アイヌ語をフィ-ルドワ-クする (ことばを訪ねて)

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469211924

感想・レビュー・書評

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  • アイヌ語だけじゃなくてフィールドワークに付きまとう問題をこの人なりに書いている。女性だとこの辺どうなるんだろう。伝統とシャドウワークとケアと。ちょっと時間かかりそう。

  • 日本とは違った気候、文化、食生活、ガイジンとしての自分。。。これらは、母語とは異なる言語をフィールドワークする際に一般的にイメージされる事象だ。

    他方本著の主人公である、かつて”和人”と一緒に日本(と呼ばれる場所)に住んでいたのに、江戸・明治時代以降様々な形で和人との同一化が無理やりに進められてしまったアイヌのみなさまと、その言語を研究する著者の間では、そのような差異は生じない。むしろ近すぎるがゆえの苦悩があるようだ。さらにこれまで、和人がこれまで意識的に無意識にアイヌのみなさまに対しておこなったことが、著者とアイヌのみなさまとの関係構築に少なからず影響を与えている。

    そんな状況にあっても、著者は一人の研究者として、いや、一人の人間として、彼・彼女らの間に分け入り、彼らの言語、文化、精神世界を吸収していく。これは文章の合間ににじみ出る、著者のアイヌのみなさまに対する真摯な態度が彼らにもしっかりと伝わったたためであろう。

著者プロフィール

1955年生
1981年 東京大学大学院人文科学研究科言語学専修課程中退  文学修士

研究内容
1980年代後半にいたるまで、ごくわずかの口承文芸資料と数百語の基礎語彙の記録しか知られて いなかったアイヌ語千歳方言の文法、語彙、口承文芸に関する記述研究が中心。その成果を『アイヌ語 千歳方言辞典』という形でまとめたが、さらに語の用法についての詳しい記述を続行中。また1990 年から、アイヌ語の北に隣接して話されるニブフ語の研究に着手。北方諸言語の類型論的考察に必要な 基礎データを収集している。

主要な所属学会
日本言語学会  日本民族学会   口承文芸学会(理事:1995−現在)

社会的貢献
関東地方に在住するアイヌ人の団体のために定期的にアイヌ語の講習を行う。一般社会人のためのアイ ヌ語学習サークル「銀の滴講読会」を主催。アイヌ語学習サークル「パルンペ」を主催し、アイヌ語に よる投稿誌『パルンペ』を刊行する。

主要な研究業績
著書
『アイヌ語をフィールドワークする』(大修館書店 1995)
『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館 1995)
『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー 1997)
『エクスプレスアイヌ語』(中本ムツ子と共著、白水社 1997)

論文
「ア

「1995年 『アイヌ語千歳方言辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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