昇進者の心得―新任マネジャーの将来を左右する重要課題 (Harvard Business Review Anthology)

制作 : DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478008904

感想・レビュー・書評

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  • "転機が来たときに購入し、読み始めたものの経営全般を舵取りするCEO、取締役など経営者の研究したものが多く、途中で寝かしていた。この週末、腰を痛めたため外出できずに家に閉じ込められていた中、本棚の整理をした。そして、この本に出会い再読した。
    リーダー、管理職になったもの心得をハーバード・ビジネス・レビューに投稿された論文で構成された本。
    さまざまな学者やその道の第一人者が寄稿している雑誌の再編集した本といえば、いいだろうか。
    この順番も、意味がある。よく考えてあると感じた。
    共感したところをメモしておく。

    第1章 新任マネジャーはなぜつまずいてしまうのか
     → 幻想を抱いたまま昇格すると、リーダーとしての重要な責務を見過ごすことになる。
       EX.「1対1の部下との関係づくりを重視しなければならない」という幻想
         「特定の個人へ何らかの判断を下すと全体に悪影響を及ぼすこともある。」チーム全体の調和が重要という真実
         など
    第2章 新任リーダーが犯しやすいミス
     →今までの成功体験からのリーダーシップにこだわってはだめ。
      組織の状態を把握し、その状態にあったリーダーシップが必要。STARSモデルを紹介
    第3章 功を急ぐと、なぜ失敗するのか
     →5つの落とし穴がある。落とし穴を避け、集団でクイック・ウィンを目指そう
    第4章 頼れる部下と困った部下
    第5章 リーダーが部下に翻弄される時
    第6章 だれを信頼すべきか
     →昔の相談相手が未来永劫最適だとは限らない。その時の役割で相談してはいけない場合もあるのだ。
    第7章 完全なるリーダーはいらない
    第8章 なぜ地位は人を堕落させるのか
     →一度、経験してみるとわかるが、それなりの地位につくと、周りの多くの人がその地位にふさわしく振舞う。どんな人物であれ。そのような環境が当然と錯覚してしまう人は、早々に堕落する。"

  • リンダ・ヒルの論考をはじめ、マネジャーの現実を昇進という観点からまとめたオムニバス論集。オムニバスゆえに物足りない部分も多いが、各論者の他の著書・論文に触れる手がかりとなる。

  • 立ち上げ、再建、成長の促進、再編、成功の持続

    大体、理解できている。
    話を聞く、方向を示す、調整する、など

  • リンダヒル
    「マネジメントという仕事を好きになれるか」「マネジメントをうまくこなすことができるか」「自分はどのように変わっていくのか」
    5つの誤解
    (1)管理職の権威は絶大である
    真実:相互依存「自分の将来は、部下たちの働きいかんにかかっている」「自分の部下を管理するだけでは足りず、自分のチームが置かれている環境も含めて管理する必要がある。そのチームを支える外部のキーパーソンを見つけ、その人物と効果的な関係を築かない限り、チームが仕事をこなすことができない」
    (2)管理職の権威はその地位から生まれる
    真実:「権威以外のすべて」によって管理職の権威は保証される。とりわけ「まっとうに行動する意思」「まっとうに行動する知識」「影響力(まっとうに振る舞いやりとげる能力」の持ち主であることを示す必要がある。
    (3)部下を統制しなければならない
    真実:部下たちが自発的に考え、仕事しない限り、いかに権限移譲しようと望む成果は得られない。自分の権限を部下たちと共有しようと努める
    (4)部下一人ひとりと良好な人間関係を築かなければならない
    真実:マネージャの目標は、チーム全体の力を最大化する方法を見つけること。「グループの結束力をテコに、個人の業績とやる気を高める」
    (5)何よりも円滑な業務運営を心がける
    真実:現状を維持するだけでなく、チームの業績をより向上させる改革案を示し、それを実行する責任を負っている事も自覚する必要がある。
    マネージャたるもの、その職掌範囲内であっても、あるいはそれを超えていても、自分のチームの成功に向けて改革を起こす義務を負っている。

    大半が自分たちを組織改革の主体ではなく対象であると見なしている。

    真のリーダーは長い時間の中で、さまざまな経験を通じて成長した人。

    自分の成功に必要な条件を揃えるのは自分の責任である(権限はみずから獲得するもの)

    マークバンヒューレン/トッドサファーストーン
    クイックウィン(就任早々に何らかの成果をあげること)
    失敗するマネージャの5つの問題行動
    (1) 隘路に入り込む
    クイックウィンを求めて、新しい仕事の1分野で、その達人になろうとして、仕事全般への目配りがおざなりになる。
    (2)批判を否定的に受け止める
    批判への耐性が低く、いかなる批判も自分への攻撃ととらえるようになったり、変化を嫌う抵抗勢力が現状をかたくなに維持しようとしている証拠だとみなしたりする。
    (3)威圧的である
    自分の有能さを信じ切ってる場合、周囲に威圧的に振る舞うことがあり、自分の成功を疑わないため、部下たちが素直に従うようすを、自分への同意や支持だと勘違いすることがある
    (4)拙速に結論を出す
    事を一気に進めようとすると、周囲の人から見れば、自分たちと一緒に解決策を考えるつもりはないように見える。クイックはあるがウィンにならない。
    (5)マイクロマネジメントに走る」
    ビジョンや組織目標を部下たちと共有するための時間は惜しむくせに、彼らがビジョンや目標から外れて行動しやしないかと懸念し、勝手に先回りして、マイクロマネジメントに走る。

    成果をあげたマネージャは、自分の昇進によって、新しい部下たちもまた変化への対応を迫られていることを理解している。
    チーム全体の評価を高めることを追求する「集合的クイックウィン」をめざす。
    集合的クイックウィンかどうかの2つの質問
    (1)結果が出た時に、主要なチームメンバの貢献がきちんと認識されるか
    (2)彼ら・彼女らが、自分の貢献について胸を張って語ることができるか

    サジュニコルAジョニ
    信頼関係の土台となるのは、誠実さと能力。しかし出世の階段を昇るにつれ、互いの立場、プロジェクトや昇進を巡る競争、権力闘争といった他の要素が入り込む。
    リーダーには相談相手が必要。そのリーダの成功を強く望んでおり、しかもそれによって個人的な利害を生じることのない相談相手からの、確かな情報に基づいた客観的なアドバイスが不可欠。
    「構造的信頼」とは個人的な共感から生じるものではなく、組織内の役割や使命によって生まれる。したがって、職場内の関係が変化すれば、構造的信頼が失われる。
    「国家に友人はいない。あるのは利害関係だけである」シャルル土ゴール

リンダ・ヒルの作品

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