タゴール著作集 (第2巻) 詩集2

制作 : 山室 静 
  • 第三文明社
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  • / ISBN・EAN: 9784476040326

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  • ミヒャエルエンデを真似るわけではないし、陳腐な表現を試みたいわけではないが、タゴールの詩は、文字通り人を「健康」にする。それは彼の生涯が「生命の海」をいっていたからであり、その過程で編まれたものだけを「詩」として表出していたからに他ならない。タゴールのような人間がかつて生き、そうしてこうした詩の上を歩いていた。ただそのことだけで、今の私には十分すぎる程に力が湧いてくるのである。

    ●以下引用

    願わくはこのようなときにこそ すべてを終わらせたまえー 心に 至高の目的をいだくことができるとき、麗しの終曲を迎えて おまえのヴィーナの絃に すべての不協和音が 一つの調べとなって融け入るとき、 夕日が おまえに呼びかけて、恐れるなと言いながら 一日を 暗い未知の世界へと導いてゆくとき、美の最後の礼拝に 自分の光を すべて 捧げつくすとき、夕べの星が 無窮の空の窓辺に向って 平和の燈火が どのように燃えるかに見入るとき、夜が その 沈黙の扉を開いて 静かに合図をおくりながら ゆっくりと すべての言葉が尽きるところへ、海の交わる巡礼の岸へとさしまねくとき 蓮華の芳香を おまえのうまし心に 最後の捧げもの 最後の挨拶としていただくとき

    【二元性】

    わたしは じっと大地に目をおとす
    瞑想にふける夕闇のよう。
    わたしの前には 果てしない平野がひろがっている
    おまえは 地平線上に独りつっ立ち
    わたしの上に枝をひろげる
    ピヤルの樹のよう。
    わたしの物言わぬ心は
    おまえの緑の涼しい感触にうっとりし
    太陽も 月も 星々も忘れる。

    おまえの花々はーある時は咲き、
    またある時は萎れて 落ちる。
    おまえの葉はーあるときはざわめき、
    またあるときは静まりかえる。
    あまえの孤独なすがたは
    わたしの寂しい心に 永遠に新しい衣をまとて現れる
    おまえの葉は(それは優雅な ふるえる指のようだ)
    光の口づけを求め、
    残照の情熱を求めるー
    星々のささやきを求め、
    わたしの心のうちの永遠を求める!


    【贈り物】

    ダイヤの顎飾りを持って
    わたしはあなたの戸口にやって来ました
    そして 恥ずかしさにうなだれて帰ってゆきました
    ほんの一瞬 わたしは外の世界に
    そこにはないものを求めたのです!
    卑怯なこころが
    誘惑であなたをものにしようとしたのです
    高価な宝石で心を買おうとしたのです

    あれ以来 わたしは心に誓っています
    そのときどきの最もえりすぐったものだけを
    わたしが天から恵みとして受けたものだけを
    日ごと 彼女の手に渡そう、と!
    インドラ二の天界の樹のように
    わたしのうちに花咲くまたとない夜々を
    彼女の顎飾りに編もう、と。
    そして、わたしの心の贈り物をとどけるかけがえのないひとときを
    彼女の足もとにさしだそう、と。



    【顕現】

    暗がりから、私をあなたの目の光のなかへ連れ出してください。
    私はいままで 知らずにいたのですー。
    無名の哀しい重荷に 私はこんなにも長く耐えてきたのです、
    そうして私は 多くの人びとのなかの名もなき一人にすぎなかったのです。
    おお 私は 完全に知ることで その悲しみから私を救ってください!
    あなたのやさしい視線を 孤独な私の上に注いでください
    内なる精神のやどる
    あの大いなる孤独のなかに
    あなたの光をたずさえて 私の善と罪を照らし出してください。
    私の恐怖と当惑を拭い去って
    あなたの前に赤裸々に立たせてください

    私は 己の無明につつまれて、瞑々としてかすんでいました。
    世界にとって 私はほんの影にすぎません
    それゆえに、人々のなかにいては 私は自分を見つけることができません
    人びとは私の名前を知ってはいても
    私の内部の隠された宝のことは知りません!
    私の仕事を知ってはいても 内奥の魂のことは知りません!
    もしあなたの前に 私がすっかり まことの姿で顕われるなら 私の仕事は高められます。
    そして私は 自分が神の二つとない創造物であることに気付きます。
    そのとき あなたの愛人はこういうでしょう
    「私は数え切れない歳月の たゆまぬ努力の所産です」と。
    おお愛するものよ、つねに新たに私を見出してください、
    そして久しく持った私の報酬を 私に刈り取らせてください。
    無名という足枷を 私はいつもひきずってきたのです。
    真理は あなたが私を知ってくださることのなかにこそ存在します そしてその真理が 私を自由にするのです。


    【未完成】

    おお 彼に告げよ 告げるがいいー
    「とうとうわたしは 彼を垣間見ました!」と。
    雨雲をつきぬけて、陽の光が ちょうど
    花咲く茂みに口づけしていた。
    森の寺院には
    タンプラの響きにも似た 
    樹々の音楽がこだましていた!
    感謝の歌が万天に立ちのぼりー
    涙あふれ、わたしの陶然とした心は
    うやうやしく頭をたれる

    生と死のくりかえしの中で
    わたしたちの出会いの この約束ーそれこそは神の賜物だーが運命の仄暗いページに書かれている。
    そのことづてを
    わたしの生の流れのなかで
    岸から岸へとわたしは持ち込んだ
    遥か彼方を見つめながら
    わたしの物欲しげな目は
    この出会いの 隠された歌をうたってきた

    おお 彼に告げるがいいー
    「ああ 見知らぬ客よ!わたしはあなたを識りました。
    幻のように あなたはいくたびもいくたびも
    わたしのふるえる心の戸口を訪れました
    春の夜な夜な、
    花々の香りのなかで
    あなたの来訪の息遣いが、わたしの心のヴェールをひらめかせ
    わたしのシタールの絃から 一つの叫びを呼び出しました」

    おお彼に告げるがいいー
    「恥ずかしさのために わたしは圧倒されました。
    わたしはひとことも言うことはできませんでした
    そしてわたしは 祭りの衣装も着けてはいませんでした。私の心のうちには 朧月がかくされていますが
    あなたはただ 月のない夜だけをごらんになっていたのです!
    わたしの愛するものよ!日ごと わたしのお供え盆はみたされましょう。おゆるしください!おお、今日のわたしの貧しさを赦してください」と。


    【負けん気】

    あなたは ぼくを苦しめてやろうと、
    ぼくから眼をそむけようとするのですね?
    それでも ぼくは恐れはしない!
    愛するものよ!
    生命がけで ぼくはあなたをなびかせよう。
    若者だけが 障害を乗り越える術を知っている、
    彼の希望は果てしなく、彼の力は限りない!
    あなたの目の稲妻のような閃きも
    ぼくをふるいあがらせはしない

    四月の雲が
    森を見向きもしないで飛び去ってゆくー
    蕾は 一つとして開かず
    パンヤンは花もつけずに立っている。
    大地の下では 根が渇き、
    木の葉が落ちる。
    それでも 樹々は頭をもたげ、
    灼けつく太陽をも物ともしない苦行者のように
    静かな瞑想のうちに祈りを捧げる。
    日に日はつぎ、夜は夜につづく。
    そのあいだも、樹々は静かに、じっと待ち受けている!
    希望が去ったかのようにみえたとき、
    突然、しめっぽい雲を連れて
    雨の7月がやってくる-
    「ごめん、ごめん!」と雲の声が空にこだまして
    恵みの雨が降ってくる。
    あなたは あなたの顔をそむけるつもりですね?
    忘れないでおくれ「運命の書」に書かれていることをー
    遠い昔から ぼくはあなたの愛をぼくのものだと言ってきたことを!
    海は 雪をいただく嶺を自分のものだと主張するー
    小さな流れが旅に出て
    遥かな彼方に目を灌ぐ
    不安な流れの声は「いやだ、いやだ!」とむずかりながら、
    自らの運命をまぬがれようとやっきになって、
    なんと曲がりくねった経路をたどってゆくことか!
    河が大きくなるにつれて その声も大きくなってゆく!
    それでも 海は寛大な微笑をうかべて
    この見せかけの無視を見逃しているー
    なぜなら いつの日か この逃亡者の戯れも
    海との結合のうちに終わり
    自己を捧げる献身の流れは 全きものとなるのだから


    【期待】

    せつない期待のうちに わたしは待っている 愛するひとよ!
    そしてわたしは おんみに挨拶を送るー
    まだ来たことのないおんみに、
    永久に待たれるものであるおんみに!
    恵みの雨をふりそそぐおんみに!
    わたしはおんみに! わたしの部屋に入ってくれとは頼まない
    おんみの勝利の歌をうたいたまえ



    薄暗い黄昏のなかで
    闇に住まう虚偽が
    大地を闊歩し、
    光と翳を織りなして幻影をつくる!
    民衆は実在せぬものの神聖化を求め、
    乞食は運命のめぐみを願う
    自らの邪な企みを成就するために



    【路傍にて】

    あなたは遠くの寺院に向って
    海岸伝いに歩いてゆきますー
    わたしは一本の樹、
    そして わたしの蔭で わたしはあなたの体に口づけをします
    おお 巡礼者よ
    わたしに あなたのいのりの一部をともにさせてください
    路傍で
    あなたの巡礼をじっと眺めて佇んでいましょう、
    そしてあなたの礼拝に 捧げる花として
    わたしの一部をさしあげましょう

    わずかながらも わたしはやさしさをまじえてきました
    未知なるもの 遥かな遠くにあったものに
    緑の文字で
    わたしはすでに知っているものの消息を伝えました
    わたしは知って
    あなたは道をたずねておいでになりました。
    そのとき あなたの創造物のなかに
    かすかに あなたの信者の声がこだまします
    わたしの葉は
    真昼の太陽の灼けつく暑さに震え
    あなたの心にまどろむ祈りをとなえます
    わたしはあなたのいのりの成果に わたしの果実をまじえます

    昼が夜のなかへと消えてゆき
    あなたの旅路が終わるときも、
    わたしはここに 独り立っておりましょうーわたしのつとめを終えて。
    この道をいつまでも わたしの心のなかになつかしく残ることでしょう
    あなたの追憶のなかで わたしは想い出となってさまようことでしょう、
    そしてあなたのために わたしはよろこんで捧げますー
    わたしのものであるいっさいを


    【呼び声】

    あなたはどこにいるのですか?
    おお わたしの呼び声に耳を傾けてください!
    あなたにはわたしが必要なのです、
    わたしはあなたの足枷などではありません!
    わたしの内部に わたしは生命の支えをたずさえます。
    あなたは悲しみの地へと歩んでゆくー
    その道には水はなく 土地はひからびています!
    わたしはあなたの道連れになりましょうー
    なぜなら わたしは辛抱強く 疲れを知らぬからです。
    わたしの雄々しい心には
    癒しと慰めを与える生命の流れが脈うちますー
    わたしは
    ひからびた岩から水を吸い上げ、
    それを
    奉仕のたえざる流れへと注ぐ
    一本の樹のようです。
    灼けつく太陽もその樹を枯らすことはありません!
    石だらけの大地の下に、
    埋められたこの宝を、
    どんな苦難にも征服されることのない
    確固たる英雄心の象徴を!


    【赤貧】

    わたしはけっして あなたを完全に知っているなどと誇りにしたことはありません
    愛する者よ、あなたとすっかりひとつになっているときにも
    わたしはやっぱり孤独です。
    あなたのヴィーナの絃が 
    わたしの手にふれて震えるとき、
    それは眠らぬ春の夜に
    あなたをすっかり表しているのでだろうか?

    けれども、わたしは告白しましょうー
    朝まだ早く、
    夢があなたのまどろみとあそび
    鳥たちがまださめやらぬとき、
    金色の東雲の空が 信心深い期待のうちに
    曙光を待ち受けているとき、
    わたしはあなたの部屋に入りますーそして
    そのとき わたしは心に痛みをもって知るのです
    あなたは永久に知られぬままであるということを、
    そしてわたしの探究はけっして終わることがないということを
    あなたがわたしのうちに求める宝が
    そこにはないということに
    あなたがついに気づきはしまいかと
    わたしは気が気ではありません
    あなたはのどの渇きをいやしに来られましたが
    そこには 水はありませんでした

    おお わたしの心の主よ
    それでもわたしをなじらないでください
    つれなくなさらないでください
    もしもあなたが 酔い心地で わたしを買い被ってくだすっていたとしても
    わたしはけっして 自分の貧しさを隠そうとしたのではありません、
    夢見心地で
    あなたがわたしの戸口に来られたとき
    あなたは 贈り物を受け取るためにおいでになったのですか?
    あなたは尽きせぬ宝をおもちです!
    ですからあなたは与えるよろこびを味わうために
    わたしのところへおいでになるのでしょう?
    もしそれがあなたのよろこびなら
    受けるわたしは ほんとうに祝福されているうのです

    【花嫁】
    舟が流れをさかのぼってゆく
    そして 夕闇が地平の上に降りてくる
    おお 年若い花嫁よ! いずこの村へおまえはゆくのか?
    祝日の笛が
    ムルタンのやさしい調べで 夕暮れの空をみたしていた
    おまえの仲間の娘たちが
    深紅の衣装におまえをつつんだー
    人知れず 涙をふきながら

    さざ波が
    風に合わせてささやいているかのようだー
    「無数の花嫁たちが 向こう岸を見つめながら
    この流れを渡っていきました」と。
    運命の主は一言も語らなかった。
    彼の目は
    恐怖と恥じらいにふるえる花嫁の上に注がれていた
    そして目には見えない 舵とりのように
    船の上に座っていた

    既知の世界から
    未知の世界へと
    若い花嫁を乗せて 船は漕いでゆく
    涙と微笑のあいだで揺れながら
    ひとつの家を離れ 見知らぬものの心のなかに
    見よ、向うの村がおまえを待っている!
    急げ、日の暮れるまでに着けるよう。
    なんという遠い時代の昔から
    愁いに満ちた花嫁たちが
    あの船着き場につぎつぎ 舟を着けたことか!
    来る世も 来る世も
    はかないもの 移ろいやすいものたち 尽きせぬ流れが
    忘れてゆく人々の名もなき行為を書きとどめながら
    自らの歴史をつづった
    時代と時代は
    跡を残さぬ生の流れによって
    一本の糸につづられてきた
    人間が苦しみを受けたとしても
    それを示す傷跡は残らない
    大いなる癒しの手である死が それをかき消していく

    それゆえに黄昏が
    おまえの前途に希望をひろげ
    おまえの耳にささやいた
    「こころを愛でみたした女だけが
    幸福だ
    心無い不幸と別離が
    行く手によこたわっている
    それでもなお おまえが
    「光をもって わたしはわたしの人生を明るく照らし  わたしの生命のすべてをもって 人生を愛してきました」と言えるなら おまえの日々はみたされ なんの悔ゆることもないだろう」と。


    【挨拶】

    なんと辛抱強く あなたは
    昼も夜も わたしのそばにいてくれたでしょう
    しばしば あなたの足跡が
    わたしの運命の小道に残されていました。
    今日 わたしが遠くへ旅立ってゆくにあたって
    わたしの最後の贈り物として
    わたしの勝利の歌をあなたに残してまいりましょう
    いくたびか、むなしく わたしは
    犠牲の火をかがやかせようとこころみはしなかったでしょうか
    今日 あなたがおいでになるときに
    あの聖なる火は燃えています、
    そして わたしの捧げものがあなたの方へと流れてゆきます
    わたしの挨拶を受けてください
    わたしの人生の この最後の挨拶を
    あなたのやさしい御手を この挨拶の上においてください
    そしてわたしの挨拶が あなたのもとにとどきますように
    さまざまな宝物にとりかこまれて
    あなたが座っておいでの御座にまで。



    【永遠なるもの】
    この見知らぬ道に沿って
    わたしの車は速度を上げる、
    警笛を鳴らし、砂埃で空をおおいながら。
    そんなとき、道ばたの森の深みから、
    涼しい枝をのばしたレモンの木から、
    カッコーが呼ぶ

    【コパイ川】

    ポンダ河は遠い空のもと
    どこへ流れて
    いってしまったのか、
    心のうちで私はポンダ河を見る。
    一つの岸辺は砂の洲、
    貧しく、無執着が故に、大胆な風情
    他の岸辺には、竹の林、マンゴーの林
    バンヤンの古木、打ち捨てられた家、
    年旧りた、幹の太いカタルの木
    池の端には、からしの畠
    道の側びは、藤の茂み


    【黄金の舟】

    「わしは仏陀のための乞食椀を運んでいるんじゃ。目をさませ、市民たち。お前の持ち物を何でも差し出せ。」その声は都スラヴァスティの通りをぬけて鳴り響いた。
    東の空には曙の微光がある。だが町はまどろみに包まれていた。郭公は折しも歌いはじめた。「目覚めよ」とその声は叫ぶ。「聞け、雲はその持てるすべてを大地に与える。何者も断念よりも高く評価されるものはないのじゃ」


    【永遠なるもの】

    この見知らぬ道に沿って
    わたしの車は速度を上げる、
    警笛を鳴らし、砂埃で空をおおいながら。
    そんなとき、道ばたの深みから、涼しい枝をのばしたレモンの木から、カッコーが呼ぶ。

    鳥の声のなかで、永遠の旋律がこの一日の上に一滴一滴したたり落ちるようだ。わたしの子供時代には、ガンジスの堤から水を見つめながら、わたしはカッコーの歌を村から聞いた。永遠に表現できないものを、わたしの心はその旋律のなかに聞いた、「なじはわたしの愛するものである。」

    鳴き声は森の木の葉をこえてひろがり、水のさざめきと混ざり合い、そしてはるかな青空に消えていった。わたしは今日家からはなれ、これらの鳴き声を妨害の多い道ばたで聞く、かくれた枝に咲く花々にまでそのメッセージを運ぶ、鳴き声を聞く。森かげの涼しい平和は、親しいささらきのなかで朝の光とむつみあう、その会話のなかにわたしははっきりと、やさしくいう声を、「なんじはわたしの愛するものである。」

    すぐ近くでは争いがつづいている。とるに足らない信頼を盗むために、ごまかしのナイフが骨にまで切り付ける。意地の悪い笑いがいりくんだ不幸を破滅させる。気落ちした悲嘆のなかで、わたしは世界的な人間の恐怖が人々の家庭を運命の炎のなかで燃え上がらせ、宇宙を欲の網でおおうのを観る。だれが救ってくれるだろう、わたしはあやしむ、盲目のうちにみずからを破壊しつつある人間を?

    そんなとき、不意に、花咲くアショカの木のやさしいかげから、カッコーが呼ぶ。わたしの心は平和によって動かされる。初めであり、また終りである平和によって。永遠に表現できないもの、この平和をわたしに語るー「なんじはわたしの愛するものである。」

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