- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784473036247
作品紹介・あらすじ
"イケズな京都人"の源流は古典文学にあり。「かつて日本人にとってイケズは娯楽だった。陰翳と諧謔に満ちた言葉の愉悦を知っていた。イケズなる芸の本質を入江流現代京都語訳で読み解く」。
感想・レビュー・書評
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薄々感じていたものを言葉で明確に示され思わずニヤリとしてしまいます。
記紀神話におけるエログロの解釈なんて、これまでに尤もらしく語られてきた(ぼかされた、かな?)どの学説よりも余程腑に落ちるし、清少納言と紫式部とのライバル意識をそれぞれの作品から読み取る過程も大変面白かったです。
イケズを念頭に置いてまた読み返したくなってきました。
願わくばこの著者によって【超訳】された古典文学を是非とも刊行して頂きたいものです(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
その当時の娯楽・エンタティメントだと思えば、高校の古文の時間に「?」だった作品群も、面白く読める。ましてやそれが「イケズ」というテーマで解析すれば……。ポンと膝打つ内容に、目から鱗がおちたよう。1300年以上たっても、ヒトの本質は変化せぇへんのやな。
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著者の別本があまりハマらなかったので、こちらもどんなもんかなーと思いながら読み始めたが最初からちゃんと読み応えあり。
著者の売りである「京都人」の札を所狭しとペタペ貼り尽くし、「イケズ」をテーマに展開していく文章は実も花も美味しい。
んだけども
取り上げられるイケズの数々は著者の京都人のアイデンティティや取り上げる古典の名作にのみ寄るものではないですよねぇ。
この人はどの時代のどこの国のどの地域に生まれ育っても同じようにイケズだったと思います。
古事記、日本書紀、風土記、源氏物語、枕草子、土佐日記、蜻蛉日記、更級日記、今昔物語、平家物語、方丈記、徒然草、風姿花伝、御伽草子、雨月物語、金閣寺、静寛院宮御側日記
どれも厭らしく取り扱っているけれど、古事記日本書紀源氏物語あたりが特にイイ。
【著者のイケズというか底意地の悪さが光るフレーズ】
源氏物語はエゴの物語
「内面を有しないものは所詮異端の美しか持てない。但しそれは恐るべき力を有する」
読者を求めると徒然が濁る
ディスカバーヘイアン(世阿弥) -
腐女子とか、2chとか、スラングとか、突然の古典の京都弁訳とか、はちゃめちゃなルビとか。
癖のある文章を含めて、とにかくやりたいほうだいな本だと思った。
ただ、読んでいるうちに、大学の講義で学んだことと似た内容が毒のある解説と解説の間に紛れ込んでいる事に気が付き、なかなか侮れないと思った。 -
古典をもっと勉強したくなった(*^_^*)
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入江氏による古典文学案内。
記紀から三島まで、京都語で訳されたそれぞれの気持ちが良いこと! -
イケズの本当のところって、ウーン、なるほど面白い!
古典作品の案内=歴史観でもあるんですね。
この歴史観も古いようで新しく、楽しめました!
触れられた作品はもちろん読みかえしたいと思ったし、「金閣」は未読なのですぐ読もうと思います! -
入江敦彦・(超)訳 の古典(全編)を読みたい。