格差社会を生き延びる“読書”という最強の武器

著者 :
  • アルファポリス
3.06
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434224249

感想・レビュー・書評

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  • 読書を薦める本も数冊読むとほぼ書かれていることは同じような傾向であることが分かってくる。
    本質的なところは同じで、古典、歴史、哲ものを薦めて、ビジネス書は必要なところだけを読みトレンドを掴み、幅広いジャンルを読むことを薦めている。また、技術的な速読ではなく、多読することで自然と身に着く速読を薦めている。また自分に合う本にはなかなか合わない前提で読書をし、合わない時には途中で止めることも必要。
    本書では著名人(出口氏、藤原氏、成毛氏、加谷珪一氏の読書本などからも多くの引用をしているので、その点では読書本としては総括的な位置づけに据えることもできる。
    ・知識とはただ知っている理解していることだけに対して、教養とは創造的な心の豊かさや理解力、芸術、宗教などの知識をさらに応用したもの。
    ・出口氏「ほんの使い方」では、知識や教養を身につける方法として、人から教えてもらう、旅をして経験から知識を得る、本を読んで知識を得る方法を述べている。
    ・加谷珪一氏「お金持ちはなぜ教養を必死に学ぶのか」で、教養とは物事の本質を見極めるための総合的な知識や考え方が人格や行動に結びついたものであり、教養に行動が結びつくとお金が生まれる。
    ・教養に関する本を読むと、ビジネス書より古典、名著、哲学書、歴史書が大切なことが分かる。
    ・本を1回読んで終わらせるのではなく、「腑に落ちる」まで繰り返し読む。1回読んで理解出来なくても繰り返し読んでいると理解できるようになってくる。これにピッタリなジャンルは古典や哲学。
    ・人と違うことをやることに意味がある。読書をする人が減っている時代だからこそ、読書をすることで他者と差別化できる。
    ・出口氏「ほんの使い方」では、著者は1ページ目から順番に読んでほしいと思って書いてあるはずなので、読む方も1ページ目から読むことが正しい読書。
    ・本というものは、ベストセラー、名著、有名人の著書だからといって、自分に合うわけではなく、むしろ合わないことの方が多い。ビジネス書は特にこの傾向が顕著で、その本に書いてある通りに実行しても成果が出ないことの方が多い。
    ・「思考は現実化する」は、性格的に全てを自分で決め、自分で突き進んでいくパワーをもった創業者タイプにしか合わないと思われる。このように世間に出ている経験則からくる法則は、万人に共通するものではない。
    ・多くの読書家のブックメンターとして、安岡正篤や中村天風、V・E・フランクルがいる。代表的な著書は安岡氏なら「新装版 音名を創る-人間学講話」「新装版 論語の活学-人間学講和」、中村氏なら「運命を拓く」、フランクルなら「夜と霧 新版」「論語」「孟子」「孫子」など。
    ・名著をいきなり読むのにハードルが高いのなら、マンガ本から入ることもお薦め。「まんがでわかるシリーズ」「マンガでやさしくわかるシリーズ」など。
    ・本の売れ行きに影響するのは、1.タイトル、2.営業力や広告宣伝、3.編集力、4.著者の販売力や影響力、5.本の中身、である。必ずしもいい本が売れるとは限らない。さらにいい本の中でも自分に合うかどうかが基準なので、いい本を見つけるのは大変だが、見つかった時は感動する。
    ・自分にとっていい本を見つける方法は、古典、哲学、歴史などと、ビジネス書では異なる。
    ・ビジネス書以外では、読書家が紹介している本や世間で評判になっている本、新聞の書評で紹介されている本などの中から選べば外れる確率は低くなる。これらは、人間の根本となるところや基となる知識を説いているため、物事の本質は時代を経ても変わらないためである。
    ・ビジネス書は気軽に読んでいいツール。自分が知りたいテーマの本を気軽に選んで読んでみて、違ったときには途中で止めて別の本を読めば良い。
    ・気になる著者ができたら、その方のセミナー等に参加して、自分の本にサインをもらう。著者に覚えてもらいたい場合には、ちょっと高めの口座に参加してお客様になれば丁寧に接してくれる。また、その著者の処女作には、著者の根底になる本当の想いが詰まっているので必ず読む。さらに、参考文献を参考に選書することもお薦め。共感できた著者が参考にした本なので、同じように共感できる可能性が高い。
    ・堀紘一氏の「自分を変える読書術」では、哲学はシンプルに言うなら『人間について深く知り、どう生きるべきかを徹底的に考える学問』である。絶対的な答えがないことをあえて考えるのが哲学であり、哲学書の学びを介して答えのないものを考える訓練を重ねているとビジネス上の選択に役立つ。
    ・加谷珪一氏「お金持ちはなぜ教養を必死に学ぶのか」で哲学を学ぶ利点を、お金儲けは人とのコミュニケーションですから、人はどのような存在なのかを問う哲学の知識が役立たないわけがない。
    ・ビジネス書はたいてい名著から派生しているものが多い。人間関係については、Dカーネギーの「人を動かす」。購買心理では、ロバートBチャルディーニ「影響力の武器[第三版]なぜ人は動かされるのか」。読書本では、Jモーティマー・アドラー「本を読む本」。成功哲学ではナポレオン・ヒル「思考は現実化する」。

  • 久しぶりに素晴らしい本に出会いました。この本の著者には、2年前に読んでいて、星4つの評価をつけているのですが、今回の本はそれ以上の衝撃でした。

    紙の本を読むことの重要性、ネットでは得られない本の素晴らしさ、速読や多読で読んだ本の冊数を競う(見栄を張る)よりも、自分の血肉(教養)となる読書をすることの大切さが強調されています。私自身がこの数年間に経験したことが、殆ど同じ形で書かれていて、より共感を得ました。

    この本には、読書の大切さは勿論、読書で得られた知識、著者と対話したくなった気持ちを、実際にどのように行動につなげるべきかについてまで、踏み込んで書かれています。著者の大岩氏が開催しているセミナーを受講してみたく思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・本は、通常では会えないような著名人の頭の中を、たった1500円で知ることができる。今では出会えない偉人の考え方が、古典を読めばわかる(p26)

    ・人前で話すなど、アウトプットを前提とした読書というのは、非常に頭に入りやすい。人前で話す機会が多い人ほど、読書をした効果は顕著に現れる(p35)

    ・成功者の書いた本を読んでも、自分が成功できるかはわからない。それでも自分を信じて努力を続けた人が結果を残す(p37)

    ・大学入試は2020年から大きく変わる、暗記中心の「知識偏重型」から、思考力・判断力をいろいろな角度から評価する「知識活用型」への移行を目標としている(p46)

    ・古典、哲学、名著を読んで、人間の奥底にある真理や考え方を学ぶことで、自分の考え方が変わり、人の悪口を言わなくなり、「人のせい」「環境のせい」にしなくなった(p58)

    ・本棚の中に、サイエンス・歴史・経済、のセル(カテゴリー)のない本棚は、社会人としてはつくってはならない(p61)

    ・知識とは、ただ知っている、理解していることだけに対して、教養とは、ただ知っているだけではなく、創造的な心の豊かさや理解力、芸術、宗教など、知識をさらに応用したものである(p69)

    ・知識のもととなるのは、「経験+読書」である(p73)

    ・教養のレベルで、付き合う人が変わるように感じる。自分の教養レベルが上がるにつれて、どんどん素晴らしい人が周りに増える(p82)

    ・セミナーなどに参加して、その内容を実際に行動するのは、10%、それを継続する人は、その1%、つまり、0.1%の人しか継続して自分のものにしない(p86)

    ・読書を教養に変えるためには、たくさん、いろいろな種類の本を読み続けてほしい(p88)

    ・読書は、たくさん読むのが凄いのではなく、本の内容を覚えている、実際に行動に起こしている、継続して結果を出している、ということが大切(p99)

    ・腑に落ちる=納得する、合点がいく、腹にすとんと落ちる、という言葉がぴったりとくるジャンルは、やはり古典や哲学である(p101)

    ・自分の付き合う人が変わると、今まで反対されていたことに同調されて、応援されるようになってくる(p116)

    ・ネットでなく本で調べるといいかというのは、自分で調べていることにたどり着くまでに、苦労すればするほど頭に残りやすくなるという性質が人間にあるので(p132)

    ・安直に速読を目指すのではなく、本をたくさん読むことで知識が増え、自然と読むスピードが速くなる速読を目指すべき(p148)

    ・経営者の本は、前提である事例やケースが大企業のことが多く、中小企業にあてはめにくいこともある(p152)

    ・目標とする人に近づきたかったら、お金を払って相手のお客様になるのが鉄則で、そうでもしないのに、タダで何とかしてほしいというような人を相手にしている時間はない。セミナーにおいてでも、無料で何とかしようという発想を持っている限り、格差社会から抜け出せない(p158、188)

    ・古典の代表的著作として、「運命を創るー人間学講話」「論語の活学ー人間学講話」(p160)

    ・ソクラテスの名言の中に、「本をよく読むことで、自分を成長させていきなさい、本は著者がとても苦労して身に付けたことを、たやすく手に入れさせてくれる」(p208)

    ・アリストテレスの弁論術として、1)ロゴス(論理):何を伝えたいか、2)パトス(情熱):人に伝えたい!という情熱、3)エトス(倫理):人は言葉以外のものを見ている(p209)

    2016年10月30日作成

著者プロフィール

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として8,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。

「2019年 『商談が楽しくなる! モノが売れる! 営業マンの自己心理改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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