- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434194115
作品紹介・あらすじ
辺境の村に住む、働き者のマリエ。ある日突然、幼い頃から憧れていた紳士に自分の孫息子と結婚してほしいと頼まれる。驚くマリエだったが、彼の願いならばとその話を受けることに。孫息子であるエヴァラードが住む王都に向かうと、紳士に瓜二つの彼から、こう言い放たれる。「この婚姻は祖父が身罷(みまか)るまでだ」。そうして偽りの結婚生活が始まるが、エヴァラードは常にマリエに無関心。しかも自分以外の女性の気配もあって……。だが、マリエは妻としての役目を果たそうと家事に勤しむ。そんな風に過ごすうちに、エヴァラードの態度が次第に変わっていき――? 偽りの結婚から始まるラブストーリー。
感想・レビュー・書評
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その結婚はかりそめのものだった。祖父の親友から請われてマリエは彼の孫の元に嫁ぐこととなった。
ネット発の小説で表紙は華麗なイラストに飾られ、主人公マリエには親しい人以外が色のない灰色に見える目がある。そのため読み始めるまではラノベや少女小説の雰囲気が強いのだと思っていました。
確かにその要素は強く読みやすく登場人物も個性が際立っているのですが、それよりも強く思ったのは「赤毛のアン」や「風と共に去りぬ」のような大河小説の雰囲気でした。それは舞台設定によるものも大きいのかも知れません。その作品世界の雰囲気に身を委ねて読むのは、実に楽しかったのです。
辺境の町に育った働き者のマリエと、鼻持ちならない冷淡な性格のエヴァラード。ふたりはエヴァラードの祖父の望みを叶えるため、祖父の死まで夫婦であるように見せ掛けようとする。そんなかりそめの夫婦だけれども、マリエは一緒に暮らすのだからと誠心誠意エヴァラードに仕える。
やられたら倍返し!みたいなヒロインの小説をよく読むせいか、マリエの言われるままに仕える姿にはじめは戸惑いを感じました。しかしマリエはただ耐え忍んでいるのでなく、何事もさらりと受け流す術とやるからには完璧にやりたいという前向きさを感じたのです。そこで感じた好印象はそのままエヴァラードの胸中にも忍び込んでいくものとなっているのでしょう。
読み進めていく内に実はマリエもエヴァラードもある意味鈍感で、その鈍感さが物語に起伏を与えているのではないかと思えてきました。
全2巻の物語。さてどう帰着するのか楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の抱く感情によって目に映る色が鮮やかに見えたり、灰色に見えたりするマリエンティーナ。けれど祖父の昔からの親友だという老紳士の姿はマリエには最初から色鮮やかに見えていた。そんな淡い想いと憧れを抱く老紳士ヴィリアンに頼まれ、彼の孫と結婚することを決めたマリエ。けれどエヴァラードに初めて会った時に彼の姿は灰色にしか見えなかった。その上、エヴァラードはこの結婚は祖父が亡くなるまでの仮初めのものだと断言し、マリエに辛く当たる。けれど敬愛するヴィリアンのため、エヴァラードが結婚生活を快適に過ごせるよう様々な気遣いを見せる。そのうち、エヴァラードもそんなマリエを無視できない存在として認識するように…。
旦那は胃袋を掴め!というがまさにそんな感じの話(笑)健気に旦那様のために尽くすマリエに対するエヴァラードのあの仕打ち。序盤は腹立たしさを感じましたが、中盤から後半にかけてマリエのことを好きになっていくエヴァラードが苦労し始めるので、それで勘弁してやろう(笑)続きも出ているようなので読むのが楽しみ。 -
2巻が発売されるというので、積んでたのを読みました。
敬愛する老紳士に頼まれ会った事もない彼の孫と結婚する事になった20歳のヒロインと、病気の祖父の為に契約結婚と割り切って結婚を承諾した28歳ヒーローとの結婚から始まるすれ違いラブストーリーです。
とにかく、エヴァラードから「期間限定の仮初めの結婚生活」と断言されても、誠心誠意尽くすマリエの前向きな健気さに読みながら何度も泣きそうになりました。
男は胃袋から掴めというように、最初は冷たかったエヴァラードもマリエの手料理を食べ続けていく内に、いつしかマリエ自身に興味が湧いてくる心境の変化が良かったです!
2巻では、心を入れ替えたエヴァラードがどうやってマリエに求愛するのかが楽しみです。 -
オンラインで読んだ小説ですが、書籍も購入。続編もきっと購入。
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エヴァラードがこれからどう頑張るのかが気になるところで終わってるんだが。これ、続きでるのかな~?出て欲しいな~。うにゃにゃ。