作品紹介・あらすじ
天才陰陽師、三輪辰史は晴らすことの出来ない恨みを引き受ける。ただし、依頼人はその代償として莫大な金と業を背負う覚悟が必要だった――。報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語。大好評シリーズ第4弾!
感想・レビュー・書評
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偉そうですが話が長くなるほど良くなってきた印象。
やはり短い話で人の心理まで表現するのは難しいと作者も気づいているのでは?
しかしどうも人物造形というか、セリフが浅いので
高校生の主人公の言動とか漫画ちっくで薄いな〜って感じ。
悪人側にあまり深い事情や心理がないのがちょっとつまんないな〜。
そういうのがあると話が収まらないってことなのか。
これ以上は読む気が起きないです。
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サロメは結構好きな作品だった。「あんな酷い人だと思わなかった」「良い大人のする事?」辰史の性格もあるけど元凶はあんたらだろ!って思った。
かえる取りの女は過去の話でした
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設定やイラストが好みなだけに、残念。
もっと勧善懲悪っぽい方が読後すっきりすると思う。
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1サロメ 祖父「尊」の友人、古物商の真田が孫を連れてくる。自尊心の塊の高校生モデル優香は三輪にご執心。しかし、報復の仕事に紛れ込まれて三輪の怒りを買い、手痛い目に遭わされる
2蛙取りの女 祖父の仕事見習いをしていた頃の話で、高利貸しの女が家族に報復され、落ちぶれた挙句孤独死する
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相変わらず辰史がかっこいい
【サロメ】
「ああどうしようもねえガキどもだなァ。面倒くせえなァ。このまま見捨てようかなァ、どうしようかなァーと、迷いながらも助けに来てやった俺に迷惑料くらい払うのが筋ってもんだろう?」
【かえる取りの女】
---本は好きだって言っていたのに。辰史くんの片想いですか。
辰史の若い頃の話がいいね、辰史が必死な感じがいい
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『人からちやほやされる程度の容姿に恵まれた、普通の女子高生だろう?他に何か人と違うところがあるか?あるなら、教えて欲しいもんだ』
『蛟堂報復録』シリーズ第四弾。
2話収録です。
『サロメ』
今回は珍しく二つの話が同時進行的に行われています。
思ったより、ごっちゃにならなかったし、きちんと書き分けられていたと思います。
少し見直しました、作者のこと。
話は…私が高校生だったときってやっぱりこんなに阿呆な子だったのなかな?とついつい振り返っちゃいました。
自分が特別だと思いたくなる気持ちは分からないでもないけれど、「特別」っていうのはきっと「孤独」と同義なんだと思います。
それ以前に「普通」ってなんだろうとは思いますけれど。
そしてやっぱり辰史さんの性格がいまいちわからない。
『かえる取りの女』
不条理なばかりの鈴木ワールドですが、初めて不条理ではない人間が登場しました。
太郎ちゃんがたまたま街で足を引きずったお婆さんと出会うことから話が始まります。
このお婆さんは実は尊(辰史さんの祖父)の時代の報復相手だったわけですが。
この人。一本筋が通ってるんです。
自分勝手なことしか言わない人たちばかりの世界ですが、その中にあってただ一人、自分の主義主張を貫き通す人。
だからこそ貧乏くじを引くしかなくなる。
確かに人間性は最悪でしょう。
けれどそれで自分が被害に合うかもしれない、恨みを買うかもしれない、そのすべてのリスクを背負う覚悟をしています。
もちろん、覚悟があるからと言って、何もかもをしてもいい。というわけではないことぐらい、分かっていますが。
少しずつ文章がうまくなっているように思います。
故に、先が楽しみかな。
尊翁の性格が思ってたのと全然違ったのにはびっくりです。
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前のと少し毛色が違うかな?単純な物語じゃなく、考えるものがあった。高校時代の話は、辰史の人格形成を知れてよかったなぁ、と思う。ここで、丑雄さんとの考え方の違いが分かったけども、決定的に仲違いしたのは、別件なのが期待外れ(意味深に話を振られたし、前巻で伏線敷かれてたので)
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面白かった!
かえる取りは恐ろしかった。
欲望に負けないように生きねば…。ムツカチイ。
著者プロフィール
1985年、静岡県生まれ。
2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設。創作小説を書き始める。『蛟堂報復録』でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る。他の著書に『呪症骨董屋 石川鷹人』(アルファポリス)、『ペットショップ夢幻楼の事件帳』(角川書店)、『宵闇の王国 路地裏の吸血鬼と俺の事件録』(TOブックス)などがある。
「2018年 『蛟堂報復録9』 で使われていた紹介文から引用しています。」
鈴木麻純の作品