ユニ・チャーム SAPS経営の原点―創業者高原慶一朗の経営哲学

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著者 : 二神軍平
  • ダイヤモンド社 (2009年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478011751

ユニ・チャーム SAPS経営の原点―創業者高原慶一朗の経営哲学の感想・レビュー・書評

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  • 徹底的な行動管理。やっていることは特段珍しくはないが、その徹底ぶりが凄まじい。週次レベルでここまで徹底してやれる会社なんて、まずないんじゃないかな。オペレーションもここまで突き詰めれば強力な武器だなと。

    2:6:2の法則で、ボトムの2割を以下に引き上げるか?
    徹底的な行動管理をする上で、「どうせできる奴しか報われないんだろ」ではなく、「みんなでハッピーになろう」は大事だよなぁ。理想論だけじゃ会社は変わらないからなぁ。

    策定したBCGもスゴイが、この仕組をキッチり回せているユニ・チャームの社員は本当にすごい。これを真似できる企業なんてほとんどないんじゃないかな。

  • ユニ・チャームにて業績不振だったペットケア事業の再建を事例としたSAPS経営の哲学、モデル、ツールを伝えた本。

    【良い点】
    ・事例をもって語られているため、今まで・今の立場に置き換えて捉えられる。当時の状況や現場の空気感も伝わってくる。

    ・何よりも企業哲学の徹底にも感銘。SAPS経営が目指すものは、「人間尊重」「達成感重視」、一度きりの人生において、自他ともに時間を無駄に過ごさないことが、もっとも大切。例えば、作ったモノが世に出ず破棄なるなんて元を辿れば製造者の時間を返せ、とも言える。意外と横行している点かと思うので、モノづくりの人間であれば、今一度思い返した方がいい。

    【紹介】****************
    1986年に新規事業として将来性を見込めるペットケア事業に参入したユニ・チャーム。一事業部門だったペットケア事業は、98年には子会社での事業展開となり、ますます成長するかのように見えた。

    だが、2000年には売上高200億に対して、6億円の経常赤字の計上。事業の立て直しを命ぜられ異動してきた著者。当時は社内でも普及されていなかったSAPS経営を主軸に置いた改革物語。

    押し込み営業に蝕まれた組織、単月での売上計上にはなれども、押し込んだ分の費用やリベートを販売促進費として2,3か月後の計上。100円のものを売るために、いくらの販売促進費がかかっているのか、実態がわかりづらくなっていた。

    著者が始め再建プロジェクトは、販売目標(伝統的な営業での売上の予算達成)を捨て、結果は問わないと言い続けることからだった。
    ・販売促進費の収益性の分解
    ・Schedule、Action、Performance、Scheduleマネジメントによる徹底的な行動管理(客先への訪問管理も含む)および、全てが自責で考えさせる会議
    ・マーケティングと営業の一気通貫(客先へ有益な情報を週1回共有、それによって毎週でも客先へ訪問する足がかり→信頼構築)

    上記を通じて、2001年には売上高は前年より下がれども、経常利益の黒字化達成、2005年には東証一部上場。2008年には、売上400億を超え、経常利益も60億を越える事業となる。
    ****************
    P&G,トヨタ…他社を徹底的にマネしながらも、自社としての哲学・哲学ゆえの経営手法を構築したところに、あっぱれでした。

    現場への落とし込み過程が一番大変かと思いますが、その点について記載は軽めなところもあるため、星4つ。

    素晴らしい本でした。

  • ユニチャーム。創業わずか50年で5000億円の超優良企業に成長。その強さの秘密、それは組織の力を最大限に引き出す「哲学」と「仕組み」を併せ持っているから。本書は、その哲学と仕組みを解説した一冊。この本に出てくる考え方、すごい共感出来るなー。管理出来ない「数値」では無く「行動」を徹底管理、設定した行動目標をやり切れば「数値」はついてくる。

    以下、参考になった点、引用、自己解釈含む。

    ●冒頭の荷馬車の絵。荷馬車を引く方向がバラバラだったり、引っ張らずに昼寝してたり。これが会社の姿。各自は大真面目に参画しているつもりでも、その力のベクトルが合っていないのが常。このベクトルが揃った時に初めて組織としての力が引き出され、最大化する。企業はまずもって、このベクトル合わせに心を砕くべき。

    ●形・サイズの異なる気を束ねるのは大変。強く締め付けるのではなく、考え方の「統一」をすることで、核となる形・サイズを合わせるべき。

    ●組織の運動能力を高めるためには、2:6:2のボトム2割が動ける仕組みを構築すること。

    ●意識⇒行動⇒能力⇒習慣ではなく、「行動」→意識⇒能力⇒習慣の順。変えるべきはまず「行動」。意識を変えるための「訓示」をいくら垂れても人の意識はそう変わらない。日々の行動が変わる仕組みをいかに構築し、徹底して刷り込ませるか。

    ●売上目標を捨て、自分でコントロールできる「行動」を目標化する。打率3割は結果論だが、打率3割を目指すための日々の素振り100回は自分の意識次第で出来る。打率では無く、素振りを目標化する。人の思考は強制出来ないが、人の行動は強制することが出来る。


    ●ウサギとカメの話。早く走り眠り、また早く走るウサギよりも、スピードが一定のカメの方が早くゴールする。早くゴールするだけでなく、周囲へのムリムダムラが少ない。45度線グラフ。

    ●お金やモノはいくらでも代替えがあるが、1人1人の時間は二度と帰ってこない。つまりかけがえのないものである。これを無駄使いさせるということは「収奪」以外のなにものでもない。形ある「モノ」はお金を出せば買えることが出来るし、「お金」は稼げばこれを得ることができる。しかしこれらを盗めば泥棒といわれて罪に問われるが、人の大切なかけがえのない「時間」を盗んでも『罪に問われない』というのは、どう考えても納得がいかない話である。

    ●ものを廃棄するとは、その製品を作るために費やされたすべての人々の時間を無にすること。こんな罪深いことは無い。

    ●人間尊重とは、1人1人の時間を大切にしてやるということであり、無駄な時間を費やさせない周りの心配りであり、何よりもその人のシゴトの結果が「世の為人のためになるように、創ったものがちゃんと生きるように」してやることだ。

    ●原因自分論。自分が悪いと投げやりになることではない。それは安易な思考停止に過ぎない。なぜそうなってしまったのかの原因を探り、改善の為の打ち手を考え、実践に移すこと。

    ●大きいものが小さいものに勝つのではない、早いものが遅いものに勝つ。オリンピック100m優勝の選手に勝とうと思えば、10秒早くスタートすればよい。ビジネスの世界においては、早くスタートしてはならないというルールは無い。

    ●価値を生み出している行動とは何かを明確にし、その行動に割り振れている時間を計測する。その行動に割り振る時間をいかくに増やせるかを考える。

    ●『said≠heard(言ったかといっても聞いてもらえたわけではない)』『heard≠listened(聞いてもらえたからといって、聴いてもらえたわけではない)』『listened≠understood(聴いてもらえたからといって、理解してもらえたわけではない)』『understood≠agreed(理化してもらえたからといって、賛成してもらえたわけではない)』『agreed≠convinced(賛成してもらえたからといって、納得して行動しようと思ってもらえたわけでない)』。コミュニケーションとは、発信した事実ではなく、受け手が行動を変えたか、ここに注目しなければならない。

    ●1・10・100理論。計画を作るには1の労力がかかるとしたら、それを動かすには10の力がかかり、それを定着させるのには100の力がかかる。計画をいくら作っても、定着できなければ意味が無い。計画を次から次への創り続ける企業が多いが、大事なのは1つの計画を徹底して根付かせる根気力。

    ●トレードオフ無しに仕組みを上乗せしない。何かをプラスするなら、何かを減らすこと。

    ●行動基準の無い行動管理は行わない。

    ●みんなハッピー!

  • ・全員が最優先課題に向かう
    ・企業間格差は「組織の運動能力格差」
    ・企業が運動能力を高めるには、ボトムの二割の社員の能力を上げることが成功へのカギ
    ・意識革新は行動革新から

    などなど興味深い言葉に溢れていました。
    しかしながら実際のユニ・チャームで行われているOGISM表、1Pローリング表、SAPS週報、などはいまひとつイメージが湧きませんでした。
    そっくりそのまま導入できるものではなく、自分なりに消化することが重要だと感じます。

  • ユニチャームのSAPSマネジメントの話。
    要するにPDCAをどうやって回させるかという仕組みのこと。

    実は自分も同じような仕組みを浪人生時代に考え、自己管理をしてきた(一時期は辞めていたが、最近ダラケていかんのでまた使い始めた。)
    なので、同じようなSAPSマネジメントがどのようなものなのか気になり本書を読んでみた。
    発想は同じなので基本的には同じだったが、週レベルでプライオリティを明確にすることなどは出来ていなかったことに気が付いた。月レベルの目標は立てていたが、正直あまり効果的ではなかった。これを週レベルに落とし込んで、そこから最も重視することを決めるところまでやるべきだった。

    最後に、ユニチャームはSAPSマネジメントを個人レベルで運用させている。これが部分最適に陥る原因として機能する可能性があるのではないか、と本書を読んでいて感じた。
    ユニチャームは成果主義・能力主義に否定的で、個の能力よりも組織の能力を重視するという。なのでエース人材とボトム人材の間で給与の分配は行わないらしい。ボトム層の人材のやる気がなくなるからだそうだ。
    組織重視という考え自体は正しいと思うが、その社会主義的な待遇によってエース人材のモチベーションが低下することによる損失と比べても果たしてどれほど有効なのかが気になった。
    この辺りは制約条件の理論をベースにした組織作りをしているのだろうが、SAPSマネジメントがネックとなるのではないか、と読んでいて思った。

  • ユニチャームペットケアの経営を立て直した著者による、ユニチャーム経営の重要なツールを説明した一冊。
    数値でなく行動・プロセスを重視するモデルは、製造業ならではの視点が感じられるが、業種を問わず応用できると思われる。
    本書でも触れられている、トヨタの「なぜなぜ5回」についても、実際に活用出来ている企業が少ない中、ユニチャームはツールを用いることで、個人の才覚や意識に関わらず広くその効果を生み出すことが出来ている模様。
    実用度の高い指南書。

  • ユニ・チャームのペットケア事業を復活させた際に用いたSAPS経営について書かれた本。
    ”S”スケジュール”A”アクション”P”パフォーマンス”S”スケジュールの略

    最初に幌馬車を引く人たちの絵が載せられている。
    幌馬車を引いている人・引いている人を応援している人・引かずに酒を飲んでる人・引いているが幌馬車ではなく”岩”を引いている人・・・。

    ◆企業間の格差は組織の運動能力の差に引き起こされる◆
    社員全員の目的意識を統一し、会社の運動能力を最大限引き出そうという取り組みのなかで生まれたものが”SAPS経営”である。
    ⇒二人三脚
    ⇒上手に束ねるコツは強く締めることではない
    ⇒「穴を掘る」ことと「井戸を掘る」ことの違い
    ⇒ボトムの二割の人がこなせる仕組み作り

    ・販売目標を捨て、共通の行動目標を立て、”行動”を管理する。
    ⇒行動革新→意識革新→能力革新→習慣革新→”自己革新”
    ・自己流を排し、「定石」を共有する
    ・利益を最大化させるために平準化の思想
    ⇒押し込みセールスの禁止(うさぎと亀)

    ●SAPSマネジメントモデル
    1、最優先課題に集中する
    ⇒”何を重要課題とするのか”全員と共有する
    2、真因を突き止める
    ⇒”なぜ5回”
    3、自己流を排除
    ⇒基本のフレームワークを押さえる
    4、実行の仕組みを定着させる
    ⇒習慣化で定着させる
    ⇒頭働き・体働き・気働き

    マンネリ打破には、「向上心と反省心」・「原因自分論と主体性」
    成功体験を多く積み重ねる

  • SAPS経営

    大組織を束ねるには、考え方と行動を束ねることが必要
    2・6・2の下の2がモチベーションを保てるような仕組みの構築。

    SAPSはスケジュール、アクション、パフォーマンス、スケジュール。
    販売目標を取り除き、行動目標に集中、その際に、いくら販売数値が悪くなっても結果は問わない、と言い続ける。
    三割打て、ではなくて100本素振りしろ。誰でもできることを目標にする。
    行動目標を追うことで、どのように行動目標を達成するか、別の苦しみが営業社員にのしかかる。⇒営業とマーケティングのコミュニケーション活性化。

    4つの心の病 おごり、うぬぼれ、甘え、マンネリに常に注意を払う。「のに」に注意。
    原因自分論⇒問題が起こった時に環境や、他人に原因を置かず、自分の原因を追究。

    小さい会社が大きい会社に勝つ術は、スピード。小さくて力のない会社でもスピードが勝れば勝てる。スピードを生む仕組みの構築が大事。「タイムベース戦略」

    業務の中で付加価値を生むのは加工工程、営業でいえば商談時間が加工工程。加工工程をいかに多くするか、その他時間をいかに省くかが大事。

    進捗管理は、週次で行い、最優先課題(1P)に全員が取り組む。
    行動目標を週次で追い、何ができて何ができなかったか、理由を明確にし、次週に臨む。

    やってはいけないこと
    ・トレードオフせずの導入
    ・行動基準のない行動管理
    ・実行の仕組みなしのプラン(SAPS会議なし)
    ・コミュニケーションなし

  • 「みんなでハッピー!」

    本書の至るところに、同社の実践に基づく成功体験として、非常に参考となる内容が多いのですが、私がその中でも一番気に入ったのが、「みんなでハッピー!」というフレーズです。

    リーダー自らが、こんなに単純で判り易い内容を、「我が社の文化」と明るく言い放ってしまうところに、同社が連続的して成功し続ける秘訣があるような気がします。

  • ・究極は人の気持ちしだい。

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ユニ・チャーム SAPS経営の原点―創業者高原慶一朗の経営哲学の作品紹介

正しい思考と行動が達成感と高業績を生む。会社の運動能力を高める経営モデル。

ユニ・チャーム SAPS経営の原点―創業者高原慶一朗の経営哲学はこんな本です

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