Separation: きみが還る場所 (アルファポリス文庫)

著者 :
  • アルファポリス
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本棚登録 : 755
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434084416

作品紹介・あらすじ

同級生だった悟と裕子は親の反対を押し切って結婚。幸せに暮らす二人だったが、やがて裕子の身体に変異が現れはじめ、次第に背丈が小さくなっていった。——あらがいようのない“時の逆転現象”のなかで、儚く浮かびあがる二人だけの愛のかたち。市川拓司のデビュー作にして、TVドラマ化された、切なくもファンタジックな、涙の純愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 婚姻関係を結んだ二人は、未来へと進展していくのが、当たり前で普通なのであろう。
    しかし、悟と裕子の場合は、その逆。
    裕子の身体に異変が起き、どうにもならない状態になってしまい、前に進むことが出来ないのだ。

    未来へと、切り開くことが不可能になることって、人間には苦痛で耐えられないことなのだと思う。

    だが、この若夫婦は、小さな二人だけの世界で幸せに見える。

    互いに必要としている相手が居ること。
    この上ない幸せなのだろう。

  • デビュー作らしい拙さはあるけれど、市川拓司を1番感じられる作品だと思う。
    純愛とかいう意識はなくて、彼にとっては当たり前のことなんだろうな。

    「出来るだけ小さな世界で生きることね。そうすれば、そういった人間たちと出逢う機会は少なくなるから」

    市川拓司を知れば知るほど、依李子さんの言葉に彼の世界の見方がすべて詰まっているなと感じる。

  • この本は何回も読んでいます。
    何回読んでも泣いてしまいます。
    純愛過ぎて、僕と裕子だけの世界過ぎて、どうかと思う人もいるかもしれないけれど、作者のあとがきを読むと、どれだけ市川さんが奥さんを愛しているのかが伝わってきて、もうそれだけでいいんだって気がしてしまいます。
    また、涙が出る箇所は読むたびに違って、その時々の自分に一番置き換えやすい部分で泣いています。
    今は、幼くなった裕子が両親と再会するところが好き。
    特別なホットカルピス…。自分の母親を思い出してしまいます。

  • 「いま、会いにゆきます」ほどの驚きはなかったけれど、ゆっくりじっくり確かめ合う愛の在り方に、その健気さに、胸を打たれた

  • SF的 恋愛小説。

    妻がどんどん若返っていってしまう。
    体はどんどん小さくなり、心までも幼少期へと戻っていくが、夫を愛してることは忘れない。

    現実的にありそうな病気にも思えるが、結末があまりにも突拍子なくそこまでの挿話や二人の物語が全くなしになってしまうようで かなりガッカリした。

  • 愛する人と どんどん離れていく
    けど、心は絶対離れない

  • ベンジャミンバトン…?結局彼女は自分の子供を抱くことはできなかったし、主人公もできなかった。彼女が払った代償に、見合うなにかはなんだったんだろう…

  • 妻の体の異変が明らかになったときの夫の決意が、最後までぶれなかったことに感動。

    妻の感じる不安や恐怖に献身的に寄り添っていく様に、一貫した、暖かい愛情を感じた。
    相手が一方的に、一番幸せだった頃と同じように動けず、その頃の記憶もなくなっていくことがわかってしまった場合、
    いくら愛していても、やりきれなくなって、一緒に暮らそうという気持ちが薄れてしまうようにも思う。

    そして、妻の方も、夫を愛していることを、いろんな形で示す、そのあり方は、見習いたいというか、懸命さに心をうたれた

    形は変わったけど、「無償の」愛を体現する夫婦を描いたストーリーで、さめざめと泣ける話でした

  • 最初はすかした純愛物語かなと思って読み始めたが、まず語り口が綺麗。そして物語も興味津津。

  • 市川拓司で初めて買った小説

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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