られたり前半から中盤にかけてはハードなお話です。Ｈもあるけど虚しいっていうかお互いの気持ちが通じ合ってないので司馬に感情移入して読んでいると切なくなってきます。報われないというか・・・。このままどうなっちゃうのだろうと、少し不安になりなしたが・・・我慢。<blockquote>
吉祥の聞き取れないぐらい小さな声が言った。</br>
「・・・犬じゃない」</br>
「え？」</br>
「犬じゃない」</br>
「なに・・・？」</br>
「俺は犬になりたかったんじゃない。ずっと・・・、お前の女になりたかった」</br>
司馬の目が、さすがにびっくりして丸くなった。</br>
「女ってだけでお前に優しくされて可愛がってもらえるんなら・・・、俺は女になりたかった」</br>
大きく見開かれた司馬の瞳がふっと和んで、嬉しそうに笑った。自分と同じサイズのゴツイ男が愛しいって感情はやっぱりなんなんだとは思うのだが、そんな自分が幸せなのだからしかたがない。</br>
「犬でも女でも、好きな時に好きなのになっていいからよ」</br>
司馬の愛しいものに触れる手が、吉祥の髪を優しくくしゃりとかき回した。</blockquote>
この会話がとても好きです。</br>50/50・・・五分五分ってことですね。自分は司馬の女になりたい・・・と思ってサラッと言っちゃう吉祥の方が分があるような。女扱いされるのは嫌だ！って受はよくいますけど、自分から女だ！って言ったのは初めてかも。ってか、もう１７の時からそう思っていたのですよね吉祥は、入れ墨に思いを込めて。吉祥の思いの深さを感じましたよ。司馬は吉祥が先に”愛してる”って言わせようと必死になってるのに、吉祥ってば悩殺セリフで司馬を瞬殺してるし。吉祥のが無意識に上手だよ、司馬。</br>
でも、病院で司馬が吉祥を追いかけるところのイラストで笑っちゃいましたよ。だって、パジャマだよ司馬が。ヤクザは浴衣でしょ〜、用意したのは牧村だ絶対。</br>
ラストのＨシーンが凄く凄く好きで、何気に殺し文句連発の吉祥にメロメロで。凄くエロイシーンなのにニヘラニヘラと笑ってしまう私・・なんだか吉祥も司馬も幸せそうでね〜。ヤクザものでケンカや流血とかもあるのだけど、基本的に純愛なのです。お互いに１０年貫いた想いが報われてとても良い、大好きなストーリーです。</br>
でもね、ラストは吉祥、猫になってるんですよ〜。人に懐くことを知らなかった男が、闘吾依存症になりそうだなぁ〜って程、人目を憚らずに惚気てるしさ。可愛いなぁ〜。</br>

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[hokuro。さんの感想 · 2005年6月19日]

司馬闘吾(27)×吉祥裕章(27)。高校時代の同級生。喧嘩でしか心を分かり合えない！！・・・すごく気に入った。お話も挿絵も。しまって置いて、思い出しては出してきて、読みたい。自分とかけ離れた世界・・・男の・・・純情！？