高度情報社会の大学: マスからユニバーサルへ

  • 玉川大学出版部
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784472401213

感想・レビュー・書評

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  • 一応こんな本も読んでます…。^^;
    もはや高等教育論においてはトロウモデル(エリート→マス→ユニバーサル)といえば古典のようなものですが。この本では、比較的最近の彼の講演や論文などを編集したものなので、遠隔教育や、IT技術のインパクト、アカウンタビリティの問題など、現代の高等教育においてUp to dateな問題がいろいろと取り上げられています。彼の論考はパースペクティブが比較的一貫しているので、わかりやすい。本当に、彼が言うように、高等教育のこれから、というのはかなりドラスティックに変っていくだろうなー…と現場にいても思います。30年後、大学なんてないかも…と思う反面、やはり、高度な知的交流の場として新たな活路を見いだしつつ存続してほしい、と思います。私は若干エリート型の大学に傾倒しているかもしれない。でも、生涯教育とか継続教育とかリカレンと教育とかっていう時代になったら、「大学」ってエリート型に回帰せざるを得ないのではないかと思うのだけれども。
    蛇足ながら、「教育」という言葉はすごく嫌いだ。「用語」として定着してしまっているから仕方なく使っているけど。英語の「education(引き出す、という意味)」もどうかと思う。ドイツ語の「bildung(自己形成というような意味)」というのが一番しっくりくるが。強いて言えば「learning」は許容できる。教育って一方向的な気がするから。やはり学習者の動機あってこそ、何かを学べると思うので。
    で、ええと、この本自体、何か新しい発見があるわけではないのだけれども、そういういろいろなことを自分で考えるきっかけとしては良かったです。これをテキストとして、ディスカッションなんかをしてみるとおもしろいかも。
    (2001 Mar)

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