昭和が生んだ日本語――戦前戦中の庶民のことば (-)

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469222210

作品紹介・あらすじ

今につながることば、消えてしまったことば、…昭和という時代が生み出し、育てたあの頃の日本語。

感想・レビュー・書評

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  • 現代の言語が昭和という時代を経てどのように変化し成り立ってきたかを探る。元号が一代前に遡るだけで本当にこれが同じ日本語なのかとの驚きの連続。とりわけ誇張・美辞麗句の章の言い回しは、驚きを通り越して、盛大に笑いの大噴火であった。レトロ感芬々と漂よってくるイラスト、写真も不思議なアクセントとなって心にとりついた。言語の成り立ちのみならず昭和の情緒も楽しめる一冊だ。

  • ことばの背景をみていくと、それが使われていた世の中の情勢や当時の常識がみえてくる。平時と戦時でことばが変わっていく様子を、当時の雑誌のグラビア文章から丁寧にリサーチ。面白い。

  • サブタイトルのとおり、昭和時代、なかでも戦前~戦中に庶民の間で使われていた言葉を分析した本。
    当時の雑誌、新聞、ドラマ台本などから、人々が日常使っていた、触れていた言葉を拾い出し、現在の言葉と比較したりしている。

    「日本」を「にほん」と読ませるか「にっぽん」と読ませるかという分析はおもしろい。戦争の激化とともに、「にほん」から「にっぽん」と読ませるものが多くなっているのだとか。
    著者によれば、「にほん」よりも「にっぽん」のほうが強い語感であることが関係しているらしい。

  • 【今日の一冊】810.2||E59

    「エアーガール」,「ガソリンボーイ」少し前の日本語の姿を伝え,現代語をよりよく知るための一冊。

    http://www.auelib.aichi-edu.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00596401&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 使われなくなった言葉。時代とともに意味が変った言葉。それを今どんな風に感じるかな?

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    「私たちはこんな日本語を使っていた!
    男も指した「大和なでしこ」、目上にも言えた「あなた」という呼称、戦時中も意外と使われたカタカナ語、独特の皇室敬語、文字ばかりの説教調広告に美辞麗句あふれる記事…。当時の新聞雑誌・ラジオドラマから、今につながることば、消えてしまったことばを読む。遠ざかりゆく昭和という時代前半の日本語の物語。

    この本は、少し前の日本語の姿を伝え、現代語をよりよく知るために書いたものです。ことばは変化する、といつもいつも言われています。変化するのはわかっていても、いつ、どのように変化するのか、できるものなら、その現場を押さえておきたい、また、現在のことばとつながる点や相違点を知って、ことばの連続と不連続の妙を実感してみたい、と思います。(中略)
     言うまでもなく、どの時代のことばも孤立して存在するわけではありませんから、過去の用法や意味を知ることで、現在の語の位置がわかり、将来も予測できます。もちろん、限られた資料から近い過去を知り、わかったと思っても、結局は歴史の流れの中の浮き草を少しつまんだに過ぎません。
     この本を手に取ってくださった方々が、その浮き草を一緒につまんでみてくださればうれしいです。そして、その浮き草の色や形が、現在のわたしたちのものとどこが似ていてどこが違うかを観察していただくためにこの本が役立つなら、これほど大きな喜びはありません。(「あとがき」より)」

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著者プロフィール

文教大学教授
〈著書・論文〉
『女性の呼び方大研究』(編著)三省堂、1992年
『女のことばの文化史』学陽書房、1997年
『気になります、この「ことば」』小学館、1998年
『女とことば—女は変わったか 日本語は変わったか』(編著)明石書店、2001年
『中国女文字研究』明治書院、2002年
"A Cultural History of Japanese Women's Language" Center for Japanese Studies The University of Michigan 2006 など。

「2007年 『ことばとジェンダーの未来図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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