異世界の本屋さんへようこそ! (レジーナブックス)

著者 :
  • アルファポリス
2.90
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本棚登録 : 89
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434187506

作品紹介・あらすじ

蓮は、実家の本屋を継ぐべく仕事に励む書店員。ある日、職場にあった不思議な本を手にすると、異世界に連れて行かれてしまった! 帰る方法を調べてみたところ、この世界で人と深く関わって生活していれば、やがて帰れるという。人と関わるためにも何か仕事を始めようとする蓮のもとに、本屋を開店しないかという話が舞い込んだ。ちょうど本が買えないこの世界を嘆いていた彼女は、一から本屋を始めることを決意する! だけどスタッフの確保や製本方法など、課題は多くて……!? 本を愛する書店員の、異世界お仕事ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • いわゆる異世界モノで、転移系ですね。

    本屋さんの子が、不思議な書物を開いたら別世界(でもないのか?)へ移動していたと。移動先がかなり優しい世界だなとは思いました。

    本は共用財産という世界に、本屋を作って、主人公の忘れられている力が一つ目覚めるというところで、終わりですね。帰れたけど、帰らない方針で。

    登場人物はことごとく美形というのも、この手の話では定番ですね。主人公が言い寄られるのも。

    …ただ、リヒトは結局最後まで性別間違えたままだったのが、ちょっと不憫。

    文章は読みやすく、文章量もそんなんではないので、サクッと読み終える事が出来るかと思います。

    なかなか楽しかったです。

  • 裏表紙の折り返し(・・・正式名称は違うよね・・・)によると、著者は「元・書店員」とのこと。

    うん・・・。わかる・・・。

    本気の書店員が本気で異世界へタイムトリップする本やった。
    この手の異世界ものはここんところいくつも読んでるけれど(「入れ代わり」とか「異世界カフェ」とか、その他もろもろ)、これはこれで毛色が違っていて面白かったなー。
    とにかく「書店員目線」が本気。ここに関してだけは異世界を舞台にする必要はまったくないよね・・・(笑)、ちゅうぐらい本気で書店員目線を語ってくれました。

    地方でひとつの書店を立ち上げる話としても充分成り立つと思うのに、そこを敢えて異世界トリップにしてるのは、このレーベルが
    「異世界トリップものである」
    ちゅうしばりやからやろうな!

    で、読んでて気づいてんけど(やっと)、上記のしばりは

    「若い女の子が異世界へトリップする」

    ちゅう前提やってんね! 今頃気づいてすんません!! そういえばみんな(そこそこ)若い女性やったわ!

    せやけど今回トリップしちゃった蓮ちゃんはどうにも中性的な子らしく、
    「あー・・・。著者は、BL畑の方かな・・・」
    とか、思った(スイマセン)。

    だって、やたら過保護にするジャストワとか、無条件で受け入れてるルーエン・ディーとか、ちょっと不愛想キャラのリヒトが常に蓮ちゃんの周りにワチャワチャいてはって、
    「わかりやすいハーレム状態」
    なのに、なんで蓮ちゃんがこう、わかりやすいヒロインちゃうんやろう・・・? と、わけのわからん違和感を感じつつ半分ほど読み終えたときに、

    「あっ、著者は蓮ちゃんを男子と思って書いてはるんちゃうか!」 (語弊あり)

    と、ふと思ってですね・・・。
    ちゅうかもう、蓮ちゃんが男子やったほうがいろいろなことがスムーズにいくし、蓮ちゃんがよりいっそう可愛くなる・・・。
    そう。そうやねん。著者の書き方やと、
    「可愛い男子主人公」
    に、しか読めへんねんな(笑)! いや、女子でも蓮ちゃんは可愛いけども。そもそも「白騎士さん」やしな・・・(笑)。

    そう思ったら、

    「ああ、このレーベルはもしかして『主人公は女子』しばりでもあるんかな?」

    と、思えてきて、それはそれでなんかニヤニヤした。
    「主人公は女子」しばりでも限界まで男子的な可愛さを出してきはったなっちゅうか。
    たまにはこういう芸風でもいいかな。

    「異世界カフェ」のリサちゃんはわかりやすく可愛いし、「入れ代わり」の由香子はちょっととうが立っている(ほんま失礼)けど根が可愛らしい人やし。

    蓮ちゃんもやや小動物的に可愛いけど、これはどう見ても男子的な可愛さやわ。
    うはー、みょうに納得・・・。

    ・・・ちゅう具合で、読了しました。

    「結局、ルーエン・ディーの正体は何やったんやろ」
    と、思った矢先にエピローグで種明かしをしてくれはったので、わりとスッキリ読了できたかも。

    それでもそのルーエン・ディーの「穢れ」だとか黒一色を纏う真意とか、「白騎士」って何なのとか、ジャストワとミカジがなぜここまで蓮ちゃん(と、いうか「白騎士」)に固執するのかとか、そもそも

    なんでここまでカエル推しなのかとか

    色々疑問は残っている。
    正直、書店以外のファンタジー要素はネタ振りだけで1冊が終わられてしまったので、ものすごい面白かったかといえばそうなのかどうなのかよくわからないけれど(ファンタジーの面白さは1冊ではまったくわからない論で)、次作も借りてみようと思う。

    ちゅうか、ちゃんと続きがあったことも驚いたし、それが蔵書にあったのも驚いた。
    ありがとう、ありがとう。色んなことにありがとう。

    「ものすごい面白かったかといえばそうなのかどうなのかよくわからない」ちゅうのは、「面白くなかった」ちゅうわけでは決してなく、ファンタジーの世界観もキッチリ書き込まれてるし、パラレルワールドへのトリップじゃなくて、他銀河へのトリップというのが目新しくてよかった。いわゆる「異星界」?

    こういう世界観は、宮沢賢治の世界だよね!! さすが、読書の歴史が長そうな著者(わからんが、間違いなくそうやろうと思う)やなあと思った。

    文章もしっかりしているし、読みやすい。
    「ここらへんのこの表現がちょっとなあ・・・」
    と、悪い意味で立ち止まることもなければ、逆に
    「この表現はすごいな・・・」
    と、しみじみ見返してしまうこともないくらい、さらさらっと読めた。

    正直、設定と世界を作り込んでくるファンタジーの序盤は、作中の設定に集中したいのでこのくらいサラッとしているほうが私は好きだ。

    登場人物も魅力的やし、案外マジメな異世界トリップファンタジーなのかもしれへん。
    ますます、次作に期待してみよう。そしてこの世界観を忘れないうちに、早く続きを読もう。笑

    竜も出てくるんやから、ファンタジーの王道ですやんね。
    ほんで、名前がひじょうに変換しにくいねんけど、これってロシア風の名前?


    ひくつではないけれど、わりと自己評価がさっぱりしている蓮ちゃんに対して、ルーエン・ディーが
    「あなたが自分自身を信じられなくても、あなたを信じる僕を信じればいい」
    と、いうたのは、いいなあ、と、思った。

    私もこんなことをいわれてみたい。・・・し、いってみたい。

    書店開設に追われていて薄れがちやったけれど、蓮ちゃんは「自分は何者なのか」「白騎士とは何か」と、いうことを掘り下げるのに本能的な恐怖を感じてるわけやね。

    無難に、当たり障りなく生きてきた自分には「白騎士」という責任は重すぎる、と、いうところなんかな。

    ここらへんをウジウジ悩まれると読んでいて億劫になるんやけど、さらっと流されてもそれはそれで
    「馴染みすぎやろ!」
    と、ツッこみたくなるかもしれへんので、今後このさじ加減に期待。

    でも、ノーリスク・ノーリターンで生きていることに慣れてしまったら、ハイリスク・ハイリターンってほんま怖いよね。(;^ω^)
    その気持ちは、わかる。

    やっぱり自分を信じられへんし、でも、それでもやっていかないとあかんときに私はどうしたかって、

    「私が好きで尊敬する〇〇さんが、私のことを▽▽と評価してくれているんやから、大丈夫」

    やったわ。
    結局、他人に信じさせてもらわないと自分を信じることができひんねんね。
    そういうのって、弱さなのか優しさなのか、どっちなんやろう。

    (2016.11.05)

  • 本屋を舞台にした物語は好きだけど、これは異世界の話だった。
    わかりやすい恋愛ノベルというより、本に対する情熱70%+銀河鉄道のような友情+ほんのり恋愛色という感じかな。
    キュンキュンするよりほのぼのほんわか。
    カエルの役割が面白い。爆発って結構危険じゃないか?

    元書店員さんというだけあって、書店員の仕事について詳しく書かれていた。本って体力使うよね。
    この世界では取引先は小人さん一択だし、週刊雑誌もないから4、5人でもなんとかまわせるのかなーとか現実的なことも考えてみたりして。

    リヒトにまったく女性だと気づかれないのに、ルーエンには最初からレディ扱いされかなり戸惑う主人公の連。
    彼女が周りから男性と間違われるのも何やら意味ありげな気がする。パーティーの夜会服なのに男装したのか?とかちょっと気になった。
    そしてルーエンも意外と純情?彼も何やら事情がありそうだけど、今後の布石かな。

  • 本としてのあるべきものが欠けた本を開いたら
    地球とはまったく違う場所にいた。

    異世界トリップというよりは、宇宙トリップ?
    本が皆様の財産です、な星で図書館を作る事になったのですが
    確かに本好きには、手元に本がない生活は耐えられないかと。
    むしろなぜに本の販売が禁止なのか分からないのですが
    地域色、と思えば…矛盾も何もないですし。

    しかし気になるのはカエル。
    ものすごく安易な名前で用途が分かれていますが
    非常に分かりやすい…。
    カエルまんじゅうも気になりますけど。
    ヒヨ○まんじゅうみたいなものでしょうか?w

    別段冒険するわけでもなく、のんびりほのぼの
    過保護な人達に囲まれて暮らしているだけ、です。
    もちろん精神的な葛藤その他はありますけど
    はらはらどきどきはまったく。
    別のはらはらどきどき、ならありました。
    結局…気がつかないまま、でしたし。
    思いこみはすごいですよ。

    しかし本に囲まれた仕事…うっとりします。
    とはいえ、地球の本屋さんには雑誌の分類があるので
    おまけと雑誌をドッキングさせないといけない
    過酷極まる作業が…。

    とりあえず、本屋好き、本好きには頷けるものが
    多々ある内容でした。

  • ある本を手にしたら銀河鉄道みたいな車両で『白騎士の星』へ来てしまった書店員の相葉蓮。
    異世界で書店を開くことになって…。
    ストーリの進行に納得できず、私には合いませんでした。
    童話とかが好きな人なら合うかも?

  • う~ん・・・・恋愛系でもないし、ただただ異世界で本屋さんを開く、というだけの話であまり特徴がなく面白くなかった。一応最後まで読んだので★2つにしましたが、ほぼ★1でした。私の好みではありませんでした。

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著者プロフィール

札幌市在住。安芸のPNで、Webにて小説を公開。「神は祟る」にてアルファポリス第3回ファンタジー小説大賞受賞。「愛してると言いなさい」で出版デビューに至る。

「2020年 『王宮書庫のご意見番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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