文楽の男: 初世吉田玉男の世界 (淡交新書)

  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473041173

作品紹介・あらすじ

山川静夫氏と吉田玉男氏との対談のなかでつむぎだされた珠玉の芸談。ゆったりとやわらかな大阪弁で語られる芸への思いや来し方など、文楽ファンにはたまらない魅力あふれる貴重な話が満載です。また山川氏による文楽への愛にあふれた玉男評や舞台解説も魅力。臨場感あふれる写真とともに、品格ある舞台がよみがえります。

感想・レビュー・書評

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  • 人形浄瑠璃の人間国宝であった人形遣いの吉田玉男(初世)が、自身が演じた男役についてインタビューに答える。それを通じて玉男本人の人柄も描き出そうという一冊。
    自伝や芸談をまとめることを断ってきたが、山川静夫さんからの、たってのお申し出なので「お受けした次第」という、底本の発行が2002年の本。

    口下手だから人形遣いの道を選んだという逸話は、やっぱり感がすごい。人形を生き生きと見せるという意識かどうかは知らないが、顔を出して演じる「出遣い」でも、まるで黒衣のような雰囲気を醸し出していた人でしたね(ちらっと見たことがあるだけだが)。

    伸びる弟子について聞かれて
    「積極的というか。若い子供の時分から、介錯とかいろいろ仕事があるんやけど、ところが、怒られることも多い。それでも一回や二回怒られてもかまへん、と思ってるヤツと、そういう危険は避ける奴がいてね。『虎穴に入らずんば虎子を得ず』と一緒で、怒られるんやったら早いうちに怒られといたほうがいい。危険を避けていると、『なんやお前、三年もたっているのにまだそんなことでけへんのか』となる。引っ込み思案して危険を避けているのは、こっちも経験してきているから百も承知や。『ああ、あいつ善五郎しておるな』て。善五郎というのはさぼるヤツのこと。ことばの由来はどこからきてんのかな? 手を抜いているとあかんな。怒られるのは年齢(とし)のひとつでも若い時にやっておいたほうがエエ。」

    内容もだけど、「善五郎」が気になる。

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