- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478012345
感想・レビュー・書評
-
中小企業診断士事例Ⅳのような内容
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
CFでいう「営業」とPLで「営業利益」は定義が違う。
CFでいう「営業」には財務活動によるキャッシュフロー」と「投資活動によるキャッシュフロー」の個別計上されているモノ以外の「企業のすべての事業活動」によって生じるキャッシュの増減を取り込んで、そこから生じる支払・収入からくる損益全てが盛り込まれている。
対して、PLでは営業外の「経常活動からくる損益」として扱われた「営業外収入・費用」も「特別利益・損失」も大半は「営業によるキャッシュフロー」に含まれる。
著者は上記を踏まえ本書では『事業活動からくるキャッシュフロー』という方が適切ではないかと説いている。
<営業キャッシュフロー算定手順>
1) 出発は「税引き前当期純利益」から。https://booklog.jp/users/wm1205?display=front#
2) 在庫の増減、売上債権、仕入れ債務の増減、運転資金のためのキャッシュ変動を補正する。
*運転資金は「損益」について影響を与えないが、CF上はキャッシュの増減に直接影響を与える。
3) OLに計上されるが実際にはキャッシュの変動を伴わないノン・キャッシュ・アイテム(EX. 減価償却→経費として計上、引当金の増減、資産(固定資産・有価証券)の評価差損益) -
まだまだ難しい。キャッシュフローの概念は分かりやすかった。
-
この書籍を見て、聞いたことあった会計用語の本質が漠然とつかめました。
トヨタと日産の比較やアサヒとキリンの比較で各社の戦略や業務の実態が財務諸表から見えてくるところは凄くおもしろかったです。
説明は非常に分かりやすいのですが、財務諸表が一定のものしか巻末に載っておらず非常に最後のキャッシュフローのところは理解に苦しい場面がありました。
元マッキンゼーにおられた方が書いているので実務的というより投資対象や戦略としての分析的な側面を強く感じました。
財務分析に関わる知識が増えたので活かせていければと思います。 -
事例が面白かった。
-
会計に関する本は、診断士や簿記の勉強をした時から読んできましたが、この本は、同業の企業の経営について損益計算書を使って比較する場合、両者を同じビジネス規模にして行うべきという論点が私にとっては新しいものでした。
本の中では、実際に日産とトヨタのP/Lを使って解説していますが、トヨタが日産と比較してどんな点で優れているのかが、計算書類の数字を解析することで説明できる点は素晴らしかったです。
更に、B/Sを使って、キリンとアサヒを比較していますが、キリンがかなり余裕をもって経営を行っている様子が明らかにしてくれていました。
この本はコンサルタントにとってだけでなく、ビジネスパーソンにとっても自分の会社を競合他社と比較する場合に有益な内容が詰まっていると思いました。
以下は気になったポイントです。
・売上高から比例費(変動費)の合計を差し引いたものが貢献利益、そこから期間経費(固定費)を引いたものが、最終利益となる(p31)
・損益分岐点を計算するには、売上1億円あたりの貢献利益で考える、貢献利益:42億円、売上高:112億円とすると、1億円あたりの貢献利益は0.375億円、だから損益分岐点は40(期間経費=固定費)/0.375=107億円となる、これと売上高の差額は事業部の利益に直結する(p32)
・計算書類の数字は、xxx百万円と読まないで「xx億円」と日本語で読む(p51)
・期首と見末の製品棚卸の変化は在庫になる、これが大きいかは売り上げ規模と比較する(p53)
・損益分岐点を出すためには、生産台数を使って行う、1)1台あたりの貢献利益(貢献利益/日本の生産台数)、2)損益分岐点(期間経費/1台当りの貢献利益)、すると日産@2011の場合、133.7万台生産したが、損益分岐点の136.7万台に及ばなかったことが判明する(p58)
・日本の数字の単位、万(10K)x万(10K)=億、億x万=兆(p60)
・日産のH11とH13を比較すると、材料費・運賃は削っているが、販売関連比例費(サービス保証、広告費等)は増えていることがわかる(p63)
・工場閉鎖等で減価償却費が減ってはいるが、給与が43億円減っているが、工場労務費は223億円増加(外注を内製化したとも予想)していることから、日産全体ではリストラは殆ど無かったと予想される(p65)
・位取りにおいて、3ケタ(西洋式)と4ケタ(東洋式)の最小公倍数の12ケタ=兆で、はじめてコンマの位置が一致する(p66)
・トヨタと日産について、同じ規模の比較をするには、トヨタの損益計算書をすべて日産の生産台数の規模に縮小して考える、つまりトヨタは386万台生産しているが、日産並み(134)として縮小する(p70)
・バブル崩壊後にトヨタは、上級者のイメージは保ちつつも実際に売る車としては、大衆車・小型車に力を入れたというマーケティング方針に変えたのだろう(p73)
・生産台数をそろえた営業利益の差(1703 vs マイナス157億円)は、規模では言い訳できない経営効率の差になる(p74)
・ゴーン改革において特別損失:8009億円というのは、関連会社の株式の現在価格での見直し(3489)、年金積立の不足分充当(1930)が含まれる(p82)
・使用総資本の効率(利益/使用総資本)をあげるには、資本の回転率(売上/使用総資本)と、売上高利益率(利益/売上)を上げる必要がある(p98)
2013年1月6日作成 -
会計としてはそんなに難しくないのかもしれないけど、会計以前の段階で簡単ではなかった。キャッシュフローについて、結構書いてあった。