ザ・フォロワーシップ―上司を動かす賢い部下の教科書

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478005774

作品紹介・あらすじ

リーダーと信頼しあえる関係を築き、真っ当で、充実した仕事人生を送るための実践ガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 良書 リーダ(上司)とフォロワー(部下)との関係を、フォロワーの立場から考察したもの。特に、勇敢なフォロワーとして、無責任、非常識なリーダへの対応、身の処し方を描いている。

    リーダ論の書はたくさんあるが、フォロワー論の書は珍しい。

    リーダは、フォロワーを必要とする。能力のあるフォロワーの支援なしに、長期にわたってリーダは賢明かつ効果的な力を使うことはできない。

    過信、過誤に陥っているリーダを助けて、組織を正しい方向に向けることが勇敢なフォロワー。

    直言するとともに、気づきを与えてリーダーを補助するのが、勇敢なフォロワー

    道義的、常識的な観点から、リーダーと対立した場合のフォロワーの行動と考え方が最後に示されている。

    私感ながら、古代中国の呉王闔閭と伍子胥、孫武とのやり取りが頭に浮かびました

    目次は、以下

    はじめに
    序章 強いリーダを育てる力
    第1章 リーダーとフォロワーの関係
    第2章 責任を負う
    第3章 リーダに仕える
    第4章 異議を申し立てる
    第5章 変革に関わる
    第6章 道義的な行動を起こす
    第7章 フォロワーに耳を傾ける
    エピローグ
    フォロワーシップについての瞑想

  • リーダーとフォロワーの関係は主従でも上下でもなく対等。支えること、フォロワーとしての責任、リーダーに影響を与え、守り、守られ、ときにはリーダーを正す。
    この内容を読むと徹することは並大抵のことではないな。
    根っからのリーダーでもフォロワーでもなく、時と場合によって振る舞いや立ち位置(見方)を変えている気がする。
    163冊目読了。

  • 今までなんとなく頭で理解していたフォロワー、という存在が、組織における最も重要な存在であると、論理的に言語化されている本だった。
    今まで焦点に当たることのなかったフォロワーへの理解が高まる。面倒な上司がいて苦しんでいる人はもちろん、組織を導くリーダーも、学ぶべきことがたくさん書かれている。
    日本人は組織に埋もれやすいので、本書は意識を変えたいと思っている人には効果的である。

  • 「これからの時代はリーダーだけがちゃんとしているだけではだめだ。フォロワーも主体性をもって行動しなきゃね」みたいな本かな、と思って読み始めたけど、そんな領域をはるかに超えたスゴい本だ。

    つまり、これは通常のフォロワーの語感をはるかに超えた世界。昔の日本企業の大番頭が、出来の悪い主人に、「おそれながら、申し上げます。この◯◯屋は、代々、誠実を家訓として経営してまいりました。しかるに、今、あなたさまがなされようとしていることは、こうした伝統に反しており、これまで信頼を踏みにじるものでございます。先代のご主人さまもこのお話を聴かれたら、さぞお悲しみになられるでしょう。どうぞ、そうした決断はなされないようにお願い申し上げます」というような世界ですね。

    で、原題を確認すると、「勇気あるフォロワーシップ」。

    そうなんですね。この「勇気ある」というのが、この本のキーワードなんですよ。

    出来の悪い上司でも、しっかりとその人を支えつつ、うまく影から指導していく。そして、あまりにもおかしくなれば、忠告したり、ときには不服従したりするような強烈な主体性をもったフォロワーシップなんです。

    これを「勇気」なくして、できるはずがない。

    帯で、勝間和代さんが、「トンデモ上司に悩むあなたの特効薬は”フォロワーシップ”です。私も会社員時代にしっていたらもっと楽だったのに!会社員必読です」なんて、推薦しているけど、勝間さんは、これで楽になるかもしれないけど、ほとんど会社員は、この本の要求するあまりの勇気のハードルの高さに、萎縮して、こんな本読まなきゃ良かったと思うに違いない。

    リーダーも孤独で、難しい仕事であるが、権力なしに、リーダーとの人間関係をうまくコントロールしながら、組織目的に向かって、組織をよりよくしようとしていこうとする「勇気あるフォロワーシップ」は、リーダーシップ以上に難しい課題かもしれない。

    組織目的のためとはいえ、リーダーに耳の痛いことまでいって、自分のキャリアーを危険にさらすためには、勇気だけでなく、いろいろな条件がある。その一つとして、職を辞職しても1年間くらい家族を養える蓄えをもつこと。よって、昇進しても、辞職する可能性があることを考え、生活レベルを上げないこと。それから、転職可能な技術、人間関係を持つ事などがアドバイスされている。

    なんで、そこまでして、「勇気」を持たなければならないのか?

    それは、それを自分の天職と見なすから、としか言いようがないのかもしれないが、著者の念頭には、ヒットラーに従って犯罪行為を行ったフォロワーたちの行動があるようだ。彼らにも、選択の余地はあったはずで、彼らが無実ではないはずである、ということだ。

    なんだか、ハンナ・アレントの「イエルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」とか、晩年のフーコーが、勇気をもって真実を語ること「パレーシア」を強調していたこと思いだした。

    個人的には、かつて使えた上司との間で、悩んだときのことを思い出させてくれた。その上司が達成しようとしていること、理念、ビジョンには、強く共感できる反面、そのやり方、運動論、人間関係のマネジメントのあり方には、共感できない面が多く、そのディレンマに悩み、部下として、どこまで忠実義務を果たすべきか、悩んだものだが、この本は、私の当時の悩みがそのまま書かれている気がした。

    自分としては、それなりに「勇気」をもって、フォロワーシップを発揮していたんだな、状況のなかではそれなりの最善は尽くしたのだ、と納得することはできた。

    この本は、著者の「フォロワーシップについての瞑想」なる短い言葉で終わるが、この2ページくらいは、いたいほど、胸に突き刺さった。いくつか、紹介すると、
    「私はこのグループの管理者(スチュワード)であり、その責任を共有する」
    「私は自分が思い描ける価値観に従う責任がある」
    「私は自分の成功と失敗、そしてその両方から学び続ける責任がある」
    「私は、私という人間の好ましい部分と好ましくない部分の両方に責任がある」
    「勇気は今ここに存在する。今日、私にはなにができるだろう?」

    これは、もういわゆるフォロワーシップを完全に超越した世界であることが、わかるであろう。これは、サーバント・リーダーシップの世界。

    あるいは、著者がいみじくも、使っている「スチュワード」というか、「スチュワードシップ」とでもいうべきものであろう。

    組織のよき目的を実現するために、組織のよき管理者として、強い決意をもって、地道に働く人間。たとえ、つまらないリーダーが上にいたとしても、彼との良好な信頼関係を築きながら、組織を健全な方向に向かわせるスチュワード(=受託管理者)なのである。

  • 仕事をする上で悩ましいことがあった。
    担当業務をこなす上での自分のポジショニングについてだ。

    ルーチンの仕事は確認をするまでもなく、淡々とこなす。
    イレギュラーがあれば主担当に確認をする。
    補助業務メインなので当然のことだと思っていた。
    しかし、主担当が替わってから、私は殆ど業務についての指示を受けた覚えが無い。
    私からの確認・許可などの一方通行のような気がしてならないのだ。
    もちろん、口をあけて仕事を待っているつもりは無いが、自分が何をどこまでやれば良いのかわからない。
    大変そうな主担当のフォローをしたくても、(私からしてみると)とりつく島もなく、隣にいるのに何をしているのかよく判らない状況になった。
    自分の業務姿勢がよくないのか、言い方が悪いのか、どうすれば状況を変えることが出来るのか・・・。

    そんな時に見つけたのがこの本だった。

    答えが欲しくてとにかく読んでみた。
    が…。
    翻訳された文章の相性もあるのだろうが、いささか読むのに苦労した。
    また、内容的にも読む進むのに苦労した。気持ちが萎えている時やイライラ・カッカしている時は冷静に読むことが出来ないので、落ち着いている時に少しずつ読み進み、結局1年近く掛かってしまった。

    勇敢なフォロワーという存在は非常にうらやましく、かつ憧れるものだ。
    しかし、著者の国では“モノ言う部下”がアリだとしても、これをそのまま日本に当てはめるのは少しムリがある様な気がする。
    それは、本文中の具体的な事例についても同様だ。
    まあ、他の人にとってみれば、もしかしたら実際的で有用な事例なのかもしれないが。
    とはいえ、書中にあるように、実務的・専門的な知識を備え、必要に応じて意見を述べ、モノ申すことの出来る存在は日本の社会でも必要であろう。
    お互いの立場を尊重しつつ、意見を言い合う関係。
    当然、そこにはただ後ろについて従うだけでなく、責任を持って共通目的を果たそうとする意思を持つ必要がある。
    やはり憧れる働き方である。

  • 私には難し過ぎました…

  • 教科書なので、ながく感じられるのか?
    もっとまとめられる気がする

  • フォロワーシップ研修に携わるので予習。
    リーダーとフォロワーは縦関係でなく、平行関係でありお互いの強みを引き出さなければならない。
    道義的意義や達成目的からズレた時に、違うと伝える勇敢さが必要。上を喜ばすために仕事をしてるわけではなくて、対等に組織活性化を行うフォロワーシップが必要!

  • 会社員がサラリーマンでなくビジネスマンとして生きるための本。

  • ビジネスの場において、「リーダー」を務める人物を取り巻く側近の「フォロワー」が、いかに組織の共通目的達成に向けてリーダーを変革していくかについての指南書。

    フォロワーが持つべき重要な資質のひとつに「勇敢であること」を挙げ、リーダーに対する仕え方や異議の申し立て方、ひいては組織からの離脱に至るまで、幅広い姿勢の取り方が示されている。

    訳者あとがきで言及されている、「組織の命運はフォロワーにかかっている」という趣旨の一文にこの著書のメッセージが凝縮されていると感じた。

  • 上司と良好な関係を築き、仕事をするためのバイブル的な本。
    最後の離脱などの件については、そのまま日本の商習慣とマッチするかどうかは疑問は残るものの、全体としては、事例も含め上手く解説されていると思う。

  • 以下にしてリーダーと良好な関係を築きながらフォロワーシップを発揮することができるかを説明した図書。
    マネジメントの航海図で紹介。

    4章のリーダの種別ごとに対処方法を具体的事例を持って紹介している。これが日本の職場でも十分通用する。

  • 人気の半沢直樹は、よいフォロワーなんやなぁー。

  • 2013年38冊目。

    「勇敢なフォロワー」であるために必要なことがまとめられた本。
    主に「リーダーの側近」であるフォロワーに役立ちそうな内容が多かった。
    リーダーの負担の減らし方から、リーダーへの告発・組織脱退まで、カバーしている範囲は広い。
    それぞれの場面で、適切な会話の仕方の事例も豊富。

    全ての話に共通していることは、「全ては組織の『共通目的』の達成のため」であるという点。
    多くのフォロワーを導くリーダー自身がこの共通目的から外れれば、組織全体が共通億的から離れていくことになる。
    そのため、気付いたフォロワーは勇気を持って、批判すべきところは批判しなければならない。
    「フォロワーの70%は、何かしらの批判を思っていても口にしない」というデータからも、
    リーダー自身も自ら批判を集める努力が必要だと感じる。

  • 組織リーダー以外、つまり全ての社員が必読
    フォロワーが何たるかから、どう行動するべきか、最後にリーダーとしてフォロワーとどう接するべきかまで、フォロワーシップのすべてがわかる本。
    折に触れ読み返すことも有効な良書

  • リーダーシップの書籍は多々あるが、フォロワー側の視点から書かれた本として筆を進めているが、読んでみれば優れたフォロワーに求められる資質はリーダーと大差ない。わずかな立場の違いと役割の違いに過ぎない。

  • なんの役に立つのかよくわからん。そしてつまらない。

  • 組織の中で働いていれば、「社長」でない限り、誰かの部下であるということ。
    (ひょっとしたら社長でも、親会社の指示を受ける立場かもしれません)
    著者は、「”リーダー論”に関しては多くの書籍があるが、フォロワー:”リーダーを支える人”についての本は少ない」と主張する、フォロワーシップの研究家。
    ”勇敢なフォロワーが必要である”として、リーダーとの関係、フォロワーの責任と行動規範を書いています。
    特に印象に残ったのが、「リーダーに異議を申し立てる」ということに関して、多くのページが割かれている点。
    リーダーも一人の人間、フォロワーのほうが状況をよく理解している場合もありまた、リーダーが道義に反することをする可能性がある。
    そのような場合に、異議を申し立てる、ひいては組織を離れる必要がある、ということまで言及しています。
    かといって”リーダーと対立せよ”、ということではなく、組織の目標を理解し、それに向かって、リーダーと対等な立場で、責任を持って行動すべしというのが、著者の主張の骨格だと理解しました。
    現実的に使えそうな、「こんなリーダーに対しては・・・」というケーススタディーも多く書かれているので、組織で働く人にとっては、概念とハウツーの両面で役立つ一冊だと思います。

  • 世の中に数多くあるリーダーシップに関する本、さらにはどこの企業でも「リーダシップを発揮してくれ」と部下に言う上司が多いこと、、、そんなにみんながリーダーになってどうするの?世の中にはリーダー以上にフォローすする人の方が多いはず。しかし、そのフォローする側についてはあまり語られることがなかった。

    オリンパスの事件や大王製紙の事件を目の当たりにすると、フォロワーシップの大切さを考えてもいいかなと思えてきます。そもそも、優秀なフォロワーにならずには真のリーダーになれないではないかと思ったりもしました。

    しかし、この本に書かれている「勇敢なフォロワー」とは、まだまだ私にはイメージできない感じでした。具体的にどうすればいいのかまだまだ悩みは続くです。

  • 発想、考え方が、面白いと思いました。

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