ドラッカー名著集11 企業とは何か

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制作 : 上田 惇生 
  • ダイヤモンド社 (2008年3月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478004319

ドラッカー名著集11 企業とは何かの感想・レビュー・書評

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  • "ドラッカーの3冊目(1946年)。

    前2作で、ファシズムの分析から、第2次大戦後の社会における企業の重要性を提案したことに続き、3作目でついに「企業」自体が分析の対象としてでてくる。

    GMを内部で観察したことを踏まえつつ、経営学的に組織論を語るみたいな部分もあるけど、全体としては、まだ社会経済学者という立ち位置からの作品かな?あるいは、社会経済学から、マネジメント学(?)に移行する最中、マネジメント学が生まれる瞬間の作品か?

    この作品の8年後に「現代の経営」がでて、ここではすっかり完成度の高いマネジメント論になっていることを考えれば、「企業とは何か」の今なにかが生まれようとしている感じは面白い。「傍観者の時代」と最初の3冊を読むことで、ドラッカーのマネジメントがでてきた思想的な背景が分かる。

    ドラッカーは、スゴいけど、なんだかあまり好きになれない著者だったのだが、最初の3冊を読むことで、読めてくるものが変ってくる。

    GMの事例をもとに、大企業のなかでの事業部制とか、企業内部での分権化を推奨(?)するなかで、分権化することで効率的になる場合とならない場合がある、という説明がある。が、問題は、経済的な効率性ではなくて、どちらがリーダーを多く育てるか、というのが最大のポイントであり、基本、分権化を進めるべきである、という部分に衝撃をうけた!市場経済がいいか、計画経済がいいか、ということを選択するのが、経済的効率性の問題ではなく、思想信念の問題であるように、分権化するかどうかというのも思想の問題である、と。。。

    あらためて、ドラッカーの思想の中核は、「全体主義を繰り返さないためには、失業をなくし、人々が人間性をもって働けるようにしなければならない。そして、その役割を担うのは企業であり、その企業を普通の人がしっかりと運営できるようなマネジメントが重要である」ということにあると確認した。

    一方、「経済の時代」は終わったというニュアンスが強かった前2作と比べると、経済成長や企業の利益の重要性、というか必要性が強調されてきているニュアンスもあり、戦時から平時に変る中で、現実的に機能するマネジメントを模索している感じもある。この後に続くマネジメントの本に比べると、試行錯誤的な部分もあるが、ここから何かが始まるという「始まり」の本なんだな〜。"

  • イノベイティブなことをしようとする時には必ず読み返す名著

  • 初版が書かれたのは1946年だが、現代でも十分通用する名著。
    この本に書かれているGM(ゼネラルモーターズ)の組織は理想的に見えるが、GM自身はこの著作を敵視し、その後GMが落ちぶれていったことは興味深い。

  • 335||D84||Ki

  • 開いた口が塞がらない素晴らしさだった。
    ・「組織」に対するアプローチ。
    ・GMや、現代社会に対する予言
    ・企業の社会的責任
    ・なにより、1946年に書かれている
    ドラッカーという人はどこまですごいのか。

  • 企業とは何か

  • 大戦中のさなかにあってGMのインサイダー側からアウトサイダーとしての視点でみた経営者のあり方と社会との連携をはかるべきでるとの視点がよかった

  • 1.
    企業の本質は社会的存在であり、共通の目的に向けた一人ひとりの人間の活動を組織化するための道具である。
    1946年の時点でこう言っていたドラッカー。

    1970年代に入って、ローマ・クラブ『成長の限界』や、公害の頻発を受け、多くの企業がCSRに目覚め始め、
    その後エンロン事件等を経て、日本では2000年代にやっとCSRが注目されるようになる。

    しかし、ドラッカーはその25年も前に、言及している。しかも、CSRよりも一歩進んだ考え。
    CSRは、利益を稼ぐ本業だけでなく、社会的責任を果たそう、という文脈で語られることが多かった。
    しかし,ドラッカーが言っているのは、そもそも企業は、社会の共通の目的を達成するための道具にすぎないということ。
    すなわち、「本業+社会的責任を果たす行為」ではなく、
    「本業=社会的責任を果たす行為」ということ。
    (本書では「調和」という言葉で表現されている。)

    2.
    『産業人の未来』では、ドラッカーは経営人の権力の正統性を否定していた。
    「ここでわれわれは、最も重要な結論に達する。すなわち、今日の経営陣の権力は正統な権力ではないということである。経営陣の権力は、いかなる観点から見ても、社会が権力の基盤として正統なものとして認めてきた基本的な理念に基づいていない。そのような
    理念によって制御されてもいなければ、制約を課されてもいない。そのうえ、なにものに対しても責任を負っていない。」

    しかし、『企業とは何か』では、この意見を覆している。
    これは、坂本和一さんの言うように、企業観が「株式会社」から「事業体」「組織体」に変わったため。「事業を遂行するための人々の組織」という認識に変わったため。
    これにより、経営者支配の権力の正統性を認めている。
    これは、GMの調査を通し、企業を「事業を遂行するための人々の組織」として捉えるようになった。

    また、『産業人の未来』では、「現実の支配が理念的な正当性を生む」というバーナムの主張を退けていたものの、ナチスだ倒れたことで、経営者支配の権力の正統性を認めやすくなった、とも坂本和一さんは言っている。

    この点、納得である。
    http://www.ritsumei.ac.jp/~kazuichi/pdf/drugger.pdf

    3.
    GMは本書を無視した。
    私がドラッカーの立場だったら、すなわち、クライアントが目指すべき姿が分かっているにもかかわらず、クライアントがそれに全く目を受けてくれない、という状況にいるクライアントだったら。
    まずは、経営幹部の隔離孤絶を防ぐために、様々なデータや意見を集め、変革を腹落ちさせることが必要。そのためには、クライアントと信頼関係を築くことが必要。ある種インサイダーになることが必要。
    どうしたら・・・

  • 「企業とは何か」はドラッカーが36歳のときの著作である。前作「産業人の未来」で、第二次世界大戦後、アメリカ中心の産業社会が来ることを予見したドラッカーは、一人ひとりの位置と役割に尊厳と正当性を持つことが社会には必要であるとの保守主義を基盤にして、大規模組織が機能する基本原理と、組織で働く人の位置づけについて、本書は書かれている。自由主義体制を基盤に持つ産業社会にとって、企業、特に大企業の存在は、社会的に大きな影響を持つ、企業の本質とは社会的存在であり、また企業は人間組織である。本書でドラッカーは、その当時のアメリカ最大の企業、GMを、企業の在り方を考える実例として取り上げている。更に、大企業が機能する原理として、分権制の基本原理を実例に即して語っている。第三部 社会の代表的組織としての企業 ~ 第四部 産業社会の存在としての企業        第三部から第四部の問題は、今日的には大きな意味がある。企業の経済的領域から社会と企業の関係について述べている。但し、企業と社会との関係は、GMには受け入れられなかった。なぜなら経営を経済の問題に限定して、原理と考える、その当時のGMのトップには社会的責任は受け入れられるものではなかった。この問題は大企業の通常業務を変更するときも、社会に大きな影響がある。例えば、日本の大企業が勤務体系を、フレックスタイム制にしたり、在宅勤務を増やすだけで、社会に影響がでる、また、採用方法を4月、一括採用から、通年採用に変更すると、大学、高校の入学時期まで影響がでてくる。更に企業が雇用する非正規雇用の人たちの処遇は、企業のなかで、正当な位置と役割が与えられなければ、社会、国家に大きな影響がでる。実例として、2008年の世界金融危機、以後の企業の、非正規雇用者に対する扱い、派遣切りは国家、社会に大きな影響を与えた。最後に大企業は、民間組織としての事業を追求し、経済的な役割を果たしながら、かつ人間的な価値を促し、国益に奉仕することが期待されているのである。

  • マネジメントについて初めて記した書籍といっても良く、GMの内部を分析してまとめた内容になっている。ただ、この時点では完成ではないとドラッカーも言っている。企業は、事業遂行の面だけでなく、社会的な存在でもあり、産業界での存在意義もあるということ。近年のトリプルボトムラインの先駆的な指摘である。ただ、事業として、その中での分権組織を機能させるパートに力が入っていると思う。経営学に近い領域になって、読みやすくなった。

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