会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」

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著者 : 冨山和彦
  • ダイヤモンド社 (2007年7月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478000700

会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」の感想・レビュー・書評

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  • 産業再生機構のCOOを勤めた筆者の経営者を語った本ですが、極めてストイックかつ、バランス感覚を持った意見に思いました。

    経営は理詰めで合理的に進めなくてはいけないものだが、いかんせん人間は情に流されやすい存在なので、経営者たるものは合理と情理の両方を極めなくてはいけないとの意見は、経営現場で苦労された方だからこその意見に思いました。

    この本に書かれてある事を踏まえますと、日本大企業にプロの経営者と言えるべきトップはほとんどいないように思います。他の本で筆者が現場の最前線にいる30代に経営者的視点を持つように提言していますが、経営者世代の方がしっかりとした経営者の観点を以てもらえれば、日本の閉塞した状況は打開できるように思いました。

    30代でも組織のリーダーたらんと考えている方は読んでみれば参考になることは多いと思います。

  • ・インセンティブの奴隷。リスクを取らない方向に組織としてインセンティブが向かっているのならそのように動く。ベスト&ブライテストでも一緒。
    ・挫折力に似てるな。
    ・PDCAの章はちょっと意味不明
    ・日本人は、確実なことは世の中が不確実なことであるということを忘れてしまった。
    ・失われた?年は先人たちが築いた資産を食いつぶした時代。

    ・既得権益者がリーダーでは変革は行われない
    ・人間は40歳をすぎたあたりから著しく生産性が下がってくるとのこと。

    ・カネボウ化粧品の例だと、41歳社長。社内ベンチャーで。
    実際は若手が会社を引っ張っているという話。
    現場が20代で、商品企画やマーケティングは30代。で、間が空いて60代のおじいちゃん社長をもってきてもシャーないやろうといういう話になっていた。
    ・技術者などの高付加価値ワーカーは国際市場で戦っていて、すでにgoogleはすごいことになっている。コンピューターサイエンスの天才達をあつめまくっているというわけだ。サムソンもそうだね。
    ・うちの液晶テレビのビジネスだって、高い商品価値をもっていた時のビジネスモデルと今のビジネスモデルって全然違うんだよ。
    ・40代になってから部下をもってもダメだろうという話。社長なんてできやしないよ。
    ・リーダーは徹底的に現場に入って行く必要がある。会えて七に飛び込むことも必要だ。

  • 人間の心理の深~い部分を全部炙り出した1冊です。

    『「人はインセンティブと性格の奴隷である」だから、小賢しい組織論やスキル論よりも「人間集団を正しく動機づける」ことの方がパワーを生み出す』

    『人間の価値観、行動洋式そのものを変えるのが真の経営者だ、という人もいるが、実態は、そこにいる個々人が本来持っていた個性ややる気に対して働きかけた結果、モチベーションと組織能力が飛躍的に高まった』

    『経営者としての私のスタンスは、まずは人間を動機づけているものの本質を理解する努力を行う。そこに的確に働きかけ、勇気づける。本人が相互に矛盾するインセンティブの相克に苦しんでいるのなら、それを整理して、あるいは自分自身がその一部を引き受けて、その人を葛藤状態から解放すべくベ ストを尽くす』

    『部下は上司の「見たい現実」を報告するように動機づけられている。ミクロの次元では「理に適った」行動が、全体としての転落を加速していく』

    『ホワイトカラーおやじ組織で、やたらと会議が大人数になるのは、意志決定に関する責任が自分ひとりにふりかかって来ないようリスクヘッジをするインセンティブが働くから。こうした「相互安全保障」を目的とした会議や根回しの業務量は、人と人の組み合わせの数に応じて増えていく』

    『そもそも、経営が送り出すメッセージに対して、ただちに心から反応し、動機づけられて行動する人間は多くない。経営者がそのメッセージをどこまで本気で送っているのか、それに素直に乗っかることが自分にとって得か損か、自分にとって気分のよいことか悪いことか。まずは、値踏みモードに入る。』

  • 産業再生機構の代表の著書。最近出版された著者の「挫折力」と内容が重複する。現在の日本の経営者の能力低下に警鐘を鳴らすとともに現場の重要性を説く。また、官僚機構を初め大企業の競争等は中小企業が遭う修羅場に比べたら対した物ではなく、大企業のエリートこそその修羅場を経験し、挫折の重要性を説いたものである。「人が足りないという部門からはむしろ人を取り上げた方が本質的な効率改善が進む」という指摘。このパラドックスはうちの会社をそのまま指摘したものに思えてならない。

  • 現場で闘ってきた人の重みがある。内容をしっかりと腹に落とし込めることができれば…と思うが、まさにインセンティブのしがらみが頭をよぎる。

  • 筆者は、ボストンコンサルティングや産業再生機構で豊富な実務経験をお持ちの冨山和彦氏。著者自身、本書の中で「経営と事業のリアルな本質を語れるものは企業価値や資本政策を語るべからず」と述べられており、実際の現場経験をベースに書き綴っている内容にとても説得力を感じます。

    組織を動かしていく上で、筆者が重視する視点の一つとして、「人間の弱さ」が挙げられている。人間は物事を認識する際、「見たい現実を見る」生き物とのこと。「性弱説」に立って人間を理解すれば、社会、組織の多くの現象が理解可能になる。そして、そのような現実にこそ、経営や組織がとんでもない過ちや腐敗を起こす根源があると述べています。
    「現場にいる人たちのパワー」の重要性にも触れています。「経営とはとにかく人である」と言い切っておられます。細々した職務規定や指示命令なしに、自発的に働く現場人材の存在が求められる。そのため、小賢しい組織論やスキル論なんかよりも、人間集団に対する動機づけが必要とのこと。この部分が、リーダーシップの一つのポイントなのでしょう。筆者も、産業再生機構のご自身の経験を引用し、「合理」だけでなく、「情理」も踏まえたマネジメントの重要性を指摘しています。

    官僚機構の問題点を指摘した部分では、「相互安全保障」を目的とした会議や根回しの業務量は人と人との組み合わせの数に応じて増えていくこと、スタッフ部門が超多忙な状況では、管理職や中高年オジサンの頭数は思い切って減らした方が業務遂行能力も意思決定のスピードと的確性も向上するなどと書かれています。思い切った意見ですが、現在社会のパラドックスの一面かもしれません。

    私が個人的に注目した部分に、チームのメンバーの役割に関する記述がありました。筆者は産業再生機構で行っていた「再生の仕事」は「戦時」であると述べています。そして、極度の緊張感がある環境下で、他の職員に業務にも理解を求め、自分の専門外とする態度を認めないようにしたといいます。なぜそのように決めたかというと、仕事が佳境に入るほど専門家はプロであろうとし、チーム内に衝突を生むためだそうです。ただ、それぞれの専門家は壁を破るべく、猛烈な勉強をする必要があります。

    私たちは組織の中で働きながら、社会を考えています。筆者は、自己益(=一人ひとりの動機づけ)、組織益(=企業組織として動機づけられている方向性)、社会益(=社会全体の有する動機づけ)がシンクロすることが重要であると述べています。「経営者は飲み屋での話題が昔の自慢話になったら引き際かもしれない。ゴールのない経営に自慢や答えがあるはずがないのだから」と書かれています。経営は本質的に絶え間ない努力が不可欠であり、そのためのリーダーシップが求められているのではないかと考えらさせられます。
    本書の後半はリーダー論ですが、とても興味深く有意義な学びの時間を得ることができました。また、いつか、自分の立場が変わってから読み直してみたいと思う一冊です。

  • インセンティブの奴隷であり論理と情の葛藤に苛まれるという人間の本質に対して、各企業、経営者、ガバナンスの監視者がどのように取り組んでいけばいいのかについて解説された本。

  • 2015/6/26

  • 著者の作品は「結果を出すリーダーはみな非情である」(2012年の作品)を先に読んでいました。本作品はこれより5年前のものとなりますが、基本的な著者の考え方やスタンスが、この間に変わっていないことがわかります。

    東大法学部卒、司法試験合格、MBAホルダーと、超エリートの著者ですが、基本的に勉強ができるだけの人間に対しては厳しいスタンスをとっており、もっと泥臭い現場力や人間力が必要であると訴えています。超エリートの著者だからこそ、説得力があり心に響きました。

    本作品は経営者目線で書かれてありますが、サラリーマンである私にとってもその考え方は十分参考になりました。しかし、前述の「結果を・・・」の方が経営者色が薄いため、サラリーマンの方で著者のリーダー論に興味がある方は、「結果を・・・」の方がより実践的かもしれません。

  • 日本経済や経営戦略、筆者の事業再生の現場体験など話題は多岐に渡り、かつ濃密。筆者の熱い気持ちが伝わってくる良書。

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会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」の作品紹介

真剣勝負で「負け」を経験した人をトップに任命せよ!産業再生の請負人が提言。

会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」はこんな本です

会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」のKindle版

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